ベトナム縦断茶旅2017(3)宿替えと国家図書館

帰りは方向が違う蔡君と別れ、一人でタクシーに乗り宿に戻った。特にアプリなどなくても支障はない。夜は大学同窓のNさんが来てくれ、近所の懐かしいベトナムレストランで美味しく食事をした。話を聞くとベトナムも色々と変化があるなと感じる。その中で日本の立ち位置はちょっと微妙だ。

 

11月10日(金)
宿替え

実は今の宿はとても気に入っていたのだが、ネット予約を2日しかしていなかった。一応泊まってみてから延泊を決める作戦だ。だが今回はそれが裏目に出た。いい宿は人気があり、埋まってしまう。この宿もそうだった。何度か聞いてみたが、どうしても満員で延泊は不可だという。

 

理由はハイシーズンだから。確かにハノイはそれほど暑くない、良い季節を迎えてはいた。因みにちょうど時を同じくして、トランプ大統領、習近平主席、安倍首相がAPECの会議でベトナムを訪れていた。その影響でもあるのかと思ったが、会議の場所はダナンだった。ただその後トランプはハノイ来るのだがやはり関係ないだろう。因みに私が先日成田に降りた時、トランプの娘が同時刻に到着した。その後私はソウルを経由したがちょうどその日にトランプはソウルから北京へ行った。何だか追いかけっこのようだ。

 

今日宿をうつらなければならいので、探しに出掛ける。この狭い路地にも数軒の宿があるので聞いてみたが、何と全て満室だという。驚くべきことだが週末が掛かっているからだろうか。ちょっと広い道へ出て最初に目に付いた宿に入ると、愛想のいいおじさんが英語で話してくれた。

 

『今日は空いてないが、明日から2泊は大丈夫だ!よければ今日だけ別の宿を紹介するから、合計3泊でどうだ』というオファーだった。ちょうど後3泊ハノイにいる。宿を探すのも面倒なのでその話に乗っかってみる。今日の宿は少し離れていると言い、おじさんがバイクで運んでくれた。その場所は昔も恐らく来たことがあるバックパッカーが一番多い通りだった。

 

宿のおばさんが『あと1時間したら部屋が使える』というので、まずは両替しようと銀行の場所を聞くと『ここで両替できる』と言っておしえてくれない。仕方なく自分で探しに行き、両替する。何とも不親切な宿だ。銀行も両替に慣れておらず、凄く時間が掛かる。レートもよいのかどうかは分からない。

 

それから周囲を散策した。道端では相変わらず低い椅子で茶を飲んでいる。ハノイの茶文化だ。この風景も段々少なくなってきている。若者は台湾系の貢茶などのチェーン店に行くらしい。暑いのにクーラーがないのはだめだというのだ。立派な教会もあった。結婚写真を撮るカップル、ベトナムで大流行りだ。

 

1時間後に宿にもどってみると『掃除が済んでいないからあと1時間後に来て』と言われる。さすがにそれはないだろう、というと、しぶしぶカギをくれる。4階まで上がるのにエレベーターはない。こちらは1泊25ドルもするので、前の宿の良さが分かる。まあ今日部屋が空いているということがこの宿の評価なのだ。掃除している部屋を確認して、すぐ下におり、元の宿へ帰った。

 

荷物を持って新しい宿に転居した。そこへ蔡君がやって来た。ランチを食べようと外へ出る。途中の店を覗くと、ブンチャーの文字が見えたので入ってみる。私の一番の好物だ。後で気付いたのだが、ハノイの街にはブンチャーの表示が格段に増えていた。何故かと思ったら、昨年オバマ前大統領がハノイを訪問した際、庶民的な店でブンチャーを食べたのが評判となり、店が急増したらしい。

 

飯を食って歩き出す。目指すのは国家図書館。ここからは遠くなので歩いて行く。だが蔡君は『食後の珈琲を飲むのがベトナムの習慣だ』と言い、カフェを探して入る。確かにどこにでもカフェがあり、多くの人が珈琲やお茶を飲んでいる。ちょっときれいな店に入ると、何とタイ式茶まで用意されていて驚く。ある意味、ベトナムはアセアンの急成長株、消費拡大を狙って各国企業がやってきている。

 

図書館は非常に環境の良い、フランス時代の建物であった。しかも今年がちょうど100周年の記念の年。フランス植民地時代のベトナムに関する知識は少ないので、この辺の設立経緯は分からないが、こういうところに歴史的な資料が沢山保管されていて欲しいものである。

 

蔡君もハノイに来て1週間、初めてここに来た。我々はよく分からずに、建物に入っていき、本のある場所を探した。4階まで上がると、閲覧室があり、本も置かれていたが、そこで閲覧している人の数が少ないのに驚いた。東京でも台北でも、週末の図書館と言えば、相当混んでおり、座る席など見つけにくいのが普通であるが、一般のベトナム人は本など見ないのだろうか。

 

本を閲覧しようとすると係に止められた。入口のところで登録した人のみ、閲覧が許されるというので、振出しに戻る。蔡君が登録しようとすると、登録料12万ドンを要求される。なるほど、だから人が少ないのだ。もし無料なら大勢の人が来てしまうのを防いでいる。蔡君は登録したが、一介の旅行者である私は遠慮して図書館を後にした。

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