明るくなった上海旅2015(2)物価が高い!

中山公園の宿

乗降客は少ないので、かなりスムーズに入国できた。1号楼ターミナルは何とも古びており、寂しい感じがした。今日の宿は地下鉄の中山公園近く。空港から地下鉄で乗り換えなしで行けると勘違いしていたが、1度乗り換える必要があった。空港1号楼駅は、ターミナルからかなり歩かなければならない。乗客で歩いている人は殆どいない。荷物を引き摺り、何とか駅までたどり着く。ところが中山公園へ行くにはルートが2つあり、どちらが良いか分からず、来た方の電車に乗る。するとそこへ、Hさんからメッセージが入り、後はナビしてもらう。

 

今や上海の地下鉄は東京都より走行距離が長く、路線もどんどん増えているので、路線図を見ても、簡単には理解できず、このナビは実に有難い。それでも2号線から4号線への乗り換えにはかなりの時間を要した。地下から地上へ上がるのに、荷物が多いので難儀した。上海も早めにできた地下鉄はあまり乗客に便利にはできていない。何とか中山公園駅に着くと、そこにはHさんが待っていてくれ、予約してくれたホテルまで連れて行ってくれた。

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Hさんとは29年前、上海の留学で一緒になってからの長い付き合い。奥さんとは先日京都と東京で会ったばかり。最近彼は香港に駐在していたこともあり、懐かしの上海で再会するのは10年ぶりか。彼の上海生活は合計で何年になったのだろうか。長い間彼が日本で働いているのを見たことがない。いや、もう日本で働くのは疲れるのだろう。中華圏で過ごしてしまうと、東京は息苦しい。

 

宿は本当に駅の前、高層ビルのいくつかのフロアーを使っていた。元々は長期滞在者用であろうか、それともアパートとして建てられたのだろうか?大きな冷蔵庫やキッチンが付いており、広々としていた。これで380元/泊は以前なら安い、と感じるだろうが、何しろ1元=20円の時代、何を見ても高く感じてしまうのは、仕方がないところ。29階から見る景色は良いが、目の前では未だに開発が行われ、上海は止まってはない、ということが実感できた。モノレールのように高架を走る地下鉄の音も少し気になったが、学生時代、都電の線路脇で4年を過ごした私にはどうでもよい音だった。

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いきなり浦東へ

蘇州に駐在する大学の同級生S君と連絡したところ、たまたま今日は上海にいるというので、会いに行くことにした。指定された場所は聞いたこともない地下鉄の駅。塘橋駅というその駅は、4号線にひたすら乗り30分、何と浦東側にあった。地上に出ると、駅前には外資系の5つ星ホテルはあるし、ショッピングモールまであった。その後ろは高層の住宅街、上海は今や、中心部ならどこでも、このような光景を目にすることができる。この辺も家賃は高そうだ。

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S君に連れて行かれたのは、日本人が多く住むアパート。日本食品が沢山置かれているスーパーが併設されており、すれ違う住人も日本人ばかり。未だにこんな場所があるのか、と何となく懐かしくなる風景だった。そして地下には日本食レストランがあり、そこでS君たちは、合唱団の練習打ち上げを行っており、そこへ飛び入り参加した。学生時代から合唱をしていた彼は、今でも同好の士と共に、合唱を続けている。

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焼き魚やお好み焼きなど、食べ物は全く日本と変わらず、そばは特に美味かった。地下鉄が発達し、日本食が自由に食べられる都市、上海は今や日本と変わらないな、つくづく思う。ただ駐在員生活は、元高もあり、仕事のやり難さもあり、以前より厳しくなっているようだ。経費の関係は、住環境の問題で、家族を日本に返し、単身赴任している人も多いと聞く。

 

帰りはタクシーであっという間に中山公園に帰りつく。上海ではタクシーも捕まえにくいと聞いていたが、土曜日の夜、雨も降っていなければ、そう難しくはないようだった。道路も空いていた。ただタクシー代はどんどん高くなっており、物価全体は完全に東京より高い、と強く感じられる。

 

中山公園では先ほどのHさんが待っていてくれたので、近くのホテルでコーヒーを飲んだ。彼は開口一番『上海の景気はいいですよ、でも上海だけですよ。他の中国はかなり悪いです』という。私もわずか数時間しかいない上海ながら、なぜか『明るさ』を強く感じていた。何か『上海だけは特別だ』という言葉を突き付けられているように思われる。それは一体どこから来ているのだろうか。一昨年10月に来た時とは雰囲気がまるで違う。習近平政権の政策は、『新常態』だが、上海は確かに新しい常態に入ったようにも見える。その訳が知りたい。

 

5月31日(日)

豫園で

翌朝は7時に叩き起こされた。このホテルには朝食が付いているのだが、何と部屋に運ばれてくる。それが朝の7時に配られたのだ。決して贅沢な旅をしているわけではない私だが、正直この食事を食べるのはちょっと嫌だ、と思ってしまう代物だった。茹で卵は剥き難く、マントウは冷えて固かった。以前は下の階にある上島珈琲で食べていたそうだが、経費削減の結果だろうか。食事が付いているだけマシ、とはとても思えない。上海の食、という点では、安全面と共に課題が残っている。

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