KL散歩2011(3)KL不動産事情

(3) KL不動産事情

ホテルまで30RMで戻り、部屋でシャワーを浴び、そして慌ただしく階下へ。2時に約束があった。優雅なKLライフ、どころではなく、東京より忙しい。こんなスケジュールを立てたら、いかん、ディープを見習い、心穏やかな生活をしなければ。

1階ロビーで待っているとEさんはやって来た。彼女は私の昔の知り合いOさんの部下。現在は上海を本拠にKLは出張ベースで来ている。職種は不動産業。Oさんが昨年出した本に、これからはマレーシア不動産投資がお勧め、と書かれていたのを思い出し、案内してもらうことにしたのだ。

最近は日本から小金のある投資家が次々に訪れ、物件を購入しているという。先週も9人が来訪。契約を済ませたらしい。一体どんな物件を買っているのか。現場へ向かう、車はベンツだ、さすが。

1軒目はKL市内中心部の高層マンション。既に日本人も多く購入、入居している。部屋の眺望はよい。東京のマンションよりゆったりと広く、値段は安い。お買い得かも。階下にはプール、ジムが付いており、優雅なKLライフが送れそうだ。

2軒目と3軒目はモデルルームへ。基本的にEさん達が進めている物件はディベロッパーがしっかりしている開発案件。完工後も利回り保証が付くなど、面白い仕組みになっていた。ただ私のような無職の物には銀行融資が付かないので、うーん。兎に角今回見た3物件は住むための物ではなく、金融投資として考えるもの。日本円が高く、国内金利がほぼゼロなら、年率6%で回ると言われれば、考えてみたくもなる。日本人の資産はどんどん海外に流出していく。

因みに大陸中国人の投資はあまり見られず、香港、シンガポールからの投資が多いようだ。大陸では金融投資で6%と言われても、ピンとこないだろう。ついこの間まで20-30%の利回りが不動産の常識であったのだから。

帰り道、夕方のラッシュに捕まり、車は中心部で動かなくなる。KLも車の増加が著しい。

(4) KL旅行業事情

途中で車を降り、次の約束へ向かう。マレーシアと言えば、どうしても旅行を思い出す私としては、旅行の状況を聞いておきたかった。これまたご紹介を頂いたYさんを訪ねる。Yさん、旅行業界は長いが、KLは駐在約1年。

日本人のマレーシアへの観光客は横ばいだという。ただエアアジアの進出によりこの状況が徐々に変わることが期待されている。また日本の高校生の修学旅行が増加しているのが面白い。海外で、英語が通じ、交通・治安が安定している国として、注目されている。現地高校生との交流会なども、開き易い環境。

旅行業としては、マレーシアの駐在員の増加が大きい。製造業・金融業・建築業などが近年マレーシアでの事業を拡大している。経済が順調に伸びているし、チャイナ+ワンの効果もある。駐在員が来れば、家族呼び寄せから観光旅行まで需要が生じる。特に最近はKL在住者のマレーシア国内旅行が伸びている。日帰りのマラッカ、特に鉄道で行くマラッカなどは伸びているそうだ。

最近マレー人の訪日観光にも大きな期待がかかっており、少しずつ増えて来ていたが、今年は震災の影響もあり、止まってしまった。マレーシアはアジアと言うだけではなく、イスラムと言う切り口もあり、重要な拠点であるが、残念ながら日本の旅行業界は対応しきれていないという。

最後にロングステイヤー。駐在員とともに増加傾向にあり、KLに住むロングステイヤーは比較的資金的な余裕があり、旅行などに使うお金も多い。ここに注目すると同時に、新たなステイヤーを捕まえ、その友人たちの旅行を請け負い、幅を広げていくことは重要。

何だかんだで、8時過ぎまでお話を聞く。それから一駅半ほどを歩いて帰る。KLの繁華街、ネオンもきれい。パビリオンと言う名前の巨大モールが目を惹く。東京なら銀座三越、といった感じ。

夕飯はホテル前の小さな中華食堂で。どうしても華やかな繁華街で食べる気になれず、戻ってきてしまった。この食堂はおかずが沢山並んでおり、好きな物を取ってもらい、ご飯とスープを付けて、奥で食べるスタイル。何となく、台湾の自助餐に似ている。中華系らしく、神様も祭られており、皆北京語が通じる。客は9時を過ぎてもひっきりなしに入ってくる。大陸からの観光客もいる。そうか、今は国慶節の7連休、観光客は多いはずだ。

 

10月6日(木)  (5) ミッドバレーまで行く

翌朝はホテルで朝食。2階のレストランは結構立派。食事もまあまあで納得。横には屋外プールもあり、雰囲気も悪くない。これで1泊6,000円は安い。などと思って部屋に戻るとネットが繋がらない。慌ててフロントに電話するが、「そんなはずはない」とすげない答え。再度トライするもダメ。フロントへ行き事情を話すと「今ダウンしている」という。この辺のソフトは??何とか30分で繋がり、メールチェックを終え、チェックアウト。

荷物を持って、駅へ。ここからKL駅まで電車で行って見ることに。KLでは電車は下層階級の乗り物だ、と言われ、日本人の駐在員などは決して乗らないとも聞いた。実際乗ってみるとそんなこともないが、学生なども多く、ビジネスマンなどお金がありそうな人はいない。

地下鉄と異なり、上を通ることから、KLの再開発の状況などが見られて面白かった。料金は勿論安い。ただコミューターと呼ばれる線はKL駅と直接つながっておらず、少し歩いた。

駅ではまずコインロッカーを借り、荷物を放り込む。これは意外と高い。15RMもしたから、空港まで行くバスの2倍だ。観光客向けということだろうか。 それでも当初20RMの所を使おうとすると、係のおじさんが親切にも、安い方を教えてくれた。

そして鉄道に乗り、ミッドバレーへ。ここは9年前にはなかった気がする。チケットは1RM。これを自動販売機で買ったつもりが、チケットは取り忘れ、領収証だけ受け取ってしまった。自動改札が通れずに気が付く。何だかややこしい。窓口で事情を話し、ハンコを貰って何とか通過。

ミッドバレーはKL駅から僅か1駅、とタカを括っていたら、地下鉄などではなく、在来線に乗ることになり、電車がなかなか来なかった。来た電車は大変混んでいて乗れないかと思うほど。乗ったら直ぐに着いてしまったが。そういえば、この電車にも女性専用車両が付いていた。イスラム世界では男女ははっきり分けられている。日本も朝夕などと面倒なことを言わずに、女性車両を増やせばいいと思う。



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