静岡、三重、奈良茶旅2021(2)袋井 松下コレクションで

10月17日(日)袋井 松下コレクションで

朝早めに起きて、宿で朝食を取り、すぐに出かけた。何しろ初めての浜松。お迎えが来る前に浜松城ぐらい見ておこうと考えたのだ。天気予報は雨だったが、空は曇り。ちょうどよい散歩日和だ。浜松の街は日曜日の朝からか閑散としていた。浜松城跡まで歩くと結構時間が掛かったが、朝の散歩は気持ちが良い。そして思いの外、立派なお城が目に前に現れる。

1572年徳川家康は三方ヶ原の戦いで武田信玄に惨敗して、この城に逃げ帰った。後の天下人、家康にとっては、このこじんまりした城は色々な意味で思い出部会のではないだろうか。8時半に開城し、上まで登った。展示も三方ヶ原などが中心で面白い。今度大河ドラマでまた家康が取り上げられるらしい。その時はこの城も脚光を浴びるだろう。そこから市内を少し散策してホテルに戻る。

豊橋のJさんが車で迎えに来てくれた。本来は今日豊橋でM先生とお会いするというので、浜松の宿を取ったのだが、急遽場所が袋井に変更になり、戻る形になってしまった。ちょうどJさんも参加するというので、浜松で拾ってもらい、袋井に向かった。Jさんもお茶関係の人で、何度か会っていたので、お願いした。車中、探求心の強いJさんとお茶談義。

約1時間で袋井駅へ行き、東京から来た人々と合流した。何と意外にもMさんまでいた。しかも撮影機材を持っている。今日は一体何が始まるのだろうか。Jさんの車に皆が乗り込み、浅羽支所に向かった。バスだと30分に一本しかないので、とても助かる。入口まで来ると、支所の人が『今日は選挙の期日前投票ですから』と言って、我々を端に遠ざけた。あまり歓迎されていない様子が窺える。

3階のM先生コレクションは充実しているが、見学者はいない。先生はご高齢ながら大変お元気で、それから長い時間我々に話をしてくれた(詳細は色々あって割愛する)。コレクションの中には、昨日K先生から教えられた西郷昇三氏(対ロシア茶貿易への貢献者)直筆の『西郷文書』(戦前から戦後の静岡茶歴史の貴重な資料)も置かれていたが、残念ながらそれを気に掛ける人はいない。

更には日本国内で作られた磚茶が無造作に置かれているが、これは第二次大戦中、蒙古向けぬ作られたものだろうか。そうであれば実に貴重だ。書棚の書籍類も、先生が世界中で手に入れたものの一部らしいが、1日中読んでいても飽きないだろう(ここに数日通って読書三昧してみたい衝動に駆られる)。このコレクションの重要性は、地元ではなかなか理解されないのかもしれないが、是非とも展示が続いてほしいと思う。

結局弁当を食べながら、その後はお茶を飲みながら、更には場所を移して、ずっとM先生のお話を聞き続けた。それは非常に貴重な、幸せな時間だった。ついには新説まで飛び出してきて、驚きと感動と共にお開きとなった。帰りは豊橋までJさんの車に乗せてもらい、M先生とKさんも同乗した。次回は先生のお宅に伺い、更に話を聞き続けたいと思っているが、ご高齢の先生のこと、ご迷惑だろうか。

豊橋駅でJさんとも別れ、岐阜に帰省するKさんと共に新快速で名古屋へ向かった。1時間で名古屋に着き、近鉄に乗り換えて、三重方面へ。津へ行く電車、どれが一番早いのかと迷いながら松阪行きの急行に乗り込む。車内は意外に混んでおり、立っている人も多い。1時間後、電車は無事に津駅に到着した。

今晩から3泊は駅前のホテルに泊まることになっており、三重をゆっくり散策できそうだ。この宿の良いところは夜9時半から夜泣きラーメンが無料で食べられること。そして大浴場に浸かり、風呂上りにアイスを食べると何となく幸せ。館内はすべて浴衣で歩けるので、気を遣わずにリラックスできるので評判の宿だった。

10月18日(月)松阪へ

今日から三重を歩いてみる。過去三重に来たのは伊勢神宮と賢島ぐらいだった。まずは松坂へ向かう。津駅に行くと、JRではスイカが使えないと書かれている。では切符を買うのかと思い、一応窓口で聞いてみると、『近鉄はスイカで乗れますよ。でもJRの方が料金は安いです』との回答。え、松阪に行くのに、JRと近鉄があるの?同じ場所へ行くのに何で料金に差があるの?何で近鉄はスイカ使えるの??と疑問だらけで頭が固まる。しかしJRの電車がすぐに来るというので慌てて切符を買い、何とか乗り込む。

乗ってみてわかるのは、目的地が一緒でも途中の路線は別(当たり前か)。松阪駅に近づくと車内アナウンスが『次は「まつさか」』と言っている。「まつざか」ではないんだ。初めて知った。因みに地元では「まっさか」とも言っているらしい。天気は曇り、松阪については何も調べておらず、どうしたよいか悩みながら、観光案内所へ足が向く。

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