ボルネオ探検記2019(2)コタキナバルを歩く

2月15日(金)
コタキナバルの街を歩く

翌朝起き上がると、強い日差しが窓の外にあった。やはりここは南国なんだ、真冬の日本とは大違いだ。ホテルに朝食が付いていたので食堂に行って見る。パンもあればお粥もある。それほど高い宿代ではないが、意外なほど充実しており、気に入ってしまった。お粥、それも白粥ではなく、広東粥があるのは、オーナーが広東系だからだろうか。

 

まずは街の様子も分からないので、歩き出す。宿からすぐのところにミニバンなどが沢山停まっており、客引きが盛んだ。私は明日サンダカンに行くつもりだったので、その情報をゲットする。どうやら大型バスは郊外のターミナルから、キナバル山へ行くならここからミニバンと言う感じだと分かる。コタキナバルがサバの中心でここから各地へ向かう。

 

その先の道路を渡ると、中国人観光客が屯しているエリアがあった。まだ旧正月の名残なのか、団体が多いようだ。ガヤストリートはいわゆる中華街。完全に中国系が観光客相手に商売している場所、大勢が朝ご飯を食べていた。この街、歩いているとやたらと漢字の看板が出てくる。本当に華人のプレゼンスが高い。なぜか華人でもない私は漢字の看板でテンションが上がる。

 

そこから海の方へ出てみる。快晴で気持ちがよい、素晴らしい景色が広がっている。海つたいに歩いて行くと本当に爽快だ。ジェッセルトンというフェリー乗り場の脇に大きなビルが建っており、中国語の簡体字でセール、と書かれている。ここに来る観光客が買うのだろうか。

 

街中に古い、いい感じの建物があった。ここが観光案内所だった。中に入り、『サバティーガーデン』への行き方を聞く。係の女性が『サンダカン行きのバスを途中で降りれば行けるけど、降りてからが大変ね。むしろラナウという街まで行ってタクシー拾った方が利口よ』というのでメモしておいた。帰りにまたミニバンが集まる場所を通ると、ちょうどラナウに行くバンがあり、明日は9時にも出るよ、と言われたので、それに乗ることにした。

 

宿に戻り、もう1泊することを告げる。すると係が嬉しそうに、『今日の夜は昨日より安いです』というので、てっきり2泊目を割引してくれたのだと思い喜んだが、後で聞いてみると、『デポジットが多く入っていたので、現金で貰う分が少なかっただけ』というので、一気にいい気分が覚めた。サンダカンから戻ったらまたここに泊まろうと思ったが辞めた。

 

ランチは近所で気になっていたブルネイ・チキンライスを食べてみる。飲み物付きで9MR は安い。どうも海南チキンが蒸し鶏なのに対して、ブルネイは焼き鶏のようだった。取り敢えず満足できる美味しさ。こういう時にコーラを飲むはなぜかフィットする。今回の旅でやはりブルネイには行こう、というモティベーションになる。

 

午後は博物館に行って見ようと思う。案内所でもらった地図で見るとそれほど遠くないのでサンダルのまま歩いて出ていく。何とも暑い日差しが頭の上から注いでくる。少し歩いてみたが、そのような建物は全く見つからない。仕方なくスマホで地図を見てびっくり。ここから3㎞以上離れたところにあるではないか。一瞬迷ったが、戻るのも嫌なので、歩いて向かうことに決定。地図があるので迷うことはないが、やはり相当に遠く、サンダルが擦れて足の皮がむけそうになる。

 

40-50分も炎天下を歩いて何とかサバ州博物館に辿り着く。入口には中国人の団体がいる。チケットを買って中に入る。ここには先住民族の歴史から始まり、イギリス時代、日本の占領を経て現在に至る過程が示されていた。先住民は何となく台湾原住民に似ており、何らかの関係性が感じられる。華人は広東系、客家系が早くに来たこと、イギリスが来て、最初はサンダカンが発展、戦後コタキナバルに中心が移っている。

 

博物館の後ろには鉄道展示場がある。コタキナバルにも100年以上前鉄道が敷かれ、今でもわずかに走っているようだ。更にイスラム博物館もあるというので探したが、何と坂を登り切って、敷地の外に出たところにあった。ここには昔のコーランなどが展示され、世界のイスラム教徒の分布図などもあったが、私の興味を惹くものはなく、早々に退散。

 

最後に先住民の住居などを再現した大きな庭を回り、見学終了。さすがに帰りも歩くのは無理。バス停を教えてもらったが、そこに辿り着く前にバスが来てしまうも、手を挙げたらちゃんと停まってくれた。1MR を運転手に払う。どこ行きかは分からなかったが、最終的に私が行きたかったショッピングモールの前に着いたから驚いた。

 

ここでの目的は両替。銀行よりここの方がレートも良くて便利だと教わっていた。最近米ドルは新札でないとレートが割り引かれる、手数料を取られる国が増えたが、マレーシアは問題ないようでホッとする。疲れたのでソフトクリームを買って食べる。疲れた体には幸せな気分。

 

夕飯はガヤストリートで、海南チキンライスと粥を食べてみたが、どちらも期待外れな味で、量も少ない。どう見ても観光客用で気に入らない。中国人はよくこんなところ食べているなと呆れてしまうが、他に行ける所もないのだろう。少し離れたショッピングモールには旧正月飾りが実に鮮やかだ。華人が普通に食べる所で食べたい。

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