4月4日(月)
4. 小樽
小樽まで
本日は北海道最終日。東京行のフライトまで時間があるので、昨日懇親会で聞いたとおり、荷物を持って小樽へ向かう。小樽へ行くのは初めてで何となくワクワクする。なぜだろうか?今さら石原裕次郎でもないだろうに。札幌駅まですでに慣れ切った地下鉄で行き、小樽行のJRに乗り込む。快速エアポートという速い電車もあるが、敢えて各駅停車に乗ってみる。それでも1時間はかからない。小樽は札幌の通勤圏だと聞いている。
何とチケットホールダーなるものが座席の前についている。これがあるということはスイカなど使えないということだろうか。切符を挟んで置く場所など、全く初めて見た。返って忘れてしまいそうだ。この路線の駅名も面白い。星置、ほしみ、とロマンチックな名前が並んだが、その次がいきなり銭函とは、すごい。
海が見えたなと思うと、札幌から45分位で、小樽に到着。古い駅舎のムードを残している。まずはコインロッカーを探す。ちゃんと表示があり、すぐに見つかる。そこには台湾人、タイ人などの親子連れ、カップルなどが荷物を預けていた。皆日本のコインロッカーに精通しており、私より早く預けている。駅前へ出ると、観光案内のデスクがあり、外国人観光客が順番に道を聞き、地図をもらっていた。私は横から地図だけもらい、早々に街へ出る。
特にあてはない。駅前の道を行くと、すぐに商店街があり、榎本武揚の横断幕が見えた。その先には旧日本郵船小樽支店の重厚な建物、そして廃線となった線路が見える。歩いて行くだけで歴史が見えてきそうだ。更に行くと小樽運河だ。古い倉庫が並んでいる。その辺の公衆トイレに入ると、『異物を流すな』という文字が英語とロシア語でも書かれている。ロシア人は以前小樽に沢山いたらしいが今回は一人も見かけなかった。ルーブル暴落以降、ここにやってくるロシア人は皆無となったのだろうか。
運河を越えて更に行くと港が見えた。今日もいい天気で、圧倒されるような風景がそこにあったが、ここを訪れる観光客はなく、駐車場を使う車だけが通っていた。何とも寂しい。そこから古い町並みを歩く。昔は港で栄えたのだろうな。再び運河に出ると、ラオックスがここに進出しており、観光客の波が分かる。
運河を背景に写真を撮っていたのは、中国人観光客ではなく、タイ人だった。ガイドに連れられ、かなりの数が来ている。その後もところどころでタイ語に出くわした。これがタイ人訪日客か。昨年は80万人、今年は100万人来るかと言われるだけあり、その存在感を増している。勿論台湾人、香港人など常連さんも多い。大陸客は皆さくらを目指して本州に居るのだろうか?
この街には昔の金融街があったり、商店街があったりして、変化があり、なかなか面白い。その中に先日テレビ番組で偶然見た北菓楼という菓子屋があった。そこのシュークリームが美味いというので買って食べてみる。パイ生地で中は生とカスタードが両方入っている。他の商品は試食も可能で随分と賑わっていた。隣に六花亭もあったが、こちらは試食がなく、客足は明らかだった。
昔の料亭や街灯、そしておしゃれな建物を眺めて歩く。折り返してもと来た道を戻り途中で、わき道に入ると、そこは寿司屋通りと書かれており、確かに寿司屋が多かった。腹が減ったので、その一軒にふらっと入ってみたが、特別感はなかった。きっともっとお金を出さないと美味しいものは食べられないのだろう。
それからも街中をぐるぐると回ってみたが、歩きやすい、気持ちの良い街だな、という印象はあったが、疲れてきてしまった。少し早いが、新千歳空港に向かうべく、電車に乗ることにした。小樽から新千歳には30分に一本、快速エアポートが走っており、1時間もかからないで、空港に着いてしまう。
これはとても便利であり、小樽が観光地として観光客を集められる一つの要因になっているのかもしれない。しかしここから余市やニセコへ電車で向かおうとすると、途端に不便になってしまう。私は実は今回余市へ行くことも考えたが、地元の人に止められた。もっと時間がある時でないと、何かあったら飛行機に間に合わないと言われたのだ。次回はバスも検討しよう。
空港に着くと、もう特に何も起こらなかった。帰りのフライトでは広東語が流れることもなかった。今回の北海道訪問は、ある意味とても面白い経験となった。同時にまた来たいな、という思いを強く持った旅となった。何しろ北海道は広い。まだまだ行くべきところはいくらでもあるだろう。