インドでアユルベーダを2017(3)クリニック生活が始まった!

アユルベーダクリニック1日目

10時過ぎに、ラトール家を出発し、今回の目的地であるアユルベーダクリニックへ向かう。15分ぐらい乗ると川を渡り、そのすぐ脇を入ると、閑静な住宅街があり、その奥の方に滞在するクリニックがひっそりとあった。何とも雰囲気がよい。入り口から入るとスチェータ先生が迎えてくれた。

 

ここは先生の自宅。先生は2階に住み、1階に患者が滞在できる部屋が3つある。勿論施術室も完備している。何とも落ち着いた空間だ。ラトールさんはすぐに帰っていき、私は部屋に案内された。部屋はきれいで、比較的広く、シャワーとトイレも付いており、完璧。ここなら10日間の滞在も苦にならないだろう。

 

すぐにランチの時間となる。今日から施術は始まるとのことだったが、まずは食事から。お茶は好きかと聞かれ、毎日たくさん飲んでいると答えると『飲み過ぎは良くない』とすぐにくぎを刺された。確かに前回アユルベーダを受けたカイバリヤダーマでも、チャイは出ず、ハーブティだけでちょっと難儀した記憶が蘇る。

 

そして先生から渡されたのは、Green Tea & Mintというティバッグ。お茶を食後に飲む習慣のある日本と違い、アユルベーダ的には茶は飲むとしても食前にするようにとのこと。なぜかと訪ねると実にシンプルに『消化の妨げになるから』というのだ。アユルベーダでもっとも重要なの『消化』だということがこれで分かった。

 

先生に『飲み物では何を飲むのがベストか』と聞くと『白湯』との答え。そしてホットミルクもよいという。但しそのミルクは『フレッシュ』でなければならないとのこと。日本で搾りたての牛乳を手に入れることは難しいと回答すると『インドでも都市部は難しい』と。フレッシュミルクを得るにはどうすれば良いかと聞くと『牛を飼うしかないかも』と笑いながら言う。現代生活とはかくも面倒なものだ。尚私は子供の頃胃腸が弱くてミルクが飲めなかったというと『それも1つのアレルギー』ということらしい。

 

また紅茶を飲むなら緑茶の方がよい、ともいう。これは初めて聞いた。紅茶と言ってもチャイなどのミルクティを指しているようで、1日に1-2杯ならよいが、何杯も飲むのはダメ、とのお達し。但しインドにとってお茶は最近の飲み物であり、長い歴史のあるアユルベーダには茶についての記述はないとのこと。まあ、私自身も茶の飲み過ぎは良くない、との自覚はあるため、素直に聞き入れる。

 

ランチは2階の先生の自宅の居間で食べる。食事を作る担当の女性がおり、チャパティを焼いている。食事の前に先生が祈りの言葉を発する。私は分らないので、単に手を合わせて目をつぶる。食事は実にシンプル。ポテトが美味い。やはり家庭料理は、大勢を収容する施設での食事より、格段に美味しい。尚食後にフルーツやデザートを食べるのも、消化に良くないとのことだったが、今日は特別なのか、スイカ、ブドウ、イチジクが与えられた。恐らくはこれが最後のフルーツなのだろう。大切に食べた。物を大切に食べる、意識しながら食べることは意外と重要だと気付かされた。

 

 

午後3時にマッサージ師のヨゲーシュがやって来た。3年前は団体だったので順番待ちが結構あったが、今回は私しかいないので、都合が合えばすぐに始まる。何とも便利だ。ベッドに仰向けになり、シャワーサナのポーズで2-3分。それからヨゲーシュの強烈なマッサージが始まった。正直最近むくみのある足などかなり痛い。揉まれ慣れていない証拠だ。続いてオイルマッサージが始まる。『貴方の体がオイルを欲している』と言われたがなぜだろうか。オイルの吸収が早いということだそうだが、乾燥していたのだろうか。

 

そして全身オイルだらけになると、今度はスチームバスに入る。頭からタオルを被せられ、息苦しい。すぐにバスは熱くなり、全身から汗がこれでもかと噴き出す。これは思っていた以上に激しく水分を失っていく。同時に何かが体から出て行く感覚もある。5-6分でバスも終了し、そのまま部屋に帰る。

 

但しシャワーを浴びることは許されない。オイルが体に浸透するまで体を洗ってはいけないのだ。ちょっとオイルが鼻につく。ビショビショのパンツはどうすればよいのだろうか。カイバリヤダーマではマッサージ師から『パンツを履きかえるとオイルの臭いが付いて後で履けなくなるからできるだけ同じものを使え』と言われた記憶が蘇る。先生にそれを言うと『そんなことはない』とまた笑われる。確かにここで使っているオイルの質はちょっと良いのかもしれない。

 

部屋でパンツを洗濯しようかと思ったが、一応先生に洗濯機はあるかと聞いてみると、『あるけどこちらで洗うから出して』と言われたので、素直に出した。全てはここにいるスタッフが手で洗ってくれていた。因みに言葉が通じない相手が殆どなので、洗濯物も先生かマッサージ師を通してお願いする。ただ乾いたものが返されてきたことは一度もなく、2日後に物干しから自分で回収した。これもまたインドらしいところだ。

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