アジア一の先進国 シンガポールを旅する2013(1)サービスは良いがコストは高い

《アジア一の先進国 シンガポールを旅する》 2013年3月1日-5日

シンガポール、もう10年以上行っていなかった。かつては何度も行き、そして何故か良い思い出しかない場所。だが最近は茶旅が中心になり、足が遠のいた。近年のシンガポールの発展は目を見張るものがある。今やアジア一の国家とも言える。カジノも出来たらしい。一度見てみたいと思うようになった。

3月1日(金)  1.シンガポールまで    SQはやはりすごい

今回は香港から向かった。LCCのタイガーエアーが安いと聞いていたが、1週間前の予約となったせいか、思ったより高かった。そしてアジア一のエアラインであるシンガポール航空(SQ)を見るとタイガーと僅か日本円で5000円しか違わない。久しぶりに乗ってみようという気になり、チケットを買った。LCCの参入でレガシ―の料金も安くなったものだ。それに合わせてサービスも落ちただろうか。サービスは世界一とも言われたSQ、そのサービスの質は健在だった。今回の旅はそれを思い出させてくれた。

機内で前列の外国人男性がシートを倒してきた。飲み物のサービスが始まったので「シートを戻すよう」にCAに依頼したが、その男は了承しなかった。するとCAは「食事の時以外はシートを戻させる権利はない」と告げた。まあ、仕方ないかと思っているとチーフパーサーがやって来て同じ説明をしようとした。説明を何度受けても変わりはないので、その説明をもう要らないと言った瞬間、彼女らの対応が始まった。

先ず男と私の席にシールを張ったようだ。続いて男と私にだけ食事を早く出し、男のシートを戻させた。それから他の人の食事が終わるまで、ずっと食器を回収せずに、シートを倒すのを防いでいた。最大限の対応を素早く試みたのだ。更にはその後もCAが代わる代わるやって来て、なにくれとなく声を掛け、サービスしていく。こんな対応、他のエアラインでもできるのだろうか。少なくともJAL、ANAは客同士の揉め事として介入しないような気がする。笑顔だけではない、SQはやはりスーパーエアラインだった。

チャンギの空港は以前よりサービスが落ちた、いや、セキュリティーが厳しくなったようで、少しスピードが落ちていた。昔は笑顔で応対していた入国管理官に笑顔は無く、厳しい眼差しを向ける者もいて、ちょっと驚いた。

空港から市内まで電車

10年ぶりのチャンギは、ターミナルが3つもあった(第4は使用していなかった)。そして空港から市内まで電車で繋がっていた。これらは皆、もう数年前に出来ていたが、私は知らなかった。インフォメーションセンターで行き方を聞き、タクシーやバスを勧められたが初めて電車に乗ろうと思った。

今日の目的地、チャイナタウンまでは2回の乗り換えがあったが、料金は安かった。約1時間で到着した。車内には空港からの電車ということもあったが、実に多国籍の人々が乗っていた。アラブ系、マレー系、欧米系、勿論中華系も。中華系のカップル、男は福建語で話し掛け、女は普通話で答えている。何とも不思議な言語行動だが、これがシンガポールだと、久しぶりに思い出した。工事現場の表示も4つの言葉で書かれていた。電車は満員。シンガポールの広がりが感じられた。

それにしても電車だと2S$(約150円)だが、空港のシャトルバスだと9S$、普通のタクシーだといくらかかるのだろうか。シンガポールの物価は10年の間に相当高くなってきている。それでも交通費は東京よりかなり安いのだが。

因みに恒例の空港で携帯のシムカードを買ったが、50S$ もした。これはイスタンブールより高く、アジアのどこよりも高い(日本はシムが買えないので除外)。電車のカードは10S$で購入して重宝した。

2.シンガポール   ホテルは狭い

チャイナタウンに到着したが、ここも10年で変貌していた。どう見てもこんなにきれいではなかった。元々猥雑感の無かったシンガポールのチャイナタウン、完全にテーマパーク化してしまったようだ。

ホテルは恐ろしく高かった。日本円で4000円程度ではドミトリーのベッド一つ確保するのがやっとだった。ネットで毎日検討したが、料金も目まぐるしく動くホテルがいくつかあった。やはり料金と宿泊率、不動産が高いとこうなるようだ。香港と肩を並べる高さだ。

私が最終的に選んだホテルはチャイナタウンにある小さなブティックホテル。元々京劇の劇場だったようで、その舞台がロビーになっている。何となくおしゃれなライトアップもあり、好ましい。だが、ホテルの部屋はあまりにも狭かった。日本のビジネスホテルでもここまで狭い所はないと思う。ベッドの横の通路が狭すぎて、椅子が使えない。PCは壁に僅かにある場所に載せ、ベッドに座って打つしかないのだ。

トイレもすごい。便座に座ると、膝は壁にぶつかり、立ち上がれない。勿論シャワーはほぼ真上から湯が落ちてくる状況。香港のアマ部屋でもここまで狭くはないだろう。これで日本円6000円を超えている。チャイナタウンでこの状況だから、市の中心部ではどうなってしまうのだろうか。

6年ぶりの再会

20年前香港で同じ業界で働き、10年前にもまた香港で同じ時期に働いたYさんは、ここ5年間シンガポールにいた。一度会いたいと思っていたが、とうとうそのチャンスが来た。今日の夜だけ空いているという。オフィスの場所はタンジョンパガー。それはどこにあるんだ?そういえばさっき乗った地下鉄の駅にその名前があった。調べるとチャイナタウンから一駅乗ってオートラムパークで乗り換え、また一駅。近いと言えば近いが面倒だ、と思って地図を眺めると、何のことはない、歩いて15分ぐらいで着くことが分かった。それは歩いた方が早い。

シンガポールの道は本当にきれいだ。そして夕方は涼しい風が吹く。いい気持ちで散歩する。先ずは両替に行く。チャイナタウン駅近くのショッピングモールが良いというので出掛けると、何故か沢山の人が列をなしている。観光客もいるが、地元の人も並んでいる。何でだろうか、不思議だ。

タンジュンパガーまでの道、レトロな建物が見える。何となくいい雰囲気だ。その後はビルが立ち並び、あっと言う間に到着した。こんな駅、昔あっただろうか、と思いほど、高層オフィスビルが建っていた。

Yさんは「シンガポールはクリーンで便利。仕事の環境としても悪くない」と言ってはいたが、何となく疲れていた。偶々体調が悪かったということだけではなく、シンガポールに5年もいれば、それは疲れるだろうと思う。気候的に暑いだけでなく、この人工的な国に居れば、閉塞感もあるのではないだろうか。勿論仕事のプレッシャーもあるだろう。地位が高ければ自分の思うようなスケジュール管理もできないだろうか。サラリーマンは大変だな、と今更ながら思う。

ビルの地下でスープとパンの夕食を取る。これは私にとっても有難い選択。胃に易しい。昔話や家族の話などに花を咲かせて、リラックスして楽しかった。そして彼はまた仕事に戻って行った。




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