青春18きっぷで行くいわき・山形2021(3)山形から東京まで

12月23日(木)山形から東京まで

今朝も天気は悪くなかった。本当は山寺へ行きたかったが、階段が多いこと、そして滑ることなどを考慮して今回は遠慮した。まずはゆっくり朝ご飯を食べる。ここは初めて泊まるホテルチェーンだったが、郷土料理がふんだんにあり、小皿に分けられているものも多く、実に食べやすかった。従業員の対応も良く、次回からはこのチェーンを使おうと思うが、ただ大浴場が無いのが難点だった。

午前中は山形市内を散歩することにした。まず昨日建物だけを見た郷土館に入ってみる。ここも無料だった。前の建物だけでなく、後ろにも続いており、中庭がある構造だった。内部も非常にレトロな雰囲気で、素晴らしい。元病院ということか、部屋数が多く、展示もかなり多い。

街を歩いていると、古めかしい建物も多く、また古めの教会なども見られ、思ったより楽しい。専称寺まで歩いていく。ここは最上義光の娘、駒姫の菩提寺だという。駒姫は僅か15歳で豊臣秀次に嫁いだが、その後すぐに秀次が切腹。駒姫も三条河原で処刑されるという悲劇の姫である。奥の方にポツンと黒髪塚があるのが何とも悲しい。

駅の方へ戻っていくと、三越があった。地方都市からデパートが撤退する中、何だかホッとする。山形駅は今年120周年を迎えたとある。さあ、帰ろう!まずは米沢へ向かう。山形の次の駅が蔵王。私はスキーをしたことがないので、ここに来ることはなかったが、名前は有名だ。

米沢まで50分弱。ここで福島行に乗り換える。向かいに特急が停まっており、こちらに乗りたい気分だが、そこは18きっぷの悲しさ。そこから1時間強で福島なのだが、この間にトンネルや工場のような屋根に覆われた駅がある。この辺が豪雪地帯なのだと分かり、またなぜ山形市が県庁所在地なのかもよくわかる気がする。このような気づきが各駅停車の旅である。

そしてトンネルを越えると雪国ではなく、快晴の地に出た。米沢‐福島間約50分で、ここまで天候が違うとは驚きであった。福島駅に着くと、東北本線への乗り継ぎに時間があったので、そばでも食べたいと思うのだが、駅の外にあるのだろうか。駅員に聞いてみると何と『新幹線の改札を入ったところにある』といい、また『新幹線改札で蕎麦食べたいといえば入れてくれるから』と人懐っこい福島弁で言われ、何だかほっこりする。

試しに行ってみると、出場券を渡され、確かにすぐに入れてくれた。こういうニーズはあるのだろう。かき揚げうどんを食べたが、ネギもいっぱい入れてくれ、格段に美味しく感じられた。食べ終わると何事もなかったように在来線に戻って、新白河行に乗り込む。意外と混んでいて驚く。

新白河まで約2時間、途中の郡山からは1年前の冬に会津若松から乗った路線だった。ここから黒磯行に乗り換えて、黒磯に着く頃には日が暮れていた(黒磯からは首都圏、が思い出される)。更に宇都宮まで1時間弱の行程だった。今は小刻みに乗り換えなければならず、何となく不便だが仕方がない。宇都宮からは湘南新宿ラインに乗りだけなので、この旅はもう終わったようなものだったが、何となく宇都宮駅の外へ出た。

先日浜松で餃子を食べたので、宇都宮でも食べてみようかと思ったのだ。この2つの都市は長年その消費量1位、2位を争っていたが、今年は宮崎が1番だったらしい。因みに私は栃木市というところで育ったが、宇都宮が餃子で有名な街だと思ったことはなかった。その有名店も駅にあるとのことだったが、意外と駅が分かり難く、何とか別の餃子屋に辿り着く。

狭い店なので、コロナ対策がきっちり行われており、ちょっと緊張する。入ってくる人もほぼ旅行者。それほど腹が減っているわけではないので、餃子シングル(餃子6個)セットを注文するが、なぜはみそ汁がバカでかい。何とか食べ終えて、急いでホームに戻り、次に電車に間に合った。小山を過ぎると、そこからは昔よく乗った路線なので、急に安心感が出て眠り込む。気が付くといつしか池袋、私の終点新宿はすぐだった。

今回18きっぷを5日使い切った。初日の新宿‐京都はかなり儲かったが、その後はそれほど節約にはならなかったように思う。それでもSuicaが使えるかどうか気にすることもなく、また途中下車が自由なので、この切符もこれからまた使えそうだとわかる。ただJRの廃線が続く中、事前にちゃんと調べて行かないと、使えない区間が増えていることは頭が痛い。それより在来線の旅に風情がなくなりつつあるのが、何とも残念だ。

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