台湾一周茶旅2016(3)プユマ号で蜜香紅茶の世界へ

1800元で狭いが個室。最上階に広い浴場があるのは、ドーミインなど日本のビジネスホテルを真似たのだろうか。エレベーターに乗る段階で男女が分かれており、フロアーも別。若い女性に配慮した作りのようで、基本的に若者が泊まっていた。ということで部屋は冷房で寒いが調節できない!部屋にはベッドしかなく、PCを使うなら共有スペースで、トイレバスも共有ということだ。まあこの値段だから良しとしよう。1階にも広いスペースがあり、自販機が置かれ、飲み物やアイスも買えるようになっている。コンビニにすら行かなくてもよい体制だ。

 

明日は朝早く駅に行く必要があるので、取り敢えず予行演習で夜道を歩いて見た。大きな道をまっすぐ10分ぐらい歩くと着いた。取り敢えずこれで憂いは無くなる。板橋もそこそこに発展した街で、ショッピングモールもあり、台北までも遠くないので、ここに住むのもありかなと思う。駅は地下鉄駅から入り、台鐵の駅を探す。かなり広い。待ち合わせ場所を確認して戻る。

 

戻ってから上の階の浴場で風呂に浸かる。さすがに入っている者はいない。コインロッカーも完備され、完全に日本仕様だ。明日は早いので早々に寝ようとしたが、電気は完全に暗くならず、隣の部屋との仕切りも完全ではないので落ち着かない。明日起きられるかも心配になり、更に眠りは浅くなる。

 

1113日(日)
瑞穂へ

 

5時前に起きた。頭が朦朧としている。それでも荷物を整えて、部屋を出た。フロントに鍵を返して、荷物を引っ張って夜明け前の道を歩き出す。さすがに車は走っていない。思ったより早く駅に着く。今日はUさん夫妻と一緒に出掛けることになっていた。待ち合わせ場所のモスバーガーには既に2人に姿があった。早い!

 

6:49板橋発のプユマ号は定刻に出発した。台鉄で自強号の上を行く、最も速い列車と聞いた。車内も若干よいのだろうか。さすがに板橋では満員にはなっていないが、台北駅でどっと乗り込み、満員になる。この列車の切符、特に週末を取るのは難しいとのことで、今回はUさんにお願いして全てやってもらっていた。それから3時間、うとうとしている間に東海岸へ出て、いつの間にか花蓮を通り過ぎて、瑞穂に着いたのは10時前だった。

 

 

 

2. 瑞穂
蜜香紅茶へ

 

駅に着いたが、連絡していた迎えは来ていなかった。今回はUさんのお知り合いに紹介してもらい、蜜香紅茶の高さんのもとを訪ねることになっていた。連絡してみると、もう着いたのか、と言って慌てて奥さんが来てくれた。この奥さん、ただの奥さんではない。有名な評茶師の粘さんだ。

 

駅前には少しの建物があるばかりで、車はゆっくりと坂を上っていく。途中に急須のモニュメントが見えたので停まってもらった。ここが北回帰線の場所だという。急須には瑞穂蜜香紅茶と書かれていた。実は瑞穂に来たのは初めてではない。14年前、台湾一周温泉旅行をした際、紅葉温泉というところへ行くため、ここで降りて1泊したのだ。その時の様子はあまり覚えていないが、蜜香紅茶の名前を聞いた記憶がない。あの時は四季春の烏龍茶だったような気がする。そして茶業はもう難しい、儲からないから大陸へ出稼ぎに行くと言っていたようだったが、如何にして持ち直したのか。

 

粘さんの店に着く。きれいなお店だ。粘さんの一家は1960年代に彰化の方から移住してきたらしい。粘という姓は極めて珍しいが、聞けば満州族の末裔だとか。蒋介石と一緒に大陸から渡って来た外省人なのだ。彰化ではパイナップルを作っていたとか。1970年代に茶樹を植えはじめ、今では彼女の一族が、この地で茶業の先頭に立っている。興味深い。

 

話していると、日本人も時々来るという。MさんやKさんの名前が出てくる。昔からここの紅茶に注目していたようだ。蜜香紅茶は1998年に彼らによって開発されたという。ただこの名前は普遍性があり、商標登録はできなかったため、その後多くのところで使われているが、それを阻止することはできないのだともいう。だから品質を高め、他に負けないように努力するしかないと。最近日本でも東方美人と並んでよく聞く名前になっている。

 

ご主人の高さんも戻って来た。製茶などの技術的な話が始まる。店の隣に展示館があり、そこに茶業の歴史や茶の種類の展示が行われている。その向こうに製茶室がある。高さんは1980年代に茶業をスタートさせたという。この地区は勿論、全台湾でこの夫婦は既に有名人である。店の向かいを見ると、実に古びた舞鶴国民小学校があった。そう、ここは昔から舞鶴と呼ばれていた地域であった。因みに鶴岡村もあり、瑞穂も含めて日本の地名だな。

 

高さんにお昼に行こうと誘われる。天気の良い日は気持ちがよい。牧場と書かれた広い敷地へ着く。フレッシュミルクの火鍋、珍しい。店内は日曜日ということもあり家族連れで超満員、何とか席を確保する。牛乳と汁が鍋に入っており、そこに牛肉やキノコ、野菜などを入れて食べる。何となく楽しい。

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