京都・名古屋茶旅2016(3)素晴らしいお茶授業

京都まで

名残惜しかったが、そろそろ帰る時間になっていた。茶畑から加茂駅まで送ってくれるということだったが、広い道路へ出るとちょうどバスが通りかかる。Mさんが急いでバスを停め、乗せてくれた。田舎ならではの光景だった。ガイドさんたちと一緒に加茂駅へ行き、そこから元来たルートで京都のガイドさんと一緒に戻った。

 

ガイドさんに聞くと『最近はヨーロッパ人やアメリカ人のお客さんが凄く増えている。2008年のリーマンショックの時は誰も来なくなって失業した。2011年の東日本大震災でも大きな影響があった。今がいいからと言って、いつもいいとは限らない。実に不安定な仕事です』という。しかもプライベートでガイドを雇う人は当然要求も高いため、日々研さんを積むともいう。今日もガイド仲間で、勉強のために来た。多くの引き出しを持ち、しかも英語で説明できなければならない。難しい仕事だ。

 

京都駅まで来た時、あまりにも腹が減っていることに気が付いた。何しろ朝、サンドイッチを食べただけで、朝の6時前から動き回っていたのだ。駅でそばを食べて、何とか息を吹き返す。それにしても、茶畑見学にしては、濃い内容だった。これを毎日のようにこなしているMさんとインターン、これは大変なことだ。日本には革新が必要だが、その担い手は極めて少ない。

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京都駅前から金閣寺行バス乗り場を探す。1年前にも乗ったはずなのに、なぜか違和感がある。金閣寺行は2つのルートがあり、私が乗りたかったバスは、1つ向こうから出ることがようやく分かる。ボケが進んでいる。何とかバスに乗り込み、大きな荷物を持ち込んで席に着く。すぐにバスは満員となり、お邪魔この上ない。ちょうど時間は退勤ラッシュなのか、バスはゆっくりとしか進まない。やはり金閣寺は遠い。

 

2.京都
突然のレッスン参加

何とか懐かしいISO茶房に辿り着いた。ここは京の町屋を改造したカフェであり、その雰囲気は抜群によい。中に入るとお客さんが一人いた。私が荷物を置くと、店主のIさんが『こちらにどうぞ』という。席にはお茶のセットが用意されていた。更にはレジュメまである。何とこちらで行われている授業の補講が始まり、私も参加することになっていた。あれ?

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Iさんが作成したレジュメは相当にきめ細かい。鳳凰単叢などの説明が行われ、その成り立ちから、茶葉の内容、茶の淹れ方まで、じっくりと教えてくれる。何となく知っているつもりでも、このように基礎から説明してもらうと気が付くことも多い。勉強嫌いの私にとっては、とても良い復習の機会となった。

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ペーパー上の勉強だけではなく、実際にお茶を飲んでみることができるのもうれしい。しかもこのお茶が実に上等で、とても勉強とは思えない。Iさんは店の店主という前に単なるお茶好きとしてこの会をやっているのだろうか。『とにかくおいしいお茶が飲みたい。飲んでほしい』という思いが強く出ている。質の高い茶葉を惜しげもなく出している。

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更にはデザートとして、手作りの杏仁豆腐まで出てくる。元サラリーマンだったIさん。よくもこんなに器用に食べ物まで作れるな、と感心する。こんな講義が東京であったら、大人気になるのではないだろうか。一度は受けてみたい授業、なぞというテレビ番組のタイトルが頭に浮かぶ。しかもこの講座、卒業すれば、中国茶の資格認定もされるらしい。本格的だ。

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レッスン終了後も、お茶話で何となく盛り上がり、時間を忘れる。明日は自分の報告会があることなどすっかり忘れてしまっていた。私は午後からだが、Iさんは朝か通常営業だ。その上で報告会のためにお菓子を作ったり、忙しいはずだ。私も昨晩は夜行バスだったこともあり、シャワーを浴びてすぐに畳の部屋で、眠りに就いた。

 

826日(金)
建仁寺はどこ

翌朝はゆっくり起き上がる。Iさんはいつものように朝食の準備をしてくれた。何とも有り難い。天気が良いので、それを外のテラスで頂く贅沢。ここでモーニングなど始めれば、隠れ家的な人気が出るのではないか。まあそれではIさんの優雅な生活が壊されてしまうかもしれないが。

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午前中はお寺に行くことにした。栄西ゆかりの建仁寺を目指すことにした。何となく、ここから歩いていけば建仁寺に着くと思っていた。それで昨年竜安寺他へ向かう道を歩き始めた。昨年は10月だったが今は8月終わり。暑さが違う。すぐにバテてしまったが、何とか仁和寺まで歩いていった。だが、建仁寺はどこにあるのだろうか。ガイドブックも地図も何も持たずに歩いてきたので、途方に暮れた。どこにも表示がないのである。

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仁和寺で庭の草取りをしていたおじさんに聞いてみたが、『そんな寺、あったっけ』とつれない返事。おじさん、建仁寺は有名だよ、と言いたかったが、これ以上突っ込めず更に歩いていく。疲れてきたので、コンビニでポカリを買い、ぐっと飲む。そこの店員さんに聞くと『そんなお寺、この辺では聞いたことがない』というではないか。え、建仁寺って、京都では知られていないんだ、とがっかり。

 

そこへ奥にいた年配の女性が『建仁寺っていうのは、東山の方にあるんでは』と言ったので、初めて携帯で検索してみると、やはり祇園の方にある。何という勘違いを私はしていたのだろうか。バスで行くことはできるようだったが、行く気力はもうなかった。ふらふら歩いていくと、道を誤って昨年もやってきた妙心寺へ。ここは広い敷地に沢山の寺院があり、庭のきれいなところもあるが、その多くは拝観禁止となっている。結局歩いて戻る。疲れた。

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