ボルネオ探検記2019(3)突然のサバティーガーデン

2月16日(土)
サバティーガーデンへ

翌朝は朝食を食べてチェックアウト。昨日のミニバンを目指して荷物を引き摺る。ラナウ行きは一番端にあり、そこへ行くとバンには既に数人が乗り込み待機中。私が乗るとすぐにドイツ人夫婦が乗ってきて満員になり、9時を待たずに出発。何とも幸先が良いスタートを切る。ただ車内はかなり狭く、ちょっと窮屈。20MR。

 

車はコタキナバル郊外をずっと走っていく。30分ほどで山道に掛かると、前に車が何台も重なり、山道渋滞となる。今日は週末だからキナバル山へドライブという人も多いのだろうか。運転手は慣れたもので、隙間があればこういう車を追い抜いていく。大型トラックもスイスイ抜いていく。

 

キナバル山が見えてくる。頭抜けて高い山だ。2時間弱でキナバル山公園入口に到着すると数人はここで降りる。日帰り観光を楽しむ客のようだ。更に30分ほど走ると、ラナウの街に入る。予想よりは大きな街。バンを降りると運転手が『サバティーまで60MRで行くよ』と言ってくれたが、一応断り、周囲のタクシーを探す。だが聞いてみても50MR以下にはならない。えー、ここまで20MRで来たのに、ここからすぐの場所に50MRとは。でもそれがマレーシアだと以前の旅で思い知っている。

 

トイレに入り気分を整えると、ミニバン運転手と目が合う。45MR、潮時だ。一人ミニバンに揺られていく。そこからサバティーまでは何と30分以上かかった。そして確かに本道から山道を登るのはきつく、そして長かった。案内所の忠告を聞いておいて本当によかったと思う。茶工場も通り過ぎ、そのまま宿泊施設へ向かう。

 

宿泊施設は伝統的なロングハウス(木造長屋)とロッジ。料金は2倍以上だが、快適そうなロッジを選ぶ。この辺が既にヘタレ。ロッジは客間と寝室があり、3人は泊まれる広さ。昼間、客は誰もいないが、隣の部屋の修理をする人が出入りする。ここから歩いて5分以上かけて、レストランへ向かう。途中は一面の茶畑。気分は途端に良くなってくる。

 

レストランは茶工場の横にある。茶工場は動いているようだが、外からは見えない。レストランは結構お客がいた。週末だからだろう。ここからの眺めは、キナバル山と茶畑、素晴らしい。サバティアイスミルク、昔飲んだ物よりも美味しく感じられる。場所のせいだろうか。茶葉の入ったスープは豚肉も入っていて意外だが、私には美味しい。炒飯もよくできていて驚く。

 

茶工場見学をお願いしてみたが、何と今日はもう生産終了、明日は日曜日で休日と言われショック。一応ガイドさんから、この茶園の歴史などを聞く。ここは1970年代にサバ州が開発した新しい茶園。ボルネオ島唯一の茶園でもあり、インドからアッサム種を持ち込み、紅茶作りを始めたという。以前は広大なジャングルだった。現在も紅茶の生産は順調で、生産量を伸ばしているらしい。

 

午後は茶園をぐるぐると散策する。歩いている人など一人もいない。ここの従業員は基本的にバイクで動いている。茶畑の脇には様々な花が咲いており、フルーツも沢山なっている。如何にも自然の中に迷い込んだ雰囲気がある。2時間歩いても歩ききれない。夕暮れが近づくとかなり寂しい雰囲気にもなる。

 

疲れたので、レストランへ行き、サバティーとコーヒーをミックスした飲み物をアイスで注文する。確かにコーヒーの味もして面白いが、わざわざ混ぜる必要があるのかは疑問。レストランは早く閉まるというので、そのまま夕飯も食べる。さすがに夕方は観光客もいない。私が帰る頃、宿泊客が食事にやってきた。ここの宿泊客は、この付近ではここしか食べる場所はないのだ。私は早々に引き上げ、シャワーを浴びて早寝する。

 

2月17日(日)
朝のキナバル山

翌朝は早く起きた。あたりが明るくなるとすぐに外に出て、朝のキナバル山を眺めた。レストランから見る山が、茶畑と相俟って素晴らしい。ただそれもすぐに霧に包まれてしまう。まだ朝飯には早いので、付近の散策を始めた。ところが霧のせいか、道に迷ってしまう。気が付くと、茶苗を育てている畑に到着。これも見られて嬉しい。ただ帰りの坂が急すぎて、息切れがすごい。

 

朝飯は店員に勧められて、XXフォー(名前失念)という、スープヌードルを食べる。このスープ、絶品。フォーって、あのベトナムにあるフォーの原型なのだろうか。この茶園だから当然洋風朝食と思っていたが、意外性があってよい。温かいティーがポットにカップ3杯もあり、満足。ショップでお茶を買うが、紅茶以外に手作り烏龍茶、そして何と日本から輸入している玄米茶も売っていた。

 

9時半に本道にバスが来ると聞いたので、9時にチェックアウトして荷物を引き摺りながら降りて行く。とにかく道が悪いのでスピードは出ない。荷物ケースが壊れるのではと思う程だ。何と下まで降りるに30分かかってしまう。確かにこれなら登っていくのはどれほどの時間を要するのだろうか。橋があり門番のおじさんが怪訝そうな顔で見送ってくれた。

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