ボルネオ探検記2019(12)KKの暇つぶし

遅い夕飯を探しに出る。1軒、とても繁盛している店があったので入ってみる。そこはインド系の店であり、ローティーと鶏肉煮つけを食べることにした。味は悪くないが、何しろあのサンダカンの食堂を思い出してしまうと、どうにも味気ない感じがするが、どうすることも出来ない。夜は重ね着して、震えながら?寝る。

 

2月27日(水)
KKの暇つぶし

翌朝はゆっくり起きた。外気温が上昇すると部屋の寒さは気にならなくなる。ホテルに付いている朝食をこれまたゆっくりと食べる。今日の深夜便で東京へ向かうので、食事を含めた時間配分、バランスが重要となる。午後1時のチェックアウトまではゆっくりと部屋で英気を養う。

 

午後1時の日差しは強い。昼ご飯を探して歩いてみると、これまで見なかった大型海鮮レストランなどが目に入ってくる。一人旅の欠点は、海鮮などを食べることが出来ないことだろう。最後の食事もやはり市場脇の海南チキンライスだった。ここのチキンは大きく、かなりいい味出していた。

 

実は昨晩、ホテルに戻った時、何気なくツアーデスクに立ち寄った。明日の午後、いかに暇をつぶすかの参考にしようと聞いてみたところ、何と『午後2時出発で午後10時に戻るツアー』があるというのだ。このプランは時間的に私にとって最適。ほぼ何も考えずに申し込んでしまった。しかしよく考えれば190MRのツアー料金は決して安くはない。暇つぶしなら、マッサージなどの方が安上がりだったかもしれないと若干後悔したがもう遅い。

 

午後2時前にホテルに戻ると、ツアーガイドが私を見つけてミニバンに送り込んだ。既にマレー人のおばさんが一人で乗り込んでいた。それから韓国人の若者を拾い、最後に郊外のホテルからドイツ人一家を連れだした。そのまま車はひた走り、1時間後にトイレ休憩を入れて、約2時間で目的地に到着した。

 

そこは地図で見ると、すでにブルネイ国境に近いようだ。なんでこんな所まで来てしまったのかと考えても仕方がない。まずは川辺の家で、ティータイムが始まる。ここで出された菓子や麺は、意外なほどうまく、子供たちも喜んでいた。少し日が傾いた川を眺めていると、小型ボートがやってくる。

 

ボートには我々の他、中国人の団体が乗り込んできて満員となる。ボートは川沿いに少し行き、いきなり停まると2人のガイドが何かを指さしている。英語と中国語、どちらも猿と言っているのでよく見ると、木の上に猿が何匹もあり、自由気ままに遊んでいる。そこで初めてこのツアーが猿を見るためのものだったと知り、ちょっと愕然とした。しかしボートは数か所に停まり、その都度猿を眺め、写真を撮る。最後に夕日を写真に収めて終了。

ボートは先ほどの家に戻る。そこには夕飯が用意されている。我々3人は黙々とそれを食べた。ドイツ人の子供たちも食べられそうなものを頬張っている。そして頃合いを見計らってガイドが合図し、またボートに乗る。中国人も乗せ、先ほど猿のいた場所へ戻っていく。

 

そこでは息を飲んだ。無数のホタルが木々にまとわりつき、光を放っている。ガイドは365日のクリスマスツリーと表現しているが、確かに見事なイルミネーションだった。台湾などでもホタルを見たことはあるが、時期が限られている。ところがここでは雨さえ降らなければ毎日このような光景が見られるというから驚きだ。ライトは全て落としていることから、写真を撮っても何も写らない。見上げると夜空の星も負けじと輝いている。

 

そんな光景を20分ほど眺めてから、ボートは戻り、我々は暗い桟橋を落ちないように歩き、ミニバンに乗り込んだ。猿を見て、ホタルを見るだけのツアーだったが、何となく面白かった。また2時間かけて、KKに引き返す。ガイドは途中で降りて帰宅する。ちょうど午後10時前、ホテルシャングリラに戻って来た。完璧な暇つぶしだった。

 

ホテルで荷物を引き取り、トイレに行って、着替えをした。暑いKKから真冬の東京へ戻るのだから、それなりの装備は必要だ。タクシーで空港に到着すると、深夜便は何本もあり、意外なほどに乗客がいた。出国審査などは早めに済ませて、座って待っていようと思ったが、どこも満員で、かなり端の方に席を見つける。

 

それから搭乗時間までPCをいじっていた。搭乗の合図が出たのでゲートへ行くとなぜか大行列が出来ている。仕方なく列の後ろに並んでいると、日本人が割り込んで前に進んでいくではないか。何と礼儀の無い日本人かと思っていたら、何と私が並んでいたのは上海行であり、東京行きの搭乗は既に終わっていた?らしい。ミリ空港だけではなく、KKの、それも国際線でも、こんな混乱を起こしているとは正直信じられない。

 

機内は半分ちょっとの乗客でゆったり。機体は新しくて快適。既に深夜1時、日本時間3時なのに、夕飯が出る。それを少し食べて目をつぶると、離陸体制に入っている。僅か5時間で成田に到着する。行きのKL行きの8時間、遠かったな。今回の旅はちょっと冒険があり、何とも楽しいものだった。

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