名古屋・岐阜意外な旅2018(2)初めて日本で会ったOさんと

夜は何と飛騨牛の店に連れて行ってもらった。お店の雰囲気もとても良く、前菜から魚料理、そして実に柔らかい肉を堪能した。最近『我が家のご馳走とは何か』が議論となり、結局何も出てこなかったことを思えば、やはり滅多に食べられないもの、そして是非食べたい物になるだろうと得心させるお肉だった。これだけ満足したのは久しぶりだ。岐阜駅まで送ってもらい、別れた。次はいつ会えるかな。

 

名古屋
今日の宿は午後10時までにチェックインしなければならいというので、急いで名古屋にJRで戻った。9時半には宿に辿り着く。駅前の安宿。部屋は2階で荷物を持って会談で上がる、トイレは共同、シャワーは地下という構成だが、部屋は狭いが個室で、特に支障はない。まあ駅前のこの立地で3000円だというのは魅力的かな。東南アジア系の外国人がかなり泊まっているのも頷ける。

 

9月2日(日)

朝は7時前に起きて、ゆっくりと顔を洗い、部屋を出る。チェックアウトは鍵を部屋に置いて出る方式だった。既に確認済みの駅の反対側にあるバスターミナルへ向かい、8時過ぎに指定されたバスに乗る。前回は車で迎えに来てもらったので、会場に初めて一人で向かう。日曜日ということもあり、乗客は少なく、バスの本数も少ないので、かなり早めに到着してしまったが、遅刻も出来ないので仕方ない。

 

その辺をフラフラ歩いてみたが、特に何もない住宅街のようだったので、早めに会場に入り、準備する。と言っても基本的に何でもできる主催者のTさんが全てやっているので、私はただそこで予習しているだけだった。お茶の歴史、というテーマはそれほど一般受けするものではないのに、今回も沢山の方に来て頂き、誠にありがたい。

 

今回は先日の大阪の例を踏まえて、午前午後で2つのセミナーを開催した。こちらとしても2度来る手間が省け、参加者も1日で2つ聞けると双方の利害が一致しているようだ。出来ればこういう形式で、年に2度ぐらい開催できると嬉しいが、それも参加者の意向次第だ。

 

間にお昼を挟むのだが、そこは器用なTさん。ちゃんとお店でお昼を用意しており、希望者に振る舞っていて、私も台湾風料理のお相伴に預かる。それにしてもセミナーやりながら、10数人の昼ご飯まで作るとは、何とすごい人なんだTさんは。更にこのお店は移転まじかとなっており、ここに来るのは今回が最後だという。皆さんもこのお店に名残を惜しんでいる。引っ越しと新店舗の準備まで同時並行でやっているとは、もうスーパーマンというべきだろう。新店舗がどんなところか、次回に期待しよう。

 

皆さん、午後は少し眠たかったのでは、と思うほど充実したランチを食べて、また会場へ戻る。『台湾紅茶の歴史』と『台湾包種茶の歴史』を続けて話がどうだっただろうか。基本的にマニアックなトピックスだが、来ている方もマニアックな方が多かっただろうか。質問もいくつも出て、まあ取り敢えず何とか終了した。

 

実は午後のセミナーには香港で10数年お付き合いのあるOさんが参加してくれた。ちょうど昨日実家のある名古屋に香港から帰省しており、初めて日本で会った。しかも彼女の実家はこの会場から何と歩いて5分のところにあるというから、ご縁というのは凄い、としか言いようがない。

 

セミナー終了後、彼女の家にお邪魔した。実家は戦前から長年続く、表具屋さんだった。表具というと、掛け軸などを思い出すだけで知識は全くなかったが、ふすまなど様々な仕事があるとお父さんから説明を受ける。全盛期には組合加盟者も多く、繁栄していたが、昨今はふすまのある家も減り、絵画や書画の軸を新調する人も減っているようだ。

 

数少ない優良顧客はお寺だという。だがお寺の経営も少しずつ厳しくなり、本堂の修繕や軸の修理なども経費削減に遭って、その作業は減りつつある。表具の作業はかなりの忍耐が必要であり、またその熟練の技は簡単に習得できるものではないが、このような状況下、後継者は非常に少ないのが現実。

 

むしろ外国人が表具に注目しており、その習得を希望する人が日本を訪れているともいう。彼らがもしその技術を得られれば、国に帰り仕事があるというのだ。海外の博物館、美術館には多くの日本画、書画などが所蔵されているが、その修理ができる人材は極めて限られており、その需要は大きいらしい。それなら日本人人材が海外で活躍すればよいのでは、と思うのだが、そこは高齢化もあり、難しい。若者技術者がいれば、海外でいい仕事ができると思うのだが。

 

東京に帰る前に、Oさんに連れられて、ひつまぶしを食べに行った。折角実家に帰り、家族団らんするところを誠に申し訳ないが、一人で食べるのは寂しいので、何とも有り難い。これまで何度か食べたことはあるが、今日は一段と美味しく感じられる。お店も日曜日の夜でほぼ満員だ。次回は台湾ラーメンに挑戦しよう。これからも時々名古屋に来て、色々と勉強したいと思う。

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