ヤンゴン散歩2014(5)日本人が仏像を寄進した寺

2月8日(土)

朝の散歩

翌朝は近くのインヤー湖を散策。昔はSSと散歩したこともあったな、と思い出しながら歩く。この湖は大きくはないが、景色は良い。今は散歩する人、物思いにふける人など、朝から人がそこそこにいる。

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大きな通りでは朝の通勤ラッシュか、バスに乗り込む人々が見られる。相変わらずヤンゴンの交通事情は良くない。が、それでも以前に比べるとバスもきれいになってきている。勿論車はかなりきれい。タクシーも多く走っている。

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目の前にセドナホテルがあった。ここは立派なホテルで日本企業も入居している。確かSSが『結婚式はセドナでないと嫌だ』などと言っていたのを思い出す。今ヤンゴンはホテル不足。このホテルの料金は高いのだろう。そういえば、オフィスビルをホテルに替えた、などの話もあり、中には病院がホテルに変わった例もあった。電気の確保も重要な要素だかららしい。これから立派なホテルがどんどんできる予定だが、ヤンゴンのホテル事情は当分改善されそうにない。

 

おじいさんの家

今日はどこへ行くんだろうか?TTMがホテルに迎えに来てくれ、これから実家へ行くという。TTMの実家、確か10年前に行ったことがある。あそこはいいところだ。車は郊外へ向かう。運転手は昨日と同じ女性。親戚の一人だとばかり思っていたが、実はハイヤー会社を経営している。夫婦で日本に滞在した経験があり、日本語も出来る。これからは車の時代という彼女。その見立ては間違っていなさそうだ。

 

1時間弱でおじいさんの家に着いた。特に変わった様子はなかったが、何となくきれいになってはいた。ここにゆっくり滞在するのかと思いきや、TTMは用事を済ませるとすぐに帰るという。ちょっとがっかり。

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実はTTMのお母さんは一昨日の晩、家の階段から落ちて怪我をしていた。それを押して昨日の式に参加していたのだ。痛々しかったが、それほどまでにSSに愛情を注いでいる様子が嬉しかった。当分安静が必要のようだ。この家にはTTMの妹夫婦が住んでいたが昨年妹の旦那さんが亡くなっていた。妹さんは今一人暮らし、毎日ここからバスに乗り、TTMオフィスに通う。これは大変なことだが、その時間が彼女の悲しみを忘れさせるのだろう。この妹さん、いつも周囲を気にかけており、私にもよくしてくれている。

 

市内に戻るともう昼時。車はイタリアンレストランの前に停まる。そこはこぎれいな店、SSと彼も合流する。SSは火鍋も好きだがイタリアンも大好き。ここは日本人もよく来るようで、日本語のフリーペーパーも置いてある。今日は土曜日のせいか、お客は少ない。

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サラダとパスタ、ピザも美味い。今やヤンゴンでは他のアジアの都市と同じものが食べられる。お金さえあれば、何でもできる時代が近づいている。いいことだが、一抹の寂しさがある。あのゆったりと流れる時間が懐かしい。

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アウンザップテォーヤ寺院

午後はまた郊外のお寺に行くという。親族の皆が『日本人は必ず行くべき』というので訪ねてみる。TTMも忙しくて行ったことがないという。そのお寺、アウンザップテォーヤ寺院は車で小1時間。かなり田舎にある。

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寺への参道には露店が並び、近所の農民が野菜などを売っている。寺は意外なほど大きく、その敷地は広い。そして本堂前には人がたくさんおり、中には数百人が座っていた。一体ここは何なんだ。

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実は2012年10月、この寺を一人の日本人が訪れ、301体の古代仏像を寄贈したのだという。その仏像を一目拝もうと沢山の信者がここへやって来た。最盛期は週間100万人来たこともあるという。まあ、100万人は大げさとしても、下火になった今でも、人が続々やってきている。

 

本堂でミャンマー語の講話を聴き、2階へ進む。ここは入場制限をしており、入った人は指示に従わなければならない。2階に仏像が置かれていたが、何と500年前、1000年前の仏像まであり、どうやってこんなに沢山の仏像を集めたのだろうか、どこにそんなに仏像があったのだろうか、と思ってしまう。だがミャンマー人は『尊い仏像が我々の前に姿を現した。それだけで十分だ』という。

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実はミャンマーの古い寺に安置された仏像が盗まれ、海外に売られていく現実がある。タイの骨董商などに並べられている仏像の中には、ミャンマーの物が多いらしい。私が日本人だということで、この寺の一番偉いお坊さんがわざわざ会ってくれた。だが、この仏像の由来は分からないという。寄進した日本人から話があった時、まさかこんなに大きな、古い仏像がもたらされるとは思っていなかったらしい。この件については謎が多い。

 

この寺には、瞑想施設などもあり、1週間程度ここで瞑想にふける人もいるという。外には大きな仏像も置かれており、財政的のもかなり豊かなようだ。ミャンマーのお寺もかなり変化してきている。経済が成長するとお寺も成長する。お寺経済とは。

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