苦難の台北散歩2016(5)大渓の老茶廠

5. 大渓

鶯歌から一駅乗って、桃園に着く。ここは桃園空港からはかなり離れている。初めて降りた。ここから台湾好行バスに乗り、大渓の老茶廠へ行ってみることにした。先日は三峡の老茶廠行きを失敗したので、こちらでリベンジを。桃園駅前からバスターミナルまで2-3分歩く。駅前にあるレストランが、ベトナム語、インドネシア語、タイ語などで溢れている。そんなに出稼ぎできている人が多いのだろうか。興味深い。バスは午後1時半発が最終だった。それに乗り遅れれば茶廠へ行くことはできないらしい。

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台湾好行には一日150元乗り放題というチケットがある。私が係員に老茶廠往復というと彼は無言でこのチケットを切った。ということは片道75元以上するのだろう。1時間以上はかかるらしい。バスは少し遅れてやってきた。乗り込む人は多くはない。観光客なら午前中から来るだろう。何しろいい天気なのだ。

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バスは川を渡り大渓の街を通り過ぎ、更に進む。ちょうど1時間でバスを降りた。だが、ここに茶廠があるのだろうか。数人が降りたので、その人々についていくと、バス停からすぐだった。かなり大きな茶工場だが、何ともきれい。如何にも改修して観光用にしましたという作りには、ちょっとがっかりする。前庭では小さな子供がはしゃいでいる。

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とにかくのどが渇いた。中に入るとそこはショップ。紅茶などの茶葉が売られている。一番端に冷蔵庫があり、お客さんがボトルを取り出して買っている。緑茶100元、決して安くはないが、飲んでみる。とにかくのどが渇いている時は有り難い。冷たいお茶をごくごく飲み干す。

 

更に進んでいくと、製茶体験などができる場所があり、喫茶スペースもあった。反対側へ行くと、製茶場があり、機械なども置かれている。そこの前にこの茶廠の歴史が展示されていた。1899年に三井合名がこの地に茶園を開拓。1926年に角板山茶廠を開設した。戦後改名されたが、1955年に大火災があり、茶産業も衰退。つい最近台湾農林が改修して観光地化したらしい。

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ちょうど見学ツアーが出発しており、そこに重なる。台湾人はこの茶廠を見て、何を思うのだろうか。台湾茶の歴史は輸出の歴史であり、輸出はイコール、日本の外貨獲得政策の一環。大企業である三井が乗り出し、日東紅茶を作り出した。この工場はその主力の1つ。2階は天井が高い。インドやスリランカに見られる大規模紅茶工場だが、1960年代にはすでに国際競争力を失い、衰退している。

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1時間もいれば、もう十分。既に帰りのバスが気になり始める。4時前にバスが来るので、早々に茶廠を離れる。バス停は見付かったが、台湾好行の表示は見えない。周囲を散策するが、他にバス停はなかった。この付近、意外と民家があり、廟があり、ちょっとした店もある。最近できたとも思えないので、昔からこの茶廠と共にあったのかもしれない。

 

バス停には台湾人の若い子たちが待っていたので、その横で待つ。バスはなかなか来なかった。そして乗客も少ない。ところがいざバスが来ると、何と我々の前を通り過ぎてしまった。運転手が何か手で合図していた。これには慌てた。もしこのバスを逃すとどうなるのだろうか。皆で走っていくとだいぶ先にバスが停まり、そこには十人以上の乗客が待っていた。

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何だ、こんなところにバス停があったのか。2つに分ける理由がわからないが、今はとにかくバスを捕まえることだ。幸い乗客が多く、乗り込むことができた。席もあったので落ち着く。大渓の街で降りる人もいたが、私は疲れたので、そのまま桃園駅まで戻る。夕日が川に落ちていく。

 

6. 台北3

台北に戻る。宿まで歩いて行くと、何と顔馴染みの茶荘の夫婦と出くわす。これには驚いた。今回は寄らないつもりだった茶荘だが、後で行くよ、ということになる。腹が減ったので、ワンタンメンを食べる。これから中国へ行くので、ここで洗濯しようと思い、コインランドリーへ向かい、洗濯する。乾燥機までかければ、すぐに完了するのが嬉しい。ついでに昔使っていた携帯電話の故障について、その辺の店で見てもらう。電池が古過ぎるということだが、既に生産は停止しており、台湾では買えないようだ。

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それから新純香を再訪して、私も寄稿している雑誌、月刊茶を寄贈する。台湾や中国なら何とか漢字を頼りに読むこともできるだろう。ましてやこの夫婦は日本語堪能なのでちょうどよい。そして先ほど出会った茶荘、広方圓に歩いて向かう。だがオーナーは急ぎの用事で出かけていた。パイナップルケーキを買い、退散。

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102日(日)
福州へ

翌朝は台湾を離れて、福州へ向かう。桃園空港までバスで行き、厦門航空に乗る。今や台湾から中国へ行くのは簡単だ。ボードを見ると私が乗るフライトの上の便は厦門航空と華信航空のコードシェア便だった。華信航空はその設立時に、少し関わった会社だから、何とも懐かしい。今は中華航空の傘下と聞いている。中台のコードシェア便、昔では考えられない。

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空港のモスバーガーで食事をして、飛行機に乗り込む。CAもきびきびしており、サービスも悪くはない。何より、1時間ちょっとで福州空港に着いてしまった。この距離感、いい感じだ。

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