北海道を旅する2016(2)カレーラーメンを食べて室蘭散策

2. 室蘭
カレーラーメンを食べて室蘭へ

予約してもらったホテルに行ったが、勿論チェックインは午後3時から。取り敢えず荷物を預ける。まさかこんなに早く着くとは思っていなかったので、ランチの場所をフロントの女性に聞く。『室蘭はカレーラーメンが有名です』というので、スパイシーでない方と言われたところへ行ってみる。その店は駅のすぐ横にあったが、そこそこ広い店内は満席の盛況だった。

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まずはカレーラーメンを注文してから周囲を見ると、皆がそれを食べているわけではない。普通のラーメンもあり、焼きそばあり、定食もあるようだった。カレーラーメンは、カレーうどんのラーメン版という感じだったが、麺にこしがあり、非常に美味しかった。ただ滅茶苦茶熱くて、汗が噴き出した。どうやら冬に食べると体が温まるものらしい。横のおじさんがチャーシュー麺を食べていたが、次回はそちらにチャレンジしたいと思った。

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食べ終わるとお客さんが待っていたのですぐに店を出た。北海道はまだ寒いと思ってきたのだが、10度以上あるようで、また汗が噴き出した。東京と変わらない生暖かさだった。駅の反対側にバスターミナルがあり、札幌行のバスの時間を確認した。今日は年度末で、明日から時刻表が変わるらしい。聞きに来てよかった。

 

それから海でも見に行こうと歩き始めると、電話が鳴った。だが出ても声が聞こえない。Tさんからの電話だということが辛うじて分かったが、何度電話をもらってもどうしようもなかった。携帯が古すぎ、そろそろ変えなければならないことを示していた。すぐにTさんからショートメッセージが来た。ホテルのロビーにいるというのですぐに取って返した。元々2時前にホテルに着く予定だったが、あまりに早く着いたので、Tさんも急いで来てくれていたのだ。

 

彼とは東京の勉強会以来だから、1年ぶりだろうか。室蘭に転勤になったと聞いていたので、今回訪ねてみることにしたのだ。恐らくは北海道に行く人は多くても、敢えて室蘭に行く人はそうはいない。私も室蘭と言えば、新日鉄ぐらいしか思い浮かばなかったが、この機会にぜひ行ってみようと思った次第。Tさんと旧交を温めて、それから一緒に駅に向かった。

 

室蘭へ行く電車は1時間に一本しかない。なぜか彼が東室蘭に宿を取ったかはすぐにわかった。室蘭の中心は東室蘭であり、室蘭駅は何と夜は無人駅になるという。因みに東室蘭には自動改札はあったが、スイカなどは使えず、室蘭駅には自動改札すらなかった。これは結構衝撃だった。今や新幹線が北海道に上陸したというのに、一方でローカル駅は消えていく運命にあるのだろうか。

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このローカル線は僅か1両でやってきた。途中に新日鉄室蘭などの工場が見えた。そして母恋駅という、中国系の人が見たら感動するであろう名前の駅まであった。『母恋飯という駅弁が台湾人などに人気です』とTさんが説明してくれた。この名前を見れば駅弁も食べたくなるだろう。今は売り切れることが多いらしい。地球岬という名所はここから歩いて3㎞と聞き、断念した。

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室蘭散歩

そして室蘭駅でTさんと一度別れた。室蘭の街を散策する。駅前には港の文学館というレトロな建物があったが通り過ぎた。旧室蘭駅舎へ。100年以上前に建てられたこの駅舎は既に20年前に廃駅となっていた。ここには駅で昔使われたものなどが展示されていたが、また一応観光案内所も兼ねていた。だがお客はほとんどおらず、転寝するお爺さんがいただけだった。

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そのまま歩いていくと港が見えてくる。天気が良いので実にすっきりした風景、遠くには山々、近くには風力発電と古びた倉庫。風は強いが、気持ちの良い散歩となり、更に歩いてしまった。向こうの方に大きな橋が見えたが、そこまで行かないうちに疲れてきたので駅に戻る。

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駅前の商店街で写真を撮ろうとしたところ、何とカメラが壊れてしまった。実は数日前にPCが壊れて、慌てて買い直していたし、さっきは携帯電話で電話が取れなかった。私の茶旅はちょうど満5年を過ぎ、この北海道が今後5年の最初の旅だったが、前途多難というか、過去5年間の旅の激しさが一気に噴出したというか、何と大変なことになってしまった。

 

カメラが壊れても携帯で写真は撮れるのが、私は慣れていなかったし、それに疲れてしまったので、街歩きを打ち切り、電車で東室蘭へ帰る。北海道新幹線開業のポスターが張られていたが、函館までしか行かない新幹線をそう呼ぶのは如何なものかと、特にこの地に来て強く思う。帰りの電車は登別行の2両編成。1両増えただけでもホッとしてしまう。

 

駅前ホテルにチェックインして、部屋でまったりした。このホテルの周辺に高い建物はなく、実に眺めがよい。ゆっくりと夕日が落ちて行った。夜はTさんの計らいで、北京に30数年住んでいるAさんと、留学生支援をしているHさんにお付き合いいただき、地元料理を堪能した。室蘭に来て、昔の中国話で盛り上がるとは思いもよらないことだった。

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