静岡、大阪、和歌山 茶旅話の旅2018(4)和歌山大に行ってみる

3月16日(金)
和歌山大学で

翌朝は驚くほど涼しかった。小雨も降ってきている。当初は和歌山の街を散歩するつもりだったが、完全に取り止めて、ホテルの部屋に籠っていた。僅か2-3日でこんなに天気が急変するなんて、さすが日本だ、と感心している場合でもない。外に出れば風邪を引きそうだが、もう出掛けなければならない時間だった。

 

まずはMさんが車で来てくれた。荷物を彼女の車に乗せると、走り去っていく。これから外せない用事があるというので、私はバスに乗って和歌山大学へ向かうことになっていた。ホテルをチェックアウトして、すぐ目の前のバス停からバスに乗るだけだったが、何となく間違いそうで、怖かった。1台逃すと30分は来ないので約束に遅れてしまうだろ。それにしても寒いのになぜかコートをMさんに預けてしまい後悔する。

 

JR和歌山駅前から30分程行くと、バスは上り坂を走り、そして丘の上で停まった。今日は大学が休みかと思うほど、乗客はいない。雨が激しく降っている。丘の上で風も非常に強い。さて、どこへ行けばよいのだろうか。訪ねる相手、タイ人のAさんに連絡してみたが、繋がらない。ちょっと不安だ。

 

仕方ないので強風の中、傘をさして飛び出す。構内案内図を見てもよく分からない。何しろもらった所在地のメールは英語で書かれているので、その日本語が分からないのだ。困っていると後ろから声が聞こえた。Aさんがやって来たのだ。よかった。結構長い階段を上り、彼のオフィスに行く。

 

和歌山大には珍しく観光学部があり、そこには外国人の先生もいる。タイ人のAさんの他、インド人とカナダ人がいるというから国際的だ。カナダ人とは会うことができたが、すぐにお客さんが来て英語で話し始めたので、あまり話は聞けなかった。Aさんは学生をタイの山の中に連れて行って、そこの少数民族との交流を図るなど、面白い取り組みをしている。その村ではミエンという食べるお茶が作られており、私にとっては興味津々の場所だった。

 

Aさんとは昨年7月タイで出会い、その後10月にも静岡で会っていた。タイから持ち帰ったというお茶を飲みながら雑談した。日本では最近急速にインバウンドという言葉が使われ始めたが、持続的な観光業とは何か、何が観光客にとって本当に魅力的なのか、など、観光学部の研究は益々重要になっていると思う。

 

そこへMさんから大学に着いたと連絡が入る。彼女も実はこの大学で中国語を教えており、よく知った場所だという。中国語は中国語系だけで固まっており、他の言語、他の学部との交流は限られているようなので、Aさんを紹介した。ちょうど私のベクトルが和歌山の方を指していたようだ。

 

お昼ご飯を食べようということで、Mさんの車に乗り、近くのイオンで行く。ここは市街地から離れているが、大きなイオンがあり、生活には困らなそうだ。しかもそこは駅と直結しており、極めて便利な環境となっている。私も食事の後はここから電車で関空へ行けばよいと言われ、安心してご飯が食べられる。

 

イオンの中にはレストランが沢山あるが、どれもチェーン店だ。Aさんは何を選ぶのかと思っていると、何と中華に挑戦するという。私も入ったことがないチェーン店だったので、それに続く。今回の旅はほぼほぼ中華系で占められたな。油淋鶏定食に棒餃子が付く。棒餃子が日本で認知されているとは面白いし、味も悪くない。食後はドリンクバーで飲み物を取り、3人で話す。何だかファミレス感覚だ。

 

時間になると和歌山大学前駅まで歩き、電車に乗る。するとすぐに大阪府になる。この地は和歌山と大阪の境にあったのだ。ある意味で大阪への通勤圏でさえあるが、雨の日の午後に乗客はほぼいない。途中泉佐野で乗り換え、関空へ向かう。和歌山大から1時間もかからず到着する。やはり近い。

 

関空から飛び立つのは何年ぶりだろうか。しかも国内線となると10年以上前かな。当然ターミナルはきれいになっており、ちょっと見違えた。今日の便はバニラだが、まだチェックイン開始までも時間があった。フラフラしていると、肉まん屋に行列が出来ており、私も並んで買ってみた。お土産に持って帰る人も多いようだ。中国人や韓国人が母国まで運ぶらしい。私は軽食のつもりで2つ食べてみたが、食べ甲斐があり、腹が相当に膨れた。

 

ちょうどこの肉まんを新幹線の車内で食べてよいかどうかで議論になっていた。私にはそこまで強烈には思えないが、気になる人には何でも気になるのだろう。まあたばこの煙がダメという段階で、ある程度のにおいは禁止されるべきかもしれない。それなら禁煙や禁肉まんだけでなく、禁酒もお願いしたいのが、酒を飲まない人間の考え方だがどうだろう。

 

フライトはちょっとスタートが遅れたが、アッと思っている間に成田空港に着いた。国内線だと機内で酒を飲む人もいないのでよい。国際線もそうならないだろうか。第3ターミナルから1000円バスで東京駅へ。このバスは非常に混んでいる。もっと本数を増やしてほしいがこちらにも既存の壁が立ちはだかるのだろう。

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