ミャンマー激走列車の旅2015(4)ダウエイ あんなに苦労してきたのに散策は30分

 ダウエイの街

時刻は夜の7時を過ぎていた。腹も減ったので、外へ出る。ホテルを出るとすぐに、携帯ショップがあった。ミャンマーではこれまで通信手段で苦労していたので、ダメもとでシムカードを買えるか聞いてみる。半年前、ヤンゴンで半日探してやっと買えた記憶があったが、ここではすんなり買えたので驚いた。タナカを塗った若い女性が簡単にセットしてくれ、通話もすぐにできた。半年前は確かヤンゴンとネピドーとマンダレーしか通じない言われたカード。ミャンマーは半年で変化すると言われているが、それは本当だった。たった半年でヤンゴンだけでなく、この一番南の街までシムカードは普及し、ほぼ全国どこへでも電話できるようになっていた。

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街は急速に暗くなった。食堂もあまり見られない。仕方なしに、屋台に入る。ここはインド系がやっていた。ダンバオというカレーチャーハンに焼き鳥を乗せる食べ物が美味そうだった。S氏とNさんはビールを所望したが、ここにはないらしく近くから買ってきたのは5歳ぐらいの息子だった。ただ他のお菓子も一緒に買ってきてしまい、母親にひどく叱られていた。何とも微笑ましい光景だった。そしてそのビールは当然のように冷えていない。そこで氷を頼むと、これまたおじさんがバイクで買いに行くという具合だった。飯は予想通り美味かったが、疲れていたせいかそれほどは食べられなかった。

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食後私はS氏に聞いた。『せっかくダウエイに来たのに、街も見ずに列車に乗るのか』と。答えは『ダウエイには以前に来たことがある。でも確かに街を見ないのもなんだな。30分ばかり散歩しよう』と。そして我々は真っ暗な中、30分ほど歩いてみた。あれだけ苦労してここまでやってきて、街の散策がたった30分とは。これはやはり私の旅ではない。途中の商店はどうも中華系の香りがしたので、普通話で話しかけると、やはり答えがあった。ここは港町、昔は華僑も沢山来たことだろう。S氏とNさんは晩酌用の酒とつまみ選びに余念がない。

 

ところでダウエイの開発区だが、ここには影も形もない。S氏によれば、開発区も港も街からかなり離れており、たとえ開発区ができても、この街にどの程度良い影響があるのかは不明だった。街にはこの特別区に関する宣伝もなければ、それとわかるものも何もない。これは暗いせいばかりではないと思う。今回の散歩では残念ながらダウエイについてはほとんどなにも分らなかったが、ここに投資する勇気は称賛に値する。明日も早いのでホテルに帰り、3人部屋で電気も点いたままなのに、すぐに寝入る。これが私の特技だった。

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7月24日(金)

翌朝は4時過ぎには起きた。5時に迎えのリキシャが来る。これが来なければ列車に乗れない。ホテルには朝食の代わりに、ランチボックスを用意してくれるように依頼していたが、ちゃんと用意されていて驚く。何と順調な2日目の朝。何となく涼しい。リキシャは10分で昨日に駅に着く。まだ5時過ぎだ。例の体育館の様な建物では、灯りもない中、人々が起き上がり始めていた。少しずつ夜が明け、駅の周りの小屋に商売を始める煙が立つ。我々もその一つに入り、ティミックスを飲みながら、過ごす。一応今回の旅は茶の旅でもあるので、コーヒーではなく、ティを飲むようにS氏に促したところ、この甘いティミックスがことのほか気に入ったらしい。それからはいつもティミックスを飲んでいた。

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問題は列車がいつ来るのかということだ。隣の中堅国、タイの鉄道のひどさは昨日を見ても分っている。それより遅れているミャンマーではその到着時間には懐疑的にならざるを得ない。ところが6時が近づくと、乗客がホームに集まりだす。そして昨日の駅長も出てきた。これは来るかもしれない、と思っていると、何と列車は突然音を立ててやってきた。ほぼ定刻だった。だがすでに僅かに乗客が乗っていた。ここで気が付いた。このダウエイ駅は始発駅ではなかった。もう一つダウエイポートなる駅があったのだ。しかしすでに列車は来てしまった。乗るしかない。

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どこに乗るのだろうか、我々はアッパークラスを予約していたが、その車両はどれか分らない。そこへ駅長が来て、こっちだと指さす。急いで言われた方へ行き、タラップを上がり、車両内へ入る。中は意外と広い空間があり、リクライニング出来る椅子が用意されていた。2席、1席の3列配列。相当にゆとりがあり、足を延ばしても相手にぶつからない。さすがアッパークラスだった。料金はローアークラスの2倍。それでも安いと思ってしまう。

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