記念館を後にして、ランチを探すことにした。ふらふら歩いていると、何故か一本の横道に入ってしまった。そこにはなんと9年前に気に入って2度も行ってしまったとんかつ居酒屋があって、心底驚いた。これは完全に惹きがあったということだろう。今から東京へ帰るのにとんかつもどうかと思ったが、これもご縁と入る。するとそこには9年前と同じようにシンさんが座っていた!
コロナ禍で大変だったようだが、何とか乗り切り、今は夜の居酒屋にもお客が戻っているらしい。取り敢えずつくし定食を頼んだところ、何とカツが2枚とエビフライが付いている。昔は食えたこの定食、今やいくら何でも多過ぎだよ!値段もほぼ変わらずとは、どうなんだろうか。驚きの連続攻撃を浴びる。
中に入るとテレビでは見たことがある青瓦台の建物が見えた。建物内に入ると立派なロビーがあり、階段で2階へ上がる。歴代大統領(大統領夫人も)の肖像画、執務室など見学する。ここで大統領が北朝鮮問題などで重大な決断をしたのだろうか。公邸の方は木造建築。庭がきれい。周囲のサクラも美しい。
景福宮のすぐ前に国立歴史博物館もあるというので、ちょっと寄ってみた。結構立派な建物だったが、コンテンポラリーヒストリーミュージアムと書かれており、何となく現代アートのような感じだった。景福宮とここの間では大規模工事が行われているが、何が作られるのだろうか。
そこから懐かしの道を歩く。もう30年も前になるが、毎年4回ソウル出張があり、この辺は良く歩いていた。勿論相当キレイになっており、雰囲気も変わっている。定宿だったホテルはかなりきれいな4星ホテルに昇格している。李瞬臣や世宗大王の座像から遠くの山を眺める景色は相変わらずかな。
結局ソウル駅まで楽しくお散歩。預けていた荷物も無事に取り出す。そこから金浦空港まではエアポート鉄道で行く。インチョンまでの速い電車には乗れず、各駅停車でゆっくり進む。料金は僅か150円と安い。時間的にも30分は掛らない。何とも便利な空港だ。羽田よりずっと良い。
空港に着いたが、殆ど人がいない。羽田などと比べてもフライト数が少ない。そして私が久しぶりに乗る日系空港会社のカウンターは2時間半前からしか開かない。しかもWebチェックインし、預け荷物が無くてもここに寄らなければならないという。航空券を貰い、荷物検査、出国審査は実に簡単に終わってしまった。あの羽田空港の大混雑は一体何なのだろうか?
だいぶん待ってようやく機内へ。日系だからサービスは良いだろうと思っていたが、機内食を下げる際、何と私の膝に食べかけの物が付いた蓋が落ちてきた。CAは全く気付かぬふりで通り過ぎてしまう。さすがに『何か拭くものありませんか?』と声を掛けたが、それでも申し訳ない、の一言すらない。床には若干残飯が散らばっていたが、それすら拾わなかったので驚いた。正直食事の質も落ちており、これならアシアナに乗るべきだったと後悔したが後の祭り。これで高い料金を取れるのだからすごい。
羽田には早めに到着。前回バンコクから帰国した際のドタバタを思い出したが、今回は預け荷物すらないので、あっという間に入国し、外へ出て電車に悠々と乗って帰った。短い海外旅だったが、それでも意外と疲れたのは歳のせいだろうか。