タイ中部横断の旅2018(11)何もないスリンの街で

8月15日(水)
スリンのホテルで

翌日は移動日。今回は駅の近くに泊まっていたので、また電車を使いスリンまで移動した。もう電車の乗り方にも慣れたので、難なく移動できた。約2時間の三等車の旅、途中でお婆さんが大きな荷物を持って一人で乗り込んでくる。車掌を中心に周囲の乗客がサポートしている姿が微笑ましい。日本なら、『なんでこんな老人を一人で乗せるんだ』などというクレームが聞こえてきそうだが、タイでは個々の事情を問うのではなく、目の前の困っている人を助けるのがよい。

 

スリン駅を降りて、駅近くのホテルを探した。一応昔のいいホテル風の建物があったので、入ってみると、ロビーも広い。フロントで聞いてみると、何と490バーツ、朝食付きだというので、早々にチェックインした。ところがこの部屋、あまりきれいとは言えない。メンテナンスされていないことがよくわかり、さすがの私でもどうだろうか、と思ってしまう。

 

取り敢えず昼飯を食うので外へ出た。すぐ近くにバスターミナルがあるのも分り、その近くによさそうなホテルが見えていた。まずは麺を食べたが、この麺は本当に美味かった。スープも少しとろみがあり、絶品。これで40バーツは幸せだ。これで勢いをつけて宿に戻ったが、何とWi-Fiも繋がらない。聞けば、Wi-Fiの機械から一番遠い部屋だからだという。

 

ロビーは繋がるというのだが、話が違うので、ここを出ていくことにして交渉を開始。まずは英語のできるスタッフを探し、話をするもの決定権がない。最後はマネージャーが出てきて、二つ返事で料金を返金してくれた。どうしてこんなに落ちぶれてしまったんだろう、このホテル。それでもこんなホテルが生きていけるのは、スリンで有名な象祭りの時に破格の料金が取れるからだというが本当だろうか。

 

宿を脱出して、荷物を引いてまたバスターミナルを目指す。その横にあるこぎれいなホテルできいてみると1泊1200バーツだというが、応対もよくここに泊まることにした。部屋は風通しが良く、実に快適だった。Wi-Fiも繋がり、先ほどとは大違いだった。まあ料金が2倍以上なのだから当然だろうか。

 

ホテルの入り口にレンタサイクルが置かれていた。何と日本の中古自転車だった。しかも『下高井戸』などと貼られていると乗りたくなる。1日50バーツだというので早々に乗って、スリンの街を散策する。まずは近くのお寺へ。何となく立派で格式があると思ったら、皇室に関係があるらしい。ブラパラマと英語で書かれていた。これが寺の名前だろう。

 

池沿いを漕いでいくと、ロータリーに像がある。その近くには象の像がある。ここはスリンだ、象の街だというアピールだろうか。更に線路を渡り反対側にも行ってみるが、特にこれと言って見るべきものはなかった。かなりの暑さを覚え、予定より早く自転車を返して部屋で休む。

 

いつの間にか寝落ちていた。気が付くと外は雨が降っている。スコールのように強い。腹は減ったが、ここは我慢。夜7時すぎにようやく雨が止む。今晩は道路も濡れているので、バスターミナル内で食事を済ませようと探すが、なかなかいい感じの店がない。最後に行き着いたのは、チャーハン。これが一番無難だ。しかもおばさんの手つきがよく、味も予想より良かった。これで満足して寝られる。

 

8月16日(木)
またロットゥに乗り

翌朝は気持ちよい朝だった。食事は別棟のレストラン。ここには白人の客もあり、ビュッフェもまずまずだった。気にいったのでここにもう1泊することにして、今日は旅の中の休養日にすることにした。朝方は涼しいので、ちょっと散歩に出た。昨日の寺でお祈りだけして帰るつもりだったが、やはりどうしても何かしたくなってしまい、結局バスターミナルからロットゥに乗る。

 

また1つ、遺跡を探す旅。今回はまたシーサケット方面に戻るようだ。運転手には行先を伝えてあったが、結局降ろされたのは、ある電車の駅。そこからどう行くのか、その辺の人や駅の人に聞いて何とか方向を定め、歩き出す。そんなに遠くないとの話だったが、どう見ても近くはない。日差しが照り付け、大変なことになってしまった。

 

小学校を通り過ぎたので、遺跡の名前を言って聞いてみたが、通じない。仕方なく、ガイドブックの写真を見せると、皆が一斉に『あっちだー』と指をさす。礼を言って歩き出したが、彼らも外国人は珍しいらしく、付いてきて、更に教えて呉れようとする子もいた。こんな交流は楽しい。だがその先を行っても分らず、また聞いて、ついに辿り着いた時は、疲れ果ててへたり込む。

 

そこはちゃんとした遺跡だった。外国人は100バーツ支払って中に入る。プラサット・シコラプム、というようだ。これまでの現代寺院との組み合わせはなく、池に囲まれた完全な遺跡、如何にもアンコールワットの一部にいるような雰囲気があった。そして木陰で休むと気持ちがよい。一応別れた隣に寺院はある。そこの裏にお墓が多くあったのが目を惹いた。

 

帰りも黙々と歩いたが道が分かっているのでかなり楽だった。腹は減ったが、まずはロットゥに乗らなければならない。駅前で待っていたが、やって来たのはシーサケット行き。どれがどこへ行くのか分からないので面倒だ。ようやく見つけて戻る。また午後はお休みして、夜は麺を食べて寝る。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です