静岡、大阪、和歌山 茶旅話の旅2018(3)初めての和歌山市で

3. 和歌山
夜の和歌山駅はかなりひっそりしていた。電車から降りる乗客もまばらで、ホームで写真を撮っていると、あっという間に誰もいなくなってしまった。駅の改札付近にはコンビニがあるが、まだ電車はある時間だというのに、駅前全体もひっそりしていた。その駅のすぐ横のホテルを予約していたので、そそくさとチェックインする。

 

大阪に泊まろうかと考えた時、検索するとどこも相当に高かった。『どうせ和歌山へ行くなら、そちらに泊まる方がずっと安い』とアドバイスを受けたのだが、それはやはり正解だったようだ。部屋はそこそこ広く、ゆったりしており、静岡-大阪-和歌山と転戦してきた疲れが一気に噴き出し、寝入る!

 

3月14日(木)
初めての和歌山市

翌朝は駅の周りを散歩してみた。これまで和歌山県と言えば、高野山や竜神温泉には泊まったことがあるが、和歌山市に来るのは初めてだった。だがどこの都市も最近の傾向では、駅周辺にはあまり見るべきものはない。ちょっとコンビニによって朝飯を買っただけに終わる。

 

9時過ぎにMさんが迎えに来てくれた。Mさんは私の中国紅茶の連載を読んでいてくれて、友人を通じて連絡をしてくれていた。『和歌山に来ることがあれば寄って』と言われて2か月ぐらいで、もうやってきてしまったのだから、私も動きが軽い。いや、やはりこれもご縁のなせる業なのだ。

 

車で和歌山ビック愛、という建物に向かった。周囲には高い建物がなく、かなり目立つビルだ。そこの8階に和歌山県国際交流センターがある。今日はMさんの働き掛けがあり、こちらでお話しさせて頂くことになっていた。ここは和歌山に住む外国人との交流を進める目的で設立されており、担当のNさんは元中国人。ちょうど私が上海に行った頃、上海から日本に渡って来た人だった。こういう人々が、言葉だけではない、本当の交流に一役買っているのだろう。

 

『中国紅茶の歴史』なんて、ご興味ある人がいるのだろうか、と心配していたが、それも杞憂に終わる。Mさんの中国語教室の生徒さんなど、大勢が聞きに来てくれ、大変有意義にお話しすることができた。Mさんに黄茶を淹れて頂き、質問もいくつも出て、何とも有り難い。まあ、内容は少しマニアックすぎたかもしれないと反省。

 

会が終了すると、ランチに案内された。Mさんたちがいつも行くという中華料理屋だった。昼時はかなり混んでいる。何とも不思議に感じてしまうのは、昨晩も今日も中華を食べているということだ。今や日本の国民食は中華料理なのだろうか。私自身の感覚では、日本の中華料理は日本料理であり、それはそれで十分美味しいのだが、彼らが地元で支持される理由は何だろうか、とふと考えてしまう。

 

午後は国際交流センターに戻り、Mさんに紹介されたインド人に会う。何故インド人に会うことになったのか。それもインドにいる時、マハラシュトラ州と和歌山県が友好都市であり、和歌山にもインド人留学生がいるという話を聞いたので、どんな暮らしをしているのか、聞いて見たかったからだった。

 

ただ知り合いのラトールさんからの紹介はなく、代わりにMさんが紹介してくれたわけだ。ところがやって来た人は、デリーの出身で、ここでヨーガを教えてながら、インド文化・料理などを紹介している人だった。当初の目論見とは異なるが、これはこれで面白い話が聞けて良かった。インド人が日本で暮らす上での苦労話、1時間以上があっという間に過ぎてしまった。

 

その後はMさんにホテルに送ってもらい休息。そろそろ疲れが出てきており、十分に休む。夕方散歩方々、お城の方にゆっくりと歩いていく。駅から歩くと思ったより距離があり、お城に近づいたころには陽が落ちていた。ショッピングアーケードが見えたので、そちらを歩いてみるも、あまり人影はなく、ちょっと寂しい。

 

ちょうどラーメン屋が見えたので、入ってみる。和歌山ラーメンも有名だと聞いていた。中華そばと書かれているのがなんとなく懐かしい雰囲気だ。和歌山のラーメン、食べてみると、しょうゆ味なのに結構こってりしている。豚骨ベースの豚骨醤油味というらしい。独特だ。

 

更には店の隅では牛筋肉に味噌ダレを付けて焼いたどて焼き『すじどて』が作られており、お腹は一杯ながらこちらにも挑戦した。私はこういうB級食物が大好きだ。お酒を飲む人なら、まずはすじどてをあてに一杯飲み、その後中華そばを食べるのだろう。酒を飲めないと楽しみが少し薄れるが、すじどてが食べられたので満足して戻る。

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