変化するヤンゴンを歩く2014Ⅱ(2)祈りの姿は変わらないが

ミミさん夫妻とランチ

お昼はS氏を古くから知るミミさん夫妻とミャンマー料理屋へ。このご夫妻、2月にSSの結婚登録式でも会っているのだが、実は誰だか知らなかった。ご主人は本当に人のいい笑顔を浮かべる無口な人、ミミさんは活発におしゃべりする人だった。S氏の来訪を聞きつけて、一席持ってくれたわけだ。私にはよく分からないが昔話に花が咲く。

 

ミャンマー料理はすごく美味しいとは感じないが、何故か懐かしい味がする。今回のレストラン、カイカイチョーは最近流行のお店だとか。席でオーダーすることも出来るし、自分で行って材料を選び、調理を頼むことも出来る。席は室内もあるし、屋外もある。なかなか感じが良い。

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食後にラペソーが出た。食べるお茶、これが目的で私はミャンマーに入ってきたのだ。今ではレストランで普通に出るが、一緒に混ぜる豆や小エビなどは、1つに混ざった出来合品が供される。これはちょっと興ざめだ。しかし便利が一番、ヤンゴンは他のアジアの都市同様に資本主義に飲み込まれていく。

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ミミさんと別れて、ジャンクションスクエアーへ行く。S氏にヤンゴンの発展ぶり、変貌ぶりを見せる目的で行く。私は既に2年前、出来たばかりのこのショッピングモールへ来て驚いた。若い子はミニスカートをはき、スマホでWIFI。まるで東南アジアのどこかの大都市のそれと見まがうほどだ。

 

2年経ってここは更に大きくなっていた。立体駐車場は満員で、スペースもない。中は店舗が増えており、銀行のATMがズラッと並ぶ。今回SSご懐妊にあたり、日本からベビー服を買ってきたが、この中にもベビー服専門店が2₋3店舗あり、デザインなどは日本とそう変わらない。日本ではメイドインミャンマーの表示も見られたから、輸出用が売られているのかもしれない。ダイソーの100円ショップも健在だった。

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懐かしいボージョーマーケットへ行く。ここはS氏がヤンゴンを訪れると必ず来た場所。タッティングと呼ばれる伝統的な織物(イギリスから入ってきた物?)を買いに行く。私も10年前、お土産にいくつか買ったが、手織りで細かい作業があり、技術が必要、ということで、織り手が殆どいなくなっていると聞いていた。今回店にはまだいくつかあったが、買う人もなく、忘れられていく商品かなと感じる。値段は以前の数倍になっていたが、それでもヤンゴンの物価上昇に比べれば、まだ安いといえる。

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ミャンマー北部、チン州の織物も買いに行く。ここも昔来たことがあったが、S氏には何か思い入れがあるらしい。残念ながらオーナーはアメリカ出張中とのことで、値段の交渉が出来ず、明日また来ることとなる。

 

ホットポット

夜は恒例のホットポット。以前はセブンアップという店でいつも食べていたが、今やもう無い。現在SSのお気に入りのSKへ行く。SSは重田さんの来訪ということで、個室を予約して待っていた。それにしてもSSのお腹は異常に大きい。どう見ても双子が入っていそうだが、一人だという。皆から『運動しないで食べてばかりだから』とからかわれている。

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ミミさんが孫を連れて参加していた。ミミさんの娘は今マンダレーにいるらしい。携帯電話でS氏と話している。S氏がミャンマーで築いてきた人の繋がりがこんなところに出て来る。5₋6年前までは高額だった携帯も今ではかなり安く普及しており、ミャンマーの進歩は速い。

 

TTMには妹が4人おり、たった一人の弟は既に亡くってしまっていた。その子供たちも含めてTTMファミリーが出来上がっている。長女であるTTMは家長として全ての責任を担っているように見える。今日も空港に迎えに来たヨーマは妹の娘で、東京留学に関してもTTMが相応の支援をして実現したという。ただヨーマは学費などを全て自分でアルバイトして稼ぎ、一人で頑張っている。

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もう一人のムアは弟の娘。既に父親がいないこともあり、また母親は公務員でネピドーという新しい首都の勤務となったため、ムアはTTM家に住み、仕事を手伝っている。ムアの姉、イモーがやってきた。彼女もヨーマやムアと一緒に日本語の勉強を始めたが、途中で韓国語に転向、その後縁があり、エアマンダレーという航空会社に勤務している。今日も空港からやってきた。TTM家は女系家族であり、女の比率が高い。SSのお腹の中の子も女の子だという。皆でワイワイやりながら、ホットポットを食べる、何となく嬉しい。S氏も何となく顔がほころぶ。

 

8月14日(木)

シェンダゴンパゴダ

翌朝は何となく頭が重い。特に酒を飲んだわけでもないのにどうしたことだろうか。S氏も何となく腰が痛いという。どうしたことだろうか。これはお祈りでも行かねばと、ヤンゴン最大の寺院シェンダゴンパゴダを目指す。ここに来るも10年ぶりか。雰囲気は特に昔と変わらない。

 

エレベーターもあるが、敢えて参道の階段を上がる。ここで花を買う。いつもの行事だ。基本的に右側通行なので、右側の店の売り子が一生懸命売り込む。反対側は静かだ。TTMは敢えて、いやいつも、その反対側の店へ行く。これは人間の心理だろうか。そこでゆっくり花を買う。この風景がいい。

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パゴダは更に大きくなっているように見えた。以前は軍事政権を讃える展示しかなかった展示室も普通のパゴダの歴史になっていた。これが民政への移行ということだろうか。祈りを捧げる人々に大きな変化はなかった。ショッピングモールにはミニスカートで行く若い子も、ここへ来るとなればロンジーを穿かない訳にはいかない。一部にはジーンズ姿も見られ、将来への懸念はあったが。

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自分の生まれた曜日の場所で祈り、金箔を買って、自分や家族の治したい場所を探して仏像に張る。写真屋もいたが、今は商売あがったり。皆携帯で写真を撮る。聞けばこのパゴダにはWIFIも完備しているらしい。祈りの姿に変わりはなくても、社会は変わっているようだ。

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ボージョーマーケットに寄る。昨日のチン州の織物を取りに行く。さすがにここは外国人ではなくTTMに交渉を任せて我々は外で待つ。サンダルが目に入る。私はミャンマーサンダルが欲しかったが、結構高いので、ビーチサンダルを買う。何故かミャンマーで買ったサンダルは壊れにくい。

 

服屋では、ミシンを使い、縫子が懸命に服を縫い上げている。このような光景は勿論日本では見られないが、いまだミャンマーでは、このような産業がある。安価で豊富な労働力とは、このような縫子を指すのだろうと、勝手に納得する。

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