実際彼女は1980年頃には香港茶商のプーアル茶台湾代理店をやっていたが(このこと自体も密輸)、当時は台湾におけるプーアル茶市場などほぼなく、誰も見向きもしなかったのが真実らしい。プーアル茶が盛り上がったのは21世紀に入ってからであり、政府も2004年には輸入を解禁しているが、それまでは様々な方法で台湾に持ち込まれてはいたが、その量には限りがあったらしい。

また雲南の倉庫にずっと眠っていたプーアル茶があったとしても、それはいいお茶にはなり難い。湿気や高い気温などの条件のある香港のような場所できちんと管理するから熟成が進むのだとも言い、『港倉』(香港の倉庫)に置かれたプーアル茶が良い茶であると言われる由縁はここにあるらしい。
話しをしていた店は台東の紅烏龍茶などを扱っていたが、その茶を飲ませてもらうとなかなか美味しい。来年は久しぶりに台東方面を目指してみようかと思いながら、今日聞いた話を反芻していく。そして腹が減ったので、ついに近所の行きつけの店へ行き、思いっきり注文して満足するまで食べた。満腹は幸せ、だ。

7月2日(水)ラジオ収録
暑さがきつくなってきた。食欲は依然あるが、気分を変えたくて、昨年時々いった食堂へ行ってみる。だが10時からだと思っていた開店は何と11時。暑さの中、ちょっとガッカリしていたら店員さんが「何が食べたいの」と言って作ってくれた。こういうのが如何にも昔の台湾らしく、何とも有難い。折角なので食べたことが無い、ワンタン撈麺を頼んでみる。予想外に少しスープが入ってきたが、美味しく頂く。

今日はBさんがやっているラジオ番組への出演の日だった。過去2回ほど訪ねているラジオ局だが、今回は暑さもあったので、宿泊先から直行できるバスにしてみた。バス停に行くとすぐにそのバスが来たので、思ったより少し早くラジオ局付近に着いてしまった。手前には忠烈祠があったので、懐かしさからちょっと寄ってみる。台北駐在時には故宮博物院とセットで何度来たことだろうか。この暑い中でも衛兵はちゃんと立っていてエライ。

ラジオ局では昨年とほぼ同じように、リラックスしてお話ししてしまう。ちょっと緊張感が無さすぎでは、と思ってしまったが、さすがに慣れているBさんのリードは素晴らしく、すぐに時間は過ぎてしまった。果たしてどれだけ伝えるべきことが伝えられただろうか。かなり危うい内容だが、これも実力、仕方がない。どんな話をしても腹だけは減る。帰りに双醤麺を食べて腹を満たしたが、心は何となく満たない。


7月3日(木)苗栗の宝元紀
今朝は先日久しぶりに会ったジャッキーから誘われて苗栗へ行く。彼は家族が台北にいるので朝車で宿泊先に迎えに来てくれ、そのまま苗栗三義に向かった。朝は台北を出るあたりでさすがに多少の渋滞があったが、その先は車もスイスイと進み、約2時間で三義までやって来た。何と台中から茶旅の相棒トミーも合流した。