アジア一の先進国 シンガポールを旅する2013(4)食事は美味い

3月4日(月)  ミャンマーを目指す

翌朝も快晴。散歩日和だった。またまたラッフルズプレースで予定があり、歩いて行く。もう何年も使っているような慣れた道だ。以前シンガポールの象徴と言えば、マーライオン。今回時間があったので行って見た。相変わらず観光客は多く、日本の高校生が修学旅行で来ていた。

マーライオンを見たのは10数年ぶりだったと思うが、以前より吐き出す水に勢いが感じられた。これは経済の勢いなのだろうか。向こう側にはマリーナベイサンズも見える。ライオンはマリーナベイに向かって何かを語っているようにも見えた。

そして10数年来のお知り合い、Oさんを訪ねた。彼は上海の不動産業で成功しており、ここ数年はコンタクトしていなかったが、私が会社を辞めた頃、彼も拠点を何故かシンガポールに移したことを知り、興味を持っていた。上海では大きなオフィスの社長席に座っていたのだが、今回訪ねてみると狭いレンタルオフィスにアシスタントと2人、こじんまり仕事をしていた。

「シンガポールの家賃は物凄く高い」が第一声だった。「でも家族の生活などを考えると上海より環境は遥かに良い」とも言う。そして事業の狙いは「シンガポールからアジアを見渡して、次の潜在市場を発掘する」ことらしい。そしてその狙いはどうやらミャンマーに付けられている。「今のミャンマーでは不動産開発は難しいが、今から準備して5年後はあるんじゃないか」ということらしい。先ずは日本人駐在員向けの賃貸の仲介から入り、徐々にマーケットに慣れ、人脈を作り、そして大きな事業に繋げる予定とか。

これまでマレーシアやインドネシアなどアジア各国を回り、不動産を見て来たOさんが言うと根拠が無くてもかなりの説得力がある。やはりシンガポールからアジアを見る、そしてそこからチャンスを見付ける、そんなスタイルが求められているような気がした。

お昼は歩いて河沿いへ。ボッキーと呼ばれるエリア。10年前に来たことがあったが、見違えるほどきれいになっていた。そこで風に吹かれながらメキシカンを食べる。これまたシンガポール風か。

TWGで聞く

実は朝、昨日気になっていたTWGのことが知りたくて、本社を訪ねて行ってみた。私の突撃スタイルだ。ホテルから歩いて30分ぐらい掛かったが、良い散歩だった。しかしHPに記載された住所の場所に行ってみたが、そこは空だった。どうやら移転したようだ。仕方なく電話を入れてみる。すると何と社員に日本人がいることが判明。事情を話すと親切にも広報担当者とのアポをセットしてくれた。

そして午後、再びマリーナベイサンズのお店に向かい、そこでお話を聞いた。その要旨は既に書いているので以下を参照してほしい。兎に角面白い話を聞き、良い経験が出来た。お店には日本人観光客が何人も来て、お土産にお茶を買っていたのがとても印象的だった。

フードコート

夜は先日会ったMさんとフードコートへ行く。ここが一番落ち着くのは何故?インドカレーとチキン、麺など、安くて美味い物が並んでいる。地価の高いシンガポールで、このようなフードコートがあちこちに作られているのも、政府の政策だろう。地元民も観光客も利用できて、合理的だ。

Mさんはシンガポールで先生をしているが、今般転身を図るらしい。ちょうど送別会シーズンの忙しい所を付き合ってもらった。海外で学校の先生をやる。日本の先生にとっては良い経験だし、必要なことだろう。敢えて言えば、現地の学校の教え方なども知る機会があると良いのだが。それでも日本では文部科学省のルールの下、やりたいことは何も出来なのだろうか。

遅くまで話し込んでからホテルへ戻る。戻る途中、またお腹がすく。するとまたホテル近くのフードコートに寄ってしまう。また麺を食べる。立派なレストランがいっぱいあるシンガポールだが、フードコートの梯子、それが私には合っている。居心地が良い。

 

3月5日  変貌するチャイナタウン

夜も時々チャイナタウンを散策したが、ライトアップされ、きれいという以外にあまり見るべきものはない。ただ気になっていたのが、チャイナタウンの真ん中にヒンズー寺院とイスラム寺院があることだ。

チャイナタウンのある場所は元はインド人街だったということで、スリマリアマン寺院がある。入り口の上には鮮やかな神々の像が祭られており、道行く人の目を惹く。中も思ったより広く、観光客も多いが、地元の参拝客が絶えない。中華系でヒンズー教徒はいなはずだが・・・。夜のライトアップは一段と幻想的だ。

ジャマエモスクは非常に質素な作りで、イスラム的な清潔感があった。入り口で日本語のパンフレットを渡されたのには驚いた。1830年頃の建築だとか。先程のヒンズー寺院もほぼ同時期。その頃この地区に何か変化がったのだろう。

それにしても、チャイナタウンにはお茶屋が見付からない。ようやく訪ねた1軒でシンガポールのお茶の歴史を聞こうとしたが、「そんなこと聞いてどうするんだ、早く買って帰れ」と言わんばかりの対応で何も得られなかった。まあ仕方がないか。

テーマパーク化したチャイナタウンを歩いて見ても、今一つ面白いことは無く、また得られる物も無かった。シンガポールで気が付くこと、それは虫も蚊さえも全くいないこと。ペストコントロールが徹底しているとのことで、一見クリーンだが、人の温もりが感じられず、更には中華系の混沌さがないことに、一抹の寂しさを覚えた。

乗り遅れそうになる

チャイナタウンのホテルをチェックアウトして、空港へ向かう。また電車に乗る。今回の滞在ではシンガポールをかなり歩いたため、到着時に買った電車カードに残高が残っていた。時間に余裕を持ち、チャイナタウン駅ではなく隣駅まで歩き、乗り替えを1つ減らしてみる。

慣れたせいかスムーズに進む。空港近くで乗り換えたところ、周囲に公共住宅が見えた。建物に番号が付いているので分かる。隣には民間の高級住宅が。ここの家賃、いくらするんだろうか、これがシンガポールの活力の源泉なのだろうと、一人納得する。

空港ではチェックインもスムーズ。人はあまりいない。ラウンジを使わせてもらったので、まったりと休み、PCに向かって作業をした。ちょっと夢中になっている間に、周囲に人がいないことに気が付く。係りに聞くと既に私の乗る便の搭乗はとっくに始まっているという。慌てた。

小走りに搭乗口へ向かうが相変わらずチャンギは広い。しかも搭乗前にもう一度セキュリティーチェックがある。荷物が引っ掛かり、バックを開けろという。搭乗口には既に人影はない。慌ててしまいバックがなかなか開かない。係員が「そんなに慌てなくても大丈夫。SQはあなたをいつでも待っていますよ」と言われ、ハッとする。そうだ、ここは中国ではないんだ、アジア一の先進国、シンガポール何だ。私が搭乗するとドアは静かに閉まった。何だかちょっとした高揚感と安堵感、そして・・・。          



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