スリランカ お坊さんと行く紅茶畑の旅2012(12)コロンボ 美味しい和食、中華、洋食

11月18日(日)   優雅なブランチ

翌朝は昨晩の苦しみもあり、9時過ぎまで寝る。もう食べたくないという気持ちと、何となく腹が減ったという気持ちが交錯。こういう時ジャンクフード系は体にも心にも良くないので、立派なブランチを食べることに。向かった先はお向かいのシナモングランドホテル横のショッピングモール。そこの1階にはSugarという名前のレストランがあった。ここに英字新聞を持ち込み、朝食セットを頼む。しかし料金はホテル並み。1000ルピーを超えた。

ジュースとトースト。パパイヤ、マンゴとバナナのフルーツセット。ここまででそこそこお腹が張ってきた。更にオムレツ、ソーセージ、ベーコンなどが乗ったプレートが現れ、大満足。食後の紅茶も美味しく頂き、充実した食事を終える。実は便秘解消法として推奨されていた中に、お茶を飲む、バナナを食べるなどがあり、それを実践してみた。翌朝の効果は抜群でほぼ正常に戻っていた。

周囲のお客は欧米人が多く、インド系と思われる人もちらほら。まあ地元の人には敷居も高いが、ある意味ここで食べる必要性はないかもしれない。私には必要だったので、良かったのだが。

博物館

午後は日差しが強い中、国立博物館に向かう。何となく急に行ってみたくなったのだ。途中に立派な中国料理店を2軒発見。海鮮などがメインのようで、中国人団体観光客用だろうか。日本人の団体も行きそうだ。

道を間違えたこともあり、へとへとになって到着。そこは白亜のお城、ならぬ白亜の博物館。1877年に建造されたという立派な建物。前庭も広くて立派。大体この周辺には相当立派な建物が集中している。

入場料500ルピー。カメラ代250ルピー。展示物はスリランカの仏教美術が中心。植民地時代の歴史は敢えて触れないのか、殆どない。私が少し期待していた紅茶貿易の話なども全くなく、個人的にはあまり見る所もなく、終わる。カメラ代を支払ったが、損した気分。おまけに写真を撮ろうとすると、「カメラ代払ったのか」と聞かれ、不愉快に。もうちょっと分かり易い工夫をしないと面倒だ。

その後、ふらふら歩いて行くと、高級住宅街へ出る。本当に昔風の建物がきれいに保存されている。スリランカの金持ちはこのようなところに住んでいるのか、と感心。クリケットクラブという名前のカフェがあった。なかなか良い雰囲気だったが、私にはその辺のレストランで40ルピーのミルクティを飲む方がよほど疲れが取れる。事実、これを飲むと又歩き出せるのだから、不思議だ。

11月19日(月)   投資事情

今日は午前中、2か月前にバンコックで会った日本人に会いに行った。駐在経験が3年あり、忙しい中、まとまった話をしてくれた。最近は中国問題の発生もあり、東南アジアのみならず、南アジアも注目されていると言う。2009年の内戦終結後、欧米を中心に観光客が増えたが、それに対応するホテルが不足。これから欧米一流ブランド、シェラトン、ハイアット他、シャングリラなどが出来て来る。スリランカ政府は観光業に不慣れ。外国人から法外な入場料を取ってしまい、今後リピーターが来ることを想定していない。接客業も不慣れで、問題が多い。

日本企業で30年、40年と当地で工場経営している会社もあり、手先が器用、真面目、などの利点はある。だがここへ来て、給料の値上がり、オフィスや工業用地の不足による値上がりなど、投資環境は変わってきている。それでも他のアジアに比べればまだ安いし、競争相手がいないのだから、進出の余地はある。

日本のODA関連で建設会社も結構進出しているが、地元の要求がむちゃくちゃで、結構苦労しており、儲けも出ていないという。中国はワーカーまで中国から丸抱え、違いは鮮明。政府の汚職などは大問題と言うほどのことはない。ただこれからエスカレートしてくる可能性はある。税関の嫌がらせは小遣い稼ぎ。法律は英国法がベースだが、執行はケースバイケース。労働法など企業経営者の立場に立っていない。解雇などは慎重にやらないと裁判沙汰になる。感覚的に言うと、現在のスリランカは「80年代半ば(改革開放初期)の中国」と言える。

日本料理屋

昼はインドのチェンナイの日本人駐在員が飛行機に乗って食べに来ると言う「日本ばし」という店へ行って見る。ちょっと分かり難い場所だが、宿泊先から直ぐ近くだった。12時に行ったがお客は居なかった。店内は綺麗で個室もいくつかあり、本格的な日本料理屋というより、モダンなレストランといった印象だ。入り口に立っていた女性は日本語が出来たが、ウエーター達(ウエートレスはいない)は基本英語。それでも無料のお茶は運んできてくれる。

今日の定食を頼む。1400ルピー。他に数種類の定食があり、1400-1700ルピー。夜は居酒屋メニューも豊富とか。今日のメインはメンチカツ、あと野菜炒め、ポテトサラダ、ホタテ焼にご飯とみそ汁が付いていた。味噌汁を一口吸うと、成程これならチェンナイからも来るはずだという味。全てが日本の味で美味しく、久しぶりのメンチカツにも思わず涙。米もパサパサしていない。人間、たまにはいい物を食わないといけない、と昨晩からの続きで思う。12時半過ぎに日本人や地元の人が入り始めた。ここは香港などと同様にランチは1時からだろうか。イギリス植民地の名残を感じる。デザートにパパイヤも出て来て大満足。

最後の晩餐

午後は少しホテルで休息。インド洋を眺めて過ごす。暑さが感じられるが、エアコンもあるので快適。そして夕方、再び歩き出す。ここ数日の体調を考えて、いい物を食べようと思う。昨日も通ったクリケットクラブを目指したが、どうもこういう場所は敷居が高い。すると向かいにオシャレなカフェがあった。ギャラリーと書かれていたので入って行くと、伝統家屋を改造した立派なレストランだった。

渡り廊下に絵画が掛かり、骨董品が置かれている。相当に暗いシックな作りで、ヨーロッパの雰囲気が醸し出される。うーん、こんなスリランカもあるのか。思わず、カフェに座り、アイスティーを飲む。広い中にはテーブルが配置されているが、食事をしない人はバーコーナーに座るらしい。

折角なので少し早いがクラブサンドイッチを注文してみる。ここのマヨネーズ?の使い方が絶妙でパンも美味い。あるところにはあるんだな、美味い物が。2時間近く座ってまったりしていたが、お客は殆ど来なかった。まだヨーロッパ人のディナータイムにはかなり早い時間だったのだろうか。

それにしてもスリランカ滞在の前半はお坊さんとの修行の旅、最後のコロンボは少し贅沢な旅。うーん、もう少し修行を重ねる必要がありそうだ。

夜な夜なパーティーが

このホテル、WIFIはロビーでしか使えないため、毎日毎晩ロビーのソファーに座り、PCを眺めていた。すると初日、夜8時を過ぎるとソファーが満席になった。地元スリランカの人々がキチンと正装して、座っていたのだ。何だこれは?その日はどこかの会社のパーティーが開かれていた。

次の夜もまたタキシードを着た男性、ドレスの女性が集まって来た。お金持ちのパーティーがあるらしい。確かに1階の奥にはボールルームがあり、かなりの人が入れるようになっていた。それにしても現時点でそれ程豊かではないスリランカで2日も続けてタキシード姿を見るとは。子供達もおしゃれしているので驚く。

そして今日、紳士淑女がまたやって来た。今回は結婚披露宴。新郎新婦が入場していく横で、私はPCを眺めていた。違和感、ありあり。しかしこう言ってはなんだが、このホテルは外観もそれほど美しくなく、部屋がきれいなわけでもない。それでも紳士淑女が夜な夜な集まるということは、ロケーションが抜群なうえ、料金的にもそれほど高くない、穴場なのだろう。

常に突然始まるので写真を撮ることが出来ずに残念だったが、実に面白い物を見せてもらった。これからはどこのホテルでもロビーでWIFI使うのが良いかもしれない。

11月20日(火)   さらばスリランカ

とうとう2週間のスリランカ滞在期限がやって来た。うーん、長かったような短かったような。午前9時にスマが迎えに来てくれる予定であり、4泊したこのホテルをチェックアウトした。フロントのおばさんともすっかり仲良し、名残を惜しんだ。ところが9時になってもスマは来ない。まさか何か間違いがあったかと電話してみると渋滞に巻き込まれているらしい。車はようやく9時半に到着。コロンボも渋滞がどんどんひどくなっている。そしてここから空港まで24㎞、どのくらいの時間で到着できるか全く読めないという。

フライトは12時35分でだいぶ余裕を持っているが予断を許さない、と緊張する。ところが・・、何と渋滞は全くなくスムーズに進み、10時半には空港に着いてしまった。スマに最後の別れの言葉をと思っている内に着いてしまい、しかも車が長く駐車できないということで、何も言えないで、ただ握手を交わして別れてしまった。車が遠ざかるのを見て、後悔したが、後の祭り。

空港でのチェックインはスムーズだったが、何だか出発時間が違っていた。あれ、1時間ぐらいデレーしたらしい。周囲で戸惑っている人々がいた。中国労働者の人々だった。英語も現地語も分からない、訳が分からない彼らに「1時間遅れだよ」と中国語で言うと、安どした様子。それからネットが繋がるというカフェでパンケーキなど食べながら待つ。ネットのスピードは遅く、多くの人が使うと繋がらない。これが今のスリランカの現状だろう。

そしてフライトはそれ以上遅れることはなく、スリランカの大地を離れた。何とも不思議な2週間の旅だった。




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