ボルネオ探検記2019(11)ミリで

ミリ散策

もう昼を過ぎていた。腹が減っていたので外へ出る。さっきから感じているのは、ブルネイにはなかった漢字の看板の波。なぜか漢字の看板を見るとテンションが上がり、ホッとする自分がいる。不思議なことに、カフェと書かれた店の中に幾つもの屋台が出ている場所があった。1つずつ見ていくと突き抜ける。裏には野外の席が沢山あり、オーダーしてそこで食べる方式らしい。一番手前の海南チキンの店から取り寄せたが、ものすごく丁寧に英語で対応してくれた。味もよく、値段もブルネイを考えれば安くて、感激する。皆が楽しそうにランチを食べていた。

 

そのまま歩いていると、海沿いに出た。ミリのウオーターフロントと書かれている。大きなホテルも建てられており、意外と近代的だった。ミリの街は思っていたより大きく、歩いていてもなかなか終わりは来ない。そして目に付くのが、コインランドリー。中にはお菓子から日用品、草花の苗まで何でも自販機で売られている、珍しいコインランドリーすらあった。それにしても洗濯好きなのか、それとも物臭なのか。

 

小さな市場が街外れにあった。午後で魚もほぼ無くなっており、店仕舞いだ。その隣にはお寺があり、この辺も華人の雰囲気が感じられる。よく見えればいくつかの建物に中華商会やら福建会館などの表示があり、ここもやはり華人中心の街のように思える。今日は曇りで歩きやすかったが、疲れたので宿で休む。

 

夕方、スーパーに飲み物を買いに行く。マレーシア、キャメロンハイランドのボーティーが沢山売られている。リプトンなどの紅茶もあるが、ここではサバティーは見られない。なぜか日本の玄米茶も売られている。スーパー全体の品ぞろえは、やはりブルネイより多いし、安い。ブルネイの人がミリに週末買い出しに来る、という話もよく分かる。

 

夕暮れ時、またウオーターフロントへ行って見る。ちょうど夕日がとっぷりと暮れようとしており、そこに航行する船が重なって美しい。日が暮れてしまうと、何だか寂しい街だ。食べようと思っていた食堂も早々に閉まっていた。仕方なく、ホテルの前の屋台街でナシゴレンをゆっくり食べる。

 

2月26日(火)
KKへ戻る

この旅も10日を過ぎて、そろそろ疲れのピークが来ている。それでも腹は減るので外へ出た。昨日の昼を食べた食堂で、内臓系の入った乾麺を注文する。結構暑いミリでこれを食べると、何ともひんやりして美味だ。これからは汁面だけではなく、乾麺も愛用しようと思う。

 

それからミリ郊外に向けて歩き出す。途中に和服女性がほほ笑む、ブルネイ航空の日本直行便就航の宣伝を見る。ミリからブルネイに入り、そこから日本へ向かうとは、何だか夢のような気分だが、よく考えてみれば、それほど遠くはないのかもしれない。更に歩いて行くと、大きな公園があり、立派な図書館が見え、官庁の建物もあった。広々とした空間で気持ちはよいが、人影は殆どない。

 

部屋で少し休んで、午後1時には荷物を預けてチェックアウト。今日は夕方の便でKKへ戻るのだが、それまでの暇つぶしをどうするか。取り敢えず昼ご飯を探すと、カヤトーストの店があり、風もよく抜け、居心地もよいので、そこにずっと居座ることにした。PCをいじりながら、時の経過を待つ。

 

午後4時にホテルに戻り、タクシーを呼んでもらって空港に向かう。ここの空港もそれほど遠くはないが、バスで行く方法もない。25MRで到着。ミリの空港も小さく、時間を潰す場所もない。今回もエアアジアに乗る。やはりマレーシアの国内線は料金、時間共に、エアアジアが一番便利になっている。サンダカンの教訓を生かして、チェックインはスムーズだった。

 

だが搭乗時の列の作り方が分かりにくく、マレー人が私に聞いてくる始末だから改善の余地は大いにある。更には搭乗アナウンスがあり、チケットチェックが終わってさあ搭乗という時になり、我々が乗る飛行機から乗客が降りてきて、こちらはそれを見ながら20分もの間、立って待っているとは。こんな空港、エアライン、見たことがない。いくら小さな空港だと言っても、こんなサービスは頂けない。

 

フライトは40分ぐらいでKKに到着した。もしブルネイからバスに乗ってKKに行くなら、飛び地を通るので何度も出入国を繰り返して、8時間ぐらいかかると聞いていたが、ミリからのフライトがこんなに近いとは。KK空港ももう3度目で慣れているが、空港バスは1分差で行ってしまい、午後8時の最終バスまで40分も待つのは面倒なのでタクシーに乗る。

 

今晩の宿はホテルシャングリラ。あのシャングリラグループより前にあった老舗ホテルらしく、郊外に立派なシャングリラリゾートが2つもあるのに、街中で堂々と営業している。ロビーでは中国人観光客が大声で話し、煩い。部屋はきれいに見えたが、何とエアコンの調節が出来ない。係員を呼んだが、『ここは古い設備でセントラルシステムだから、風の方向を変えるぐらいしかできないよ』と寂しそうに言う。

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