極寒の湖南湖北茶旅2016(4)何とも速い長沙から武漢

4. 長沙2
夜は茶会

 

雨上がりの長沙の夜はきれいだった。やはり安化のライトアップが凄いとは言っても、都会の明るさは全く違う。夢の世界に戻ってきたようだ。今晩は一人でゆっくりするつもりが、また集団行動になった。まあそれも中国人の集団における行為を観察するにはとても良い機会なので、黙ってついていく。自分が流れに身を任せる心を持っていれば、何とも面白い世界だ。

 

まずは夕飯。先方が招待してくれる食事はいつも豪華すぎるので、自分たちだけの時は麺などの軽い物を食べるように魏さんはしている。それは実に良いことだ。食べ過ぎはどうみても良くない。また日本のおじさんのようにビールを探すこともない。今晩は近所の麺屋に飛び込む。腹ごしらえが済むと、昨晩と同じ立派な茶芸館に歩いて行く。急な予定変更にも拘らず、昨日来られなかった長沙の茶関係者が来ており、懇談が始まる。

 

正直今日は眠かった。前向きな話というよりは、一方的な押し付けのような議論が多く、そして何より『茶業界も金が全て』のような話に終始したからだ。勿論文化を支えるのは金であり、茶業を伸ばすのも経済の力なのだが、文化を謳う割には、話があけすけ過ぎて、また声の大きな者が勝つ、という時代錯誤的な雰囲気がみなぎり、出来れば早々に退散したかった。

 

12月20日(火)
武漢へ

 

翌朝、魏さんたちが先にホテルを出て行った。急いでいるなら、一緒に行ったのだが、香港から来ていた林さん夫妻の時間に合わせて、10時前にチェックアウトした。林さんはタクシーを拾おうとしたが、雨で空車がなかったので、奥さんが微信でタクシーを呼んでくれた。すぐにタクシーがやってきたので、乗り込んだのだが、発車後運転手に電話があり、我々は違う車両に乗ったことが分かった。

 

でも運転手は『もう客が乗ったから別のを呼んでくれ』と電話を一方的に切る。こういうのはどうなんだろうか、我々は早く進めて助かるのだが。それにやってきたタクシーは、いわゆるタクシーの車体だったから、間違ってしまったのだ。今やタクシーが滴滴タクシーを兼務しているからややこしい。中国はタクシーが簡単に呼べるからすごい、とばかりは言っていられない。乱立はサービス低下を招いている。

 

確か4年前にここに来た時は、タクシーが居なくて困った。困っていると白タクが声を掛けてきて、最終的に仕方なく乗車したことがある。その時運転手の話では、政府はわざとライセンスを出さず、タクシーは利権になっている、そして白タクは失業対策で黙認されている、と言っていたのを思い出す。あれから大量にライセンスが出たのだろうか。白タクと滴滴タクシー、そしてライセンスタクシー、そういう関係になっているのだろう。

 

タクシーで30元、長沙南駅に到着した。既に切符を持っていた林さんたちは深圳に向かった。私はここで切符売り場に並び、何とか席を確保したのは30分後。いつものことながら、パスポートを持つ身は辛い。それから荷物検査を潜り、すぐに乗車となった。何と1時間後には武漢駅に到着した。途中停まる駅はなかった。1年前の普通電車、合計5時間は何だったのだろうか。それにしても早過ぎる。

 

5. 武漢
何も予定のない日

 

武漢駅に到着した。駅を降りると、何と丸亀製麺が店を出していた。ついにここまで進出してきたか。余程食べてみようかとも思ったが、取り敢えず定宿へ向かう。この駅からは50分ぐらいかかるので、結構大変だ。いつもの駅で降りると、かなり雨が降っていた。出口からホテルまではすぐなので、それほど濡れずに着いた。

 

ここでは後輩のKさんが日本料理屋をやっているのだが、なぜかランチはやっていない。儲からないらしい。確かにビジネス街でもないので、お客はこのホテルの客と常連さんだから、朝と夜開いていれば採算は取れるらしい。前回泊まった時よりもさらに安くしてくれた。冬だからだろうか。長沙のホテルより安くて立派な朝食付きだから、有り難い。

 

昼ご飯の時間を過ぎたが、まずは腰花麺を食べる。もうこれも定番になっている。そして周囲を少し散歩する。この付近はなぜか花屋が多い。それからゆっくり部屋で休む。このホテルはNHKも映るので、テレビを見ながらボーっとしている。そんな時間も旅の中では必要なのだ。

 

夜、Kさんのところへ行く。『これがうまいんですよ』と言って、串焼きが出てきた。本格的な日本の味で驚いた。彼とは色々な話をした。やはり中国にいる日本人、日本企業の話になる。ずっと中国内にいる彼には、今の日本の判断の遅さ、駆け引きの下手さなど、信じられないことが多過ぎるらしい。中国で中国人と本気で戦って商売している人から見れば、何とも不思議に見えることだろう。

 

1221日(水)
武漢の茶荘巡り

 

朝はゆっくりと目覚め、最上階のビュッフェへ向かう。食べ物が凄く良い訳ではないが、80年代の香りが残る、その回転レストランにいるだけで、郷愁に浸れる。私はパンとお粥を中心に食べるので、こんな場所があると有り難い。何しろ街中では粥が姿を消しており、美味いパンにあり付くのも難しい。

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