シベリア鉄道で茶旅する2016(8)モンゴル国内列車に乗る

夕飯で

それから街を少し歩く。通りはそれほど変わっている感じはないが、若い女性の化粧が非常に韓国人に似てきている。これも韓流ドラマの影響だろうか。韓国の化粧品会社の上手な戦略の影響だろうか。まあオシャレになってきているのは間違いない。モンゴルの人口は300万人もいないのだが、その半数はウランバートルに住んでいると言われている。寒くても、人がそこそこ歩いているのは嬉しい。それにしても、ウランバートルは高原で標高も高い、ということがよくわかるほどの寒さだ。昼間でも零下10度以下であり、体感温度はもっと低い。スーパーなど室内に入るとそれだけでほっとした。S氏は今晩と明日の列車のために食料の買い出しをしていた。酒とつまみが多かったが、パンなども買っていた。私もそれに倣ってパンだけ買っておいた。

 

一度ホテルに帰り、休む。電気ポットがあったので湯を沸かして茶を飲むと落ち着く。暗くなってから食事に行くことになり、また外へ出た。今日は現代モンゴルを見る、ということで、敢えてパブレストランに入ってみた。入口ですでに酔っぱらっているモンゴル人とすれ違った。何となく怖い。店内は洋風で、モンゴルの雰囲気はない。こちらでもメニューはフライドポテトなど、酒のつまみ的なものと、肉類。ビールとスープ餃子を頼んでみる。周囲の客は女性も酒を飲み、肉に食らいつく。とてもモンゴルらしい、といった感じはなかった。ウランバートルはソ連以降、洋風化が定着しているのだ。

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夜の街にはカラオケ屋などもあり、酒飲みはとっては何とも楽しそうなところだった。寒い中でもパブの電気だけが煌々とついている。寒さは極限に達しており、尋常ではなかった。スマホでは気温が零下25度と表示されている。これから北へ行けばもっと寒くなる、とは実は思わなかった。前回の経験では、ウランバートルは高地にあり、ここから北へ下っているので、緯度は上がるが気温は上昇することに期待した。部屋に帰りシャワーを浴びようと思ったが、お湯が出なかった。昨日も一晩入っていないので、入りたかったが、体を拭くだけにとどめた。これももはや想定内だった。

 

3月10日(木)

モンゴル国内列車に乗る

翌朝はゆっくり起きた。やはり寒さで体力が奪われていたのだろう。きりっとした寒さの中、ホテルの周囲を散策したが、特に面白いものは見付からなかった。今日の列車は11:30発。食事をどうするか迷ったが、朝飯が食べられるような場所も見付からなかった。10時過ぎにホテルをチェックアウトして、駅前の食堂に入る。おじさんたちが茶を飲みながら話し込んでいる。おじいさんが一人、遠くからそれを見つめている。その後話の輪に加わる。これはどういう状況なのだろうか。草原の掟のような雰囲気が何ともおかしい。

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私はどうしても食べてみたいものがあった。ハンバーグの上に目玉焼きが乗っているもの。名前は分らない。ハンバーグは当然羊肉だろうから、これはモンゴルとソ連が融合した食べ物と見えた。ご飯も付いたセットで出てくる。何だかチンしたような温かさだったが、味は悪くなかった。ただ食べ過ぎると消化にはよくないようで、腹が重たかった。そのまま、荷物を引いて駅に向かった。すでに列車はホームに入っている。

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駅に入るところに日の丸が見えた。モンゴルの鉄道は2001-04年、日本の援助でメンテナンスが行われたようだ。我々はミャンマーで線路のメンテの重要性をいやというほど味わっている。こういう支援は素晴らしいな、とつい思ってしまう。これからその恩恵に預かるわけだし。国内列車の車両は大丈夫だろうかと心配したが、杞憂に終わる。ロシア製の長距離列車の車両が使われており、三等車と言いながらも、寝台車だった。ベッドは二段で、通路の反対側にも席があり、その上下にもベッドが作れた。こんなのは初めてだった。

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乗客が次々に乗り込んできて満員になる。通路側の席にはお婆さんと幼い孫娘がのっており、その母親が最後まで付き合っていたが、発車間際に降りて行った。当然女の子は大泣きしたが、お婆さんがうまく宥めて、そのまま眠りに就く。どういう事情だろうか。前の席には文化人と思われるおじいさんが、本を読んでいる。その本はモンゴル文字と、ロシア文字が併記されており、何とも難しそうに見える。しかしこの列車はやはり国内の普通列車だった。2-30分経って駅に着くと人がおり、また乗ってくる。席は目まぐるしく、乗客が変わる。

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少しすると、車掌、いやスタッフがお茶とコーヒーのパックを持って現れた。何と三等車なのに、無料であった。お湯とカップもくれるので、お茶を飲んでみる。インスタント茶で、フレーバーが効いている。まあ無料だからこれで十分だ。乗客はインスタントコーヒーを飲む人の方が多いように見えた。その内、車内ワゴンが回ってきて、販売も始まった。飲み物も多いが、韓国風海苔巻きなどもあり、なかなか充実している。

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