北海道を旅する2016(1)バスで東室蘭へ

《北海道を旅する2016》  2016年3月31日-4月4日

 

2013年6月、私は実質的に初めて北海道を訪れた。札幌と函館を回り、ちょっとだけ北海道気分に浸ったが勿論物足りなかった。もう一度行きたいな、とは思っていたが、何しろお茶畑がない。なかなか行くチャンスが掴めずにいたところ、突然Uさんから札幌の人を紹介され、お茶セミナー開催の話が持ち上がる。これは願ってもない機会だ、満を持して行こう!

 

だが、その直前には長く厳しいシベリア鉄道の旅を経験しており、疲れはピークに達していた。原稿の締め切りも厳しかった。そしてセミナー自体が2日間で4講座、それもすべて違う地域の話という、これまでにないハードな内容だった。それでも何としても行こうと思った。講座で使うお茶をスーツケース一杯に詰めた。北海道にはそれだけの魅力がある。

 

3月31日(木)

1. 室蘭まで

今回は日系大手航空会社で飛んでみた。実は奥さんがスカイコインなるものを持っていて、この期限が四月末に迫っており、何とか処理してほしいとの要望だったので、有り難く頂いた。それにしても高いな、チケット代。LCCなら成田に行かなければならない不便さはあるものの、恐らく3分の2の金額で十分に旅ができるだろう。

 

当日は羽田空港に到着したのは結構早かったのだが、一本前の新千歳行に乗せてくれることはなかった。『お客様のチケットは割引運賃ですので』ときっぱり言われて、うーんと思ってしまう。最近は中国でも席があっても追加料金を払わないと、早い便に変えることができなくなっていたが、今回はそんなに安いわけではなかったので、ちょっとビックリ。

 

まあ仕方がないのでゆっくりとネットでもしようかと思い、荷物検査を潜ったが、その後には、コンビニというものがなかった。朝ご飯も食べていなかったので、レストランなどを見てみても、皆どこも高い。朝からこんなに立派な食事をする身分ではないと思い、諦めた。が、一度食べられないとなると何とも食べたくなるのが人情というもの。

 

何と荷物検査に戻り、事情を話し、一度検査を取り消してもらい、1階下のコンビニへ行き、サンドイッチと飲み物を買って再度検査を潜った。日本は国内線ではペット飲料の持ち込みが自由なのは有り難い。それにしても羽田空港の荷物検査、丁寧なのは良いが、ちょっと度が過ぎるほどで、時間が相当掛かる。他国でもテロ対策や課税対策で時間が掛かるところがあるが、バックを横にするのに、一々お客に了解を取るのはどうなんだろうか。

 

機内に入ると、乗客の中には中国人、台湾人などが見られた。やはり北海道は人気スポットなのだろう。タイ語らしいものも聞こえてきて、何だか面白い空間になっていた。だが、驚いたのは機内放送。CAさんが日本語と英語で話した後、流れてきたテープ音は何と広東語だった。これは一体どういう意味だろうか。普通話や台湾語は流れず、ただ広東語だけが流れたのだ。

 

そんなに広東人や香港人が乗っているのだろうか。イースター休みだから?でもそれなら普通話も流すべきではなかろうか。いや、これは操作ミスなのだ、と思う。だがいくら国内線とは言っても一人も広東語と普通話の区別ができる乗員はいない、ということだろうか。私の頭の中はちょっとパニックになってしまった。ただ恐らくは日本人乗客も誰一人気付いていなかったのだろう。飛行機は順調に新千歳空港におり、何事もなかった。

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今日は札幌に向かわずに室蘭に行くことになっていた。空港から室蘭まで鉄道で行こうと考えていたが、バスで苫小牧へ出るルートもあるらしいことは分っていた。ただバスは乗り継ぎ時間がタイトで乗れないと思っていた。実際預け荷物が出てこなくて、かなり時間を食ってしまう。

 

ところが天は私を見捨てていなかった。取り敢えずバス会社のカウンターへ行ってみると『苫小牧行きではなく、室蘭行きがあと5分後に来ますよ』というではないか。何と一気に室蘭が近くなる。しかも料金は電車よりかなり安い。特急に乗るのと同じぐらいの時間で着いてしまう。北海道の交通はやはりバスなんだな、としみじみ思う。

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バスは降りるときの便宜のためか、荷物を一番前の座席に置き、出発した。乗客は多くはない。悠々と座る。まずは田舎道を行き、高速道路で苫小牧を目指す。何とも早い。まだ少し雪が残る大自然を行く。それでもつい先日シベリアを経験しているので、何とも優しい風景に見える。そして雪解けの道はぐちゃぐちゃではないか、と心配になる。

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苫小牧からは高速道路を使わず、各駅停車のように国道沿いを行く。登別温泉あたりを一周して、室蘭に入ったのは、わずか1時間20分後。普通電車で行けば、今頃まだ苫小牧だったかな。そして東室蘭駅で降りた。室蘭駅もあるのになぜ東室蘭?今回は北京でご一緒したTさんがここの駅前のホテルを予約してくれていた。駅はかなり立派だった。

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