熱暑の関西茶旅2018(2)岐阜の在来茶園と神戸の茶貿易

7月22日(日)
在来茶園

翌朝は部屋に差し込む朝日で目覚めた。Nさんが和の朝ご飯を用意してくれ、気分上々、美味しく頂く。こんな古民家で暮らせたらいいな、と思ったが、当然ながら雨漏りなど色々と不具合も多く、修理などなかなか大変らしい。このような家はこの集落には他にもあるようだが、借り手もなく、住む人もいないのが現状らしい。過疎化は深刻のようだ。その中で若者がNさんの手伝いをして、茶作りをしているのは頼もしい。

 

名残惜しいが午前8時には出発し、茶園見学に向かう。車で山を登っていくと、道の両側にきれいな茶畑が見えてきた。そこから下を見ると、実に見事な景色が広がっている。この景色が評判を呼び、週末は観光客が大量に車で訪れるようになったという。だがその結果、車の排気ガスやごみが排出され、畑仕事に影響が出るまでになる。中にはそんな状況に嫌気がさし、茶業を辞めてしまった人もいるらしい。ここの茶園の茶樹は6割以上が在来種だと言い、昔からある貴重な茶樹だと思うのだが、何とも仕方のない現実がそこにある。Nさん達の茶業、これからどうなっていくのだろうか。

 

それから岐阜駅まで送ってもらい、JRの在来線に乗る。岐阜の古民家滞在はあっという間に終了し、現実に引き戻される。今日はここから神戸三宮まで行くのだが、新幹線に乗るほど急ぐ旅でもないので、米原から新快速に乗って座っていく。日曜日の京都、大阪周辺はかなり混んでいたが、合計2時間半ほどで三宮に着く。

 

神戸へ
神戸には最近来た覚えがない。10年ぶりだろうか、実に久しぶりだ。岐阜と同じくらい暑いので、まずは予約しているホテルに行き、荷物を置かせてもらう。大阪はホテル代が高いと言われていたが、三宮のビジネスホテルはかなりリーズナブルな料金だ。これはどうも、神戸が外国人観光客のインバウンド地域から外れているということらしい。観光のイメージのある神戸、何となく不思議だ。

 

チェックインできる時間ではないので、駅前に戻り、ランチを食べる。神戸と言えば、何だろうか。結局南京町から駅前に出店している小さな店で、焼き餃子を食べていた。調理していたのは中国から来た人だろうか。それから図書館へ向かう。とにかく暑いので外を歩くのには限界があった。実は今回神戸に来たのは『南京町と茶』というテーマで何か調べられないか、と思ったからだった。そのために、地元在住のお知り合いIさんにK先生を紹介してもらっていた。

 

K先生は大学教授でもあり、南京町にある華僑博物館の館長も務めた方で、この話には打ってつけであったが、既に大学も博物館もリタイアしておられ、何と今は東京に住んでおられた。そこで事前に東京でお会いして、色々とお話しを聞き、資料も頂いたのだが、基本的に南京町の歴史などはよくわかったものの、お茶の歴史に関するヒントは殆ど得られなかった。既にこの時点で、今回の企画は破たんしていたともいえる。

 

K先生から何か資料があるかもしれないと言われたのは神戸市立中央図書館。三宮から地下鉄に乗り、大倉山という駅で降りる。大倉山公園があり、そこには孫文の碑や華僑関連の碑などがあるので、ちょっと驚く。ここは政商大倉喜八郎の別荘だったところだというから、中国とも何か関連があるのだろう。

 

図書館は外壁工事ですっぽり覆われていたが、通常通り開館されていた。真っすぐ2階に行き、神戸ふるさと文庫を見る。神戸居留地と華僑に関する資料などは見付かったが、茶の輸出などは、明治期に終わってしまったとあるだけだった。台湾と神戸についても、色々と資料はあり、バナナや帽子に台湾商人が絡んだ歴史は見てとれたが、茶貿易に関しては、ほぼない。神戸と言えば異人館などがあり、紅茶のイメージもあるが、こちらも一部しかなかった。収穫の殆どない事態となる。

 

今回の私の発想は、NHKのファミリーヒストリーという番組に女優の余貴美子さんの回があり、彼女の祖父が台湾から神戸に来て、茶を商った、というナレーションを聞いたことによる。商人の中には茶を扱った者はいたはずだが、それが歴史に残るほどの大きな商いではなかったということだろうか。これは横浜についても同じで、華人茶商については、調べるのが難しい。

 

暑いのでホテルに帰って休むことにした。ホテルの近くに生田神社があり、そこにお参りする。その先、異人館近くまで歩いて登ると、モスクが見えた。この付近、飲食店などを見ても、イスラム系、インド系、中華系、朝鮮系などが混在しており、多彩な神戸の一端が見られた。

 

 

夜まで休息し、暗くなってから外へ出た。今日は日曜日であり、街は人で溢れていた。神戸牛を売り物にする店がズラッと並んでいるが、そんなに牛はいるのだろうか。本物はどれだろうかと思いながら、牛はパスして、ラーメンを食べた。まあ、私の旅はグルメではなく、その日の気分で食べるものが決まるだけだ。

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