神の島久高を再訪して(5)那覇 ブクブク茶を飲んでみたが

5月19日(月)

安里市場

翌日はゆっくり起きる。新恵荘では朝早く起きる人はいないので、実にゆったりとした朝を迎える。今日は先輩のNHさんに誘われて、安里市場へ出掛ける。ゆいレールの安里駅で待ち合わせ。実は宿からそんなに遠くないので、歩いて行ってみる。雨が降りそうだが、降らない、そんな天気で暑くなくてよい。

 

待ち合わせ場所には久高合宿で一緒だったKさんもやってきた。沖縄が初めてのようで、合宿後も残って観光しているという。3人で安里市場へ向かう。だが・・、午前中の市場に人影はなかった。閉まっている店も多い。飲み屋系は夕方から店開きらしい。昨日会ったミャンマー人会のチョチョカイさんの店、ロイヤルミャンマーも月曜日定休で閉まっていた。

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この市場は観光者用というより、地元の人が来る場所のようだ。普通の野菜を売っていたり、普通の食堂があったりする。そんな中で足を止めたのが、シーサーの置物を作っているおじさんのところだった。Kさんは昨日からシーサーの置物を探していたらしいが、しっくりくるものがなく、ここで初めてお目当てを見つけた。何だか淡々とした空気が流れる。商売というより、趣味の延長で作っているようで、何とも面白い。反対側には短歌というか、詩というか、が書かれた板が沢山立てかけられている。実に不思議な風景だ。

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牧志

それから牧志の公設市場の方へ向かった。やはり観光客向けの方が色々と選択肢がある。ただそこへ行く途中で、ちょっと目に入ったのが、中華ビュッフェ600円の文字。何だか安い、ということでその食堂へ入る。確かにカウンターに料理が並んでいて皿を取り、おかずを勝手に選ぶ。ご飯とスープも勝手に取る。

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地元のオジサンたちがご飯を食べていた。基本的に常連が来るところらしい。ちょっと奥へ行くと店のおばさんがお客のおばさんと会話していたが、それは何と台湾語だった。しかもお客は台湾ドルで支払っていた。面白い。店の主人は弟さんで彼は台湾語も中国語も出来ない、という。お姉さんは話せた。この姉弟、どんな環境で育ったのだろうか?とても興味深かったが、初対面で突っ込んで聞くのもどうかと。いやあ、海外だと聞けるのに日本だと思うと聞けない。沖縄は日本ではない、と思ってみても、どうもうまくいかない。

 

首里城に行くというKさんと別れ、NHさんと公設市場を目指す。途中で『水上店舗』と書かれた場所があり、ちょっと覗いてみる。2階に上がると、小さな店舗や倉庫が並ぶ。ここは昔、魚などの倉庫だったようだ。この建物の脇(下?)には水が流れていたらしい。何だか不思議だが、今やその様子は分からない。

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公設市場には観光客がいて、海鮮などがふんだんに売られていた。2階には食堂街もあり、そこで調理もしてもらえるらしい。食堂街は賑わっており、席はお客で埋まっていた。その分、何となく沖縄っぽい雰囲気は消えていた。まあそんなものだろう。

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その後NHさんもと別れて、カバンを買いに行く。実は今回北京で買った安物バックのひもが切れてしまった。出来るだけ安い物を買ってきた私であるが、店のご主人に『出来るだけ安くて、ひもが切れない、そして出来るだけ沢山入るもの』をお願いしたところ、『お客さん、沢山物を入れて切れないバッグなんかないよ、それにもし壊れにくい物を探すならそれなりのお金を払わなければダメだよ』と言われ、妙に納得。結局それほど入らない、見栄えは良い、そしてそれなりの値段のするバッグを購入した。それは当然の選択だった、と今は思っている。ありがとう、おじさん。

 

ブクブク茶

それから壺屋やちむん通りへ歩いて行く。ここは陶器で有名な通りらしい。観光客が買い物に訪れる場所。私は昨年お世話になったIさんと待ち合わせ。博物館があったが、今日は月曜日でお休み。少し曲がりくねった道をそろそろと歩く。焼き物が欲しい人には面白い場所かもしれない。

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私が目指したのは喫茶店。道から少しそれて登ると、立派な昔風の家が並んでいた。その1つが店になっており、雰囲気はとても良い。ただ店内の写真を撮ることが禁止されており、とても不思議。沖縄の緩い空間はそこにはない。折角のいい感じなのに残念。

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ここに来た理由は『ぶくぶく茶』を飲むため。沖縄にある伝統的なお茶だが、最近は飲めるところが殆どないらしい。昨年富山のバタバタ茶を訪ねて以来、興味を持っていたのでIさんに頼んで予約してもらった。ただ実際出てきたお茶は、想像とはだいぶ違っており、ただ緑茶を泡立てているだけ、といった様相で、特に面白味はない。お茶の歴史を店の人に聞いても知らないという。何故だろうか?少なくとも一度飲んだ人は二度飲む気は起こらないかもしれない。お菓子が付いて800円はいかにも高い。その価値を理解させる努力がない。

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Iさんと1年ぶりに再会。独立して自分の会社を作った彼女は事業を着々と進めているようで、頼もしい。中国関連の仕事も今年はだいぶんやり易いようだ。昨年に比べて元気だし、忙しいそうだった。1時間半ぐらい話をしていると、店の人が『この後に団体の予約があるので』と言って追い出された。全く沖縄っぽくない、とんでもない喫茶店でお茶を飲んだものだ。

 

夜は琉球舞踊のTさんと再会。4月から勤め始めた彼女と県庁前で合流し、沖縄料理屋へ。昼間一緒だったKさんも同行した。何だかとても美味しい料理が出てきて感激した。何となくお腹が空いていたのか、モリモリ食べた。

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沖縄の伝統芸能、サンシン奏者などの育成が話題となる。Kさんは昨晩沖縄民謡などが効けるレストランで食事したようだが、そのような場所でサンシン奏者はバイトして、何とか学費や生活費を稼いでいるようだ。伝統芸能を守ること、それは言うほどやさしいことではない。

 

食後、Kさんと国際通りを歩き、塩アイスを食べる。Kさんが居なければ恐らくは手を出さなかっただろうが、意外とおいしい。観光客気分に浸る。私の旅が如何に観光からかけ離れているかが分かる。

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