北海道を旅する2016(5)セミナーをやりながら、食を満喫する

ラーメンを

午後は4時から、日本茶カフェ、にちげつにて、「日本茶言いたい放題」と題するお話をした。これは日頃私が疑問に思っている日本茶に関する事柄(例えば日本茶には香りが無くなったとか)を披露して、海外の状況と比較したりして、日本茶の将来を考えるものだった。正直参加者がどう受け止めたかはわからないが、こういうセミナーがあってもよいと思っている。ただこの話を実にシンプルで居心地の良い日本茶カフェで話すのが適当だったかは更にわからない。ここでまったり日本茶を飲んでいればよい、という雰囲気だった。尚にちげつのオーナーAさんは私の大学の後輩であることが分かり、その方にも驚いた。

 

持ち込んだ日本茶が、村上茶やさしま茶など、地域的に珍しいものであったこと、また萎凋香が付いたもの、白茶のようなものなど、特殊な製法のものがあったことにより、一部の人々からはかなり珍しがられた。確かに日本に居ても出会わないお茶は沢山ある。それを出合わせるセミナーがあってもよい。その任を私が担うべきかどうかは分らないが。

 

夜は疲れたので、お先に失礼した。あまり腹も減っていなかったので、ホテルへ帰ろうと思ったが、ふらふら歩いているとラーメン屋さんがあったのでそこに立ち寄る。まあ、折角札幌に来たのだから、ラーメンぐらい食べないと。腹は減っていないと思いながら、熱々のラーメンをあっという間に平らげたのは、やはり味が良かったからだろう。満足して帰路に着く。

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4月3日(日)

事件起こる

前日は6月に出る本の原稿書きに没頭し、ふろにも入らず寝てしまった。既に3月末の締め切りを数日猶予してもらっており、慣れないことで悪戦苦闘している。翌朝も早く起き、原稿を続きをやる前に気分転換に湯をためて風呂に入る。朝ぶろは気持ちがよいものだったが、その後歯磨きしようと再度浴室に入ると、一面が水浸しになっていた。たぶん排水溝が詰まっていたのだろう。

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フロントに電話して人に来てもらったが、すでにかなり水はひいていた。彼はすぐに大量のタオルを持ってきて、床を拭き始めたが、その根本的な解決を図ろうとはしなかった。これではまた風呂に入れば同じことが起きるのは誰が見ても明らかだった。今日チェックアウトならそれでも良いが、私は今晩もこの部屋に宿泊するのだ。これでは困る。『後で掃除のおばさんによく見させておきますから』と言われ、その対応に唖然となった。普通なら次のお客を入れるためにもここは入念にチェックして、万全で臨むべきだろう。

 

『部屋を変えて欲しい』と訴えると、これで問題ないとか、部屋が満室だとか言って拒んでくる。これには本当に驚いてしまった。少し強い口調で要請すると、ようやくしぶしぶ同意した。だがこれから出かける私に『荷物は一度フロントへ』というではないか。実は私は持ってきたスーツケースを、セミナー会場にもっていってしまっており、着替えなどを入れる入れ物も持っていなかったから、それは出来なと、また押し問答になった。

 

普通のホテルなら、ホテルの事情で部屋を変わるのだから、お客の事情に配慮するべきだと思うのだが、そのような感覚は持ち合わせていなかった。最終的にホテルの従業員が私の荷物を新しい部屋に移しておくことで了解したが、やはりあり得ない状況だ。日本のおもてなし文化など、規則・マニュアル・効率優先のチェーンホテルにはどこにも見られない。勿論責任者からの謝罪もなければ、例えば部屋を少し良いものに変える、ということもなかった。この古いホテルでは日常的にこのような状況が起きており、稼働率向上のため、今回のような措置が取られているのだろう。

 

今日は午前中、台湾茶のお話をした。昨年末に南北台湾をぶらぶら歩いて得たお茶を飲み、台湾茶のトピックスを話した。今回の4つの講座なのかで、一番お茶が美味しかったのではないかと思う。基本的に私の旅は美味しいお茶を求める物ではない、その旅で出会った茶が提供されるのだが、やはり参加者からすれば、美味しいお茶の方が好ましいのは当然だ。

 

お昼は、皆さん午後の準備で忙しく、弁当を食べるというので、一緒に買ってきてもらい食べる。折角なので珍しいものを、ということで、登場したのが、ザンギ弁当。しかしどう見ても普通の鶏肉の唐揚げにしか見えない。ザンギの由来は中国語のザーギー(炸鶏)から来ているとも言われており、恐らくは味付けが少し異なるだけなのだろう。もっとも北海道では魚介類の揚げ物もザンギというらしいので、特定するのは危険にも思うが。

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午後は最近ハマっている?万里茶路についてお話した。何しろ10日前にはモスクワに居たのだから、多少の臨場感はあったのではないだろうか。とは言っても現在のロシアに万里茶路をしのぶところは殆どないのが実情だが。お茶は珍しいお茶、湖北の米磚茶などは、簡易のこぎりを買ってもらい、切った茶葉を前日に煮出してもらうという手間をかけた。お茶の歴史への興味を少しでも持って頂けただろうか?正直自信はない。もっと研さんを積み、話術も増さないと。

 

こうして、2日間の講座は無事に?終了した。その後にちげつで懇親会が行われ、Yさんが握ってくれる新鮮な寿司ネタに舌鼓を打つ。お茶に関心を持っている人が沢山いる、ということは、とても素晴らしいことだな、と改めて感じたのはなぜだろうか。7月2-3日には札幌で大規模なお茶イベントも計画されていた。『エコ茶会のような会を北海道でもやりたい』という話を聞き、エコ茶会主催者でもないのに、喜ばしく思ってしまった。北海道の会、成功を祈る。

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