台湾一周茶旅2016(4)環境抜群の舞鶴

店に戻って、また沢山の茶が杯に入れられ、飲ませてもらう。紅茶だけでもなんでこんな種類があるのだろうかと思っていると、それは品種をブレンドしているものもあるからだった。原料の茶がよいのは勿論だが、それを如何に組み合わせるかで、更に美味しい物が出来るなら、それもありだな、と思えるようなお茶だった。

 

蜜香は紅茶だけでなく、緑茶や烏龍茶も作れるという。今一番値段が高いのが紅茶だから、いいお茶は紅茶で作るのだろうが、顧客のニーズに合わせて作るともいう。持ち込まれた生葉を見ると、ウンカが葉を少し噛んでいた。蜜香烏龍茶の味、ちょっと気にいったので購入してみる。

 

U夫妻はこれから花蓮へ行くというので、駅まで高さんの車で一緒に送って行く。その帰りに夕暮れ迫る茶畑を見に行った。高さんの茶畑はもっと高いところにあるそうなので、他者の畑だったが、もう暗くなろうとしているのに、茶摘みをしている人々が見える。明日は雨なのだろうか。それにしても、向こうに山が見え、いい景色の茶畑だった。

 

私はここに1泊することにした。夕飯はこの辺にはないと言われ、粘さんに連れられて、駅前にもう一度行った。何とここには日本飯屋があったのだ。興味本位で食べてみることになる。地元の人で店内は満員の盛況、ちょっと驚き。刺身や寿司、うどんなどかなりの種類のメニューが並んでいる。味はいわゆる日式ではあるが、それなりだ。車がないと移動できないので、粘さんには手数をかけてしまい申し訳ないが、いい経験となる。

 

夜は粘さんの妹が開いている民宿に泊まった。ここも表はお茶屋さんで、裏に宿泊施設があった。広い部屋だった。今朝は朝5時前に起きて疲れていたので、シャワーを浴びてすぐに寝入る。それにしても当たり前だが、静かなところだ。遠くで虫が鳴いている音しか聞こえない。

 

1114日(月)

 

翌朝は7時台に起きるとすでに日が出ていたので、散歩に行く。爽やかな朝だった。適当に歩いて行くと檳榔の木の間に茶畑が見えてきた。そしてすでに茶摘みをする人々の姿がそこにあった。この時期に、そんなに茶摘みをして茶を作るのだろうか。ここの茶はそんなに売れているのだろうか。

 

更に歩いて行くと道路脇にお茶屋さんが見えた。ちょっと洋風な作りが目を惹く。何となくその名前に見覚えがあった。そこは台北で陳先生が言っていた店だったので、朝早くにもかかわらず、入ってみた。掃除していた女性が『こんな早くにどうしたの』という感じで応対する。オーナーも出てきてちょっと挨拶をして、お茶を一杯頂き、去る。今回は時間切れだ。まあ、来られただけでもよかったか。

 

9時に高さんが迎えに来てくれ、店へ移動。後で気が付くと、宿にTシャツを1枚忘れてしまった。部屋が広すぎて窓際に干したのをすっかり忘れる。このTシャツ、スヌーピーなんだよな、ちょっと恥ずかしい。これは珍しく家族でユニクロに行った時に息子に合わせて買った物だった。

 

店では自家製のヨーグルトなどを振る舞ってくれ、美味しく頂いた。ただ今日は茶畑が見られるかと期待していたが、黄さんたちの茶畑は遠く、もし誰かの車で行ったとしても夕方までは戻らないと聞き、今回は残念ながら断念した。まあこちらが突然お願いしているので、都合が悪ければ仕方がない。これも茶旅。

 

店の隅の方になぜかコーヒーが置いてある。ここ瑞穂ではコーヒーも作られているようだ。説明書きには何と1930年に日本人、園田さんがこの地を開拓してコーヒーを植え、住田珈琲という会社を作ったとある。舞鶴コーヒーの由来だ。その後、粘さんのお姉さん(どうも双子らしい)が、残された珈琲の木からコーヒー生産を復活させたらしい。だからお茶屋さんにコーヒーが置かれている訳だ。このお姉さんも茶業の世界では有名な方だという。しかも9人姉妹の長女とか。粘家、面白そうだ。

 

ダラダラお茶を飲んでいると、近所の人が買いにきたり、少し離れたところから車でやってくる人などがあり、静かなこの界隈からするとちょっと意外な賑わいがある。電話で注文してくる人もいる。舞鶴の蜜香紅茶は今や有名ブランドなのだ、とはっきり認識した。今日の紅茶も昨日の物とは味が違う。粘さんは常に試飲を重ねている。

 

今日は南部へ移動する。時刻表を調べてもらうと本数がないので、午後一番で出なければならない。高さんが駅まで送りながら、昼ご飯に案内してくれた。忙しいのに何とも申し訳ない。その店も、ちょっと変わっており、この付近にはない、洋風な内装の素敵なところだった。名物だというステーキを頼むと量が凄い。スープとサラダも付いており、食べ切れないほどだった。

 

恒春へ

駅で切符を買う。13:20発の自強号、切符は買えたのだが、台東以降は席がないという。こんな切符もあるのか。大変お世話になった高さんとお別れして、ホームへ行く。すると、さっき店に来ていた女性たちがいるではないか。一人は地元の人で、何と私が14年前に泊まった紅葉温泉の人だった。もう一人は嘉義から遊びに来たという。席も近かったので、話をする。彼女は嘉義のオーガニック系レストランで働いているらしい。瑞穂から嘉義まで、ぐるっと台湾を半周して帰る。

1 thought on “台湾一周茶旅2016(4)環境抜群の舞鶴

  1. 1970年初め頃仕事場の沖縄那覇飛行場から自社機に便乗すれば台北へ正味50分でしたから、月一以上台湾へ遊びに行っていました。当時桃園空港は未だ無く台北市内の松山飛行場でした。西海岸の南北縦断は専ら鉄道を利用、「観光号」と言う特急が一日2本くらいありました。その頃の台湾の鉄道は施設や運営は全て日本の旧国鉄その物で懐かしく利用し易かったし、注文を取って途中の駅から積み込む温かい駅弁?が美味しかったのを覚えています。今は台湾独自に近代化しているでしょうね。

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