真冬の韓国散歩2015(3)ソウル 茹でタコを食べながら

帰りは1号線から3号線に乗り換え、難なく宿へ着く。それにしても夜のソウルは当たり前だが、それなりの防備をしているのに寒い。宿のオンドルに寝ても、その寒さのせいか、暖かさに限界がある。体が南国使用になっているのだろうか。まあそれでも掛布団と毛布に包まれば、極楽、極楽。

 

1月13日(火)

イテオン

翌朝はゆっくり起きてシャワーを浴びる。宿には殆ど人がいないので、交流することもなく過ぎる。これはちょっと寂しい。どこかへ出掛けようと思い、ガイドブックを開くと、ちょうどイテオンという文字が見える。20年前、偽物ブランド品を大量に売っていた場所、今はどうなっているのか、訪ねてみた。

 

今日も地下鉄に乗り、1回乗り換えて、イテオン着。午前中のイテオンは、洋服の卸の店などは見えるものの、ひっそりとしており、昔のイメージはない。坂を下って行くと高級住宅街であり、おしゃれなカフェなども出来ていたが、やはり人影は殆どない。昔のざわざわした街は大きく変貌している。

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大通りを歩いていくと、長蛇の列が見える。一体何の行列かと近寄ってみると、何とパン屋の入り口へ通じている。今韓国はパンのブームらしい。若い女性が中心だが、おじさんや若い男も列にいる。そんなに暇なのだろうか。それにしても平日の午前中にこんなに並んでいるのなら、さぞや美味しいのだろう。

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更に歩いていくと、お洒落なレストランがあった。かなり疲れたので、そこに入りコーヒーを頼む。カウンターの下にパウンドケーキが置かれていたので、それもついで頼んでみたが。会計して驚く。日本円で言えば、コーヒー1杯600円、ケーキは750円にもなる。英語は殆ど通じない。外国人が来るような場所でもなく、韓国人がこのような高い消費をするのだろうか。少なくともコーヒーについては、日本より韓国の方が高いことを実感した。

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タコ鍋

地下鉄で市庁に行く。ここは常に懐かしい。20年前の出張はほぼこの付近に泊まっていた。今はきれいに整備されており、市庁前の広場には即席スケートリンクが出来、幼い子供たちがスケートをしていた。何だか第2のキムヨナを目指しているように見える。特に母親が熱心。韓国の教育熱はいまだ冷めていない。

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プレジデントホテルのロビーでYさんと待ち合わせ。彼はマスコミ関係の人であり、昨晩会いたいと言ったところ、『朴クネ大統領の記者会見と富田の裁判があるので』と断られ、今日になった。実は私は今日板門店見学を考えていたので、富田さんによってその野望は遮られたことになる。それにしても、水泳選手の窃盗疑惑に振り回されるマスコミ、こりゃ大変だ。正直日韓のニュースには本当にウンザリするような内容が多いと感じる。勿論それは彼のせいではなく、彼はむしろ、長いソウル駐在の経験を活かして、韓国の生情報を伝えたいと考えているようだが、東京本社はどうだか。

 

ランチはタコ鍋。何と生きたタコをぐつぐつの鍋に放り込み、ふたをする。見る人が見ると残酷な料理だが、何とも豪快。そして茹で上がると韓国お得意のハサミで小さく切って食べる。これはなかなかイケル。ブルコギなども入っており、確か名前はプルナクチョンゴルだったような。冬ということもあり、ソウルでは今流行っている食べ物のようだ。

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帰り掛けにストーブが目に入る。その上では輪切りにした芋が焼かれていた。何となく眺めていると、おばさんが『食うか』という感じで一つ差し出す。その何気ない行為が昔の懐かしい日本を想起させる。今や日本で常連さん以外に注文していない物をくれる店は殆どないと思う。おばさんが芋をいくつか見て、『これが美味いよ』という顔をした。ここに韓国の神髄を見る。

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それからコーヒーを飲みに行ったが、何といくつもの店が満員で入れない。この辺は繁華街であり、また1つずつの店が小さいという理由はあると思うが、それにして平日の昼下がり、何で満員なの?ようやく本屋に併設された喫茶店に落ち着くが、ここのコーヒーも日本円で500円はした。勿論円安という要素はあるが、韓国の物価は既に一部で日本を抜いてきている。日本のデフレは政府方針とは裏腹に止まらないようだ。

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Yさんは沖縄にゆかりがある人で、前回同様韓国の話から沖縄の話に移る。韓国と沖縄にも色々と似通った点があるという。先ほどの人情のようなところだろうか。そして何となくいい加減で、あまり前途を考えない所だろうか。寒い、寒いソウルで温かい沖縄について語る、それもまた一興だな。

 

明日行こうかと思っているプサンについては『実にいい所、焼サバが美味いので、必ず食べるように』と言われる。昨晩焼き魚を目の前にして、食べ損ねたので、絶対食べるぞ、という気になる。どうもソウルでは食べ物の話ばかりになってしまう。昔はそんなにバリエーションがあると思っていなかったが、韓国料理は奥深い。但し味が比較的単調ではあるが。

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