京都・名古屋茶旅2016(4)建仁寺から散策して

827日(土)
今日こそ建仁寺へ

昨日の反省を踏まえ、今日はちゃんとバスに乗って建仁寺を目指した。鴨川沿い、出雲阿国の像の前でバスを降り、南座の前を通り、わき道に入ると建仁寺が見えてくる。私はこの寺に来た覚えがないが、何となくスーッと入れるお寺である。建仁寺とは鎌倉初期、栄西禅師が開いたお寺。建仁とは年号が朝廷から与えられたからだという。由緒正しい。

img_4609m

img_4614m

 

私がここに来た理由は1つだけ。ここに栄西禅師に関する茶碑があると聞いたからだ。本堂から少し南へ行くと、その茶碑があった。かなり立派で驚いた。栄西が中国から茶の種を持ち帰ったことを記念して平成になってから作られていた。そしてその裏には、何とその800年を記念して、平成の覆い下茶園が作られている。2度中国、宋に渡った栄西は、お茶の種を持ち帰り、自分で種を蒔いたのだろうか。一説に高山寺の明恵上人に渡したとの話もあるが、いずれにしても製茶技術を習得していたのだろうか。この記念碑はそのようなことには答えてはくれない。

img_4619m

img_4624m

 

本堂などもちゃんと見学すればよかったのだが、南へ行き門から外へ出てしまった。適当に帰ろうと思ったが、そこで六波羅蜜寺という文字が目に入る。六波羅蜜寺といえば、平家の屋敷があった場所、六波羅といえば鎌倉方の六波羅探題があった場所として、歴史に名を刻んでいる。ちょっと寄ってみようと歩いていく。入口から見ると若い女性が沢山いた。なぜだろうか。観音像と共に記念写真を撮っている。奥には銭洗い弁天などもある。往時は相当の広さがあったのだろうが、今は狭い敷地である。

img_4636m

 

更にふらふら歩いていくと、六道珍皇寺に出た。その名前だけでもワクワクする。六道とは仏教の輪廻の考えから出てくるもの。小野篁という文字も見えた。篁といえば百人一首の『わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣舟』で有名であるが、変わった人でもあったらしい。篁は夜ごと井戸を通って地獄に降り、閻魔大王のもとで裁判の補佐をしていたという逸話があり、その井戸があったのが、この寺であったらしい。この寺には篁作と言われる閻魔大王と篁の木像が並んで安置されているが、我々は隙間から垣間見るだけだった。

img_4638m

 

その向こうの通りには、何人もの外国人が見えた。何だろうかと行ってみると、そこは浴衣などの和服レンタルの店。それも1店ではなく、複数の店が出ていた。これが話によく聞く外国人に人気の和服レンタルだったのか。1日、3000円で、簡単なヘアメイクもしてくれるとか。ちょうどタイ人の男女が浴衣で出てきた。その後ろには中国人。女子だけではなく、男子も和装して出てくる。確かに大賑わいだ。

img_4643m

 

彼らの後を歩いていくと、高台寺に出た。高台寺と言えば、北政所おねの寺。更にその横を登っていくと、護国神社があった。ここには幕末の志士などが眠っているとあるが、坂本龍馬、中岡慎太郎、木戸孝允などという名前が出てくると、歴史好き向けテーマパークのように見える。さすがにその墓所まで行く気にはなれず、高台寺に入る。

 

きれいな庭があった。政所茶会とか、観月茶会など、多くの茶会が開かれているらしい。一体どんな意味があるのだろうか。どうもこのような堅苦しそうな会にはご縁がない。もうこの辺まで歩いてくると、京都が如何に歴史の宝庫であるか、がよくわかる。どこを歩いていても、必ず何かの歴史にぶつかり、興味をそそられてしまうのだ。次回はゆっくり歴史散歩をしてみたいと思う。

img_4664m

 

最後に八坂神社を通った。ちょうどそこでは結婚式が執り行われており、大勢に見物客の目の前で、踊りが行われ、神官が儀式を進めていた。これには特に外国人観光客が大興奮、全員がスマホで写真を撮りまくり、その人だかりはかなりのものだった。外国人が求めているものの一つが、日本にしかない伝統的な儀式であるとは伊勢神宮でも聞いた話だが、それはその通りだろう。

img_4667m

 

八坂神社を出て、先ほどの鴨川沿いのバス停まで戻り、バスに乗って金閣寺へ帰った。バスにはタイ人の男性が数人乗っており、何とか金閣寺へ行こうと頑張っていたが、やはり分り難いようだ。でも運転手もそれが分っていながら、手を差し伸べようとはしない。このような観光客が一日中いるのだから、一々相手もしていられないのだろうか。一応金閣寺への行き方は教えたが、日本語ができず、漢字も読めない人にとって、観光は大変かもしれない。

 

今日も午後報告会を開いてもらった。土曜日の午後の早い時間は正直人が集まり難いと言われていたが、私の北京時代の知り合いも集まってくれ、ちょうどいい感じで会ができた。特に湖南・湖北の旅の話だったので、中国に詳しくないと難しかったかもしれない。夜もそのメンバーなどお茶とは関係ない人々で夕食を取った。折角京都に来たのだから、お茶の話だけでなく、色々な人と会い、色々な話が聞けることは私にとっては嬉しいことだ。

img_4673m

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です