ある日の台北日記2025その1(6)猫空 茶の香り

建物の中には多くのお客がいた。鉄観音茶の焙煎が行われている建物の横にお客がお茶を飲むスペースがあり、皆が焙煎仕立ての茶を味わっている。ここは現在一般開放していないということで、親族や知人が集結していた。お茶だけではなく、お菓子や焼売などを食べながら話が弾む。特に旬のたけのこを生で食べており、その美味しさは抜群だった。お茶も鉄観音以外に、佛手や水仙などで作られた茶が今までにないほど香っていて驚いた。こんなところでいつまでもお茶を飲んでいたい。

焙煎現場はほんのちょっと見ただけだった。基本的に作業の邪魔になるからだが、私は6年前にじっくり見せてもらっていたので、今回は張さんへの挨拶だけが目的だった。お客さんがお茶を買い、更には新鮮なタケノコを買って帰って行く。私は張さんの計らいで、タケノコ農家の親戚の人に下まで送ってもらい、山で遭難することはなかった。あのタケノコはもう25年も有機栽培されており、朝とれた実に新鮮なものだった。猫空付近の自然環境も素晴らしい。

夕飯は近所の広東系食堂で広州フイ飯を食す。あんかけ炒飯はここからきているのだろうか、という謎には全く迫れないが、思ったより美味しい。この店には広州焼きそばもあるようなので、今度試してみたい。それにしてもやはり炒飯の量はかなり多く、食べ終わると腹が一杯で困る。日本の町中華の、日本的分量は本当に有り難い。

6月19日(木)慈聖宮で排骨湯

朝起きると体が反応してしまい、外へ出た。今日もまた大稲埕に向かっている自分がいる。ある人々が「隙あらばミャンマー街」と言いながらそこに入り浸るように、私も「時間があれば大稲埕」になってきている。MRTを大橋頭駅で降りるとそこは慣れ親しんだフィールドだ。

そして2日前に来たばかりの慈聖宮の屋台街へ向かった。ただ時間が早過ぎて開いている店は多くはない。今日のお目当て排骨湯の店、1軒はお休み、もう一軒も10時開始だというので付近を散歩して待つ。10時に行ってみると既に何人かのお客が来ていたが、店の人が「この人は30分も待っているのよ」と優先してくれ、嬉しい。排骨湯、キャベツ炒め、魯蛋、そして魯肉飯は半分の量でオーダー。何とも優しい味で非常に満足する。特に排骨湯の味が良い。この店は50年以上前から営業しており、老板娘は最初から日々ここに立っているというから驚きだ。

そこからバスで台北駅に出て、週末に行くバスチケットを購入した。バスは台北駅行きと書かれていても停車位置が大きく異なることを知る。結構バスターミナルまでかなり歩いて疲れた。途中地下を通ると、日本食街のような場所があったが、全てがチェー店であり、現在の飲食業が何となくわかる。腹一杯で何も食べずに帰る。

夕方また外へ。久しく食べていなかった弁当屋で夕飯。おかず三品を選び、メインを1つ、スープは自由によそい、今日は90元。毎年10元は上がっているが、近所の弁当屋はやめてしまっており、やっているだけも有り難い。近所の住民も安いのでよく来て食べているが、いつまで営業してくれるのだろう。夜9時には恒例のゴミ出しに初参戦。楽しい。

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