ある日の台北日記2018その2(7)和紅茶テースティング会

和紅茶テースティング会In台中

台中のトミー家の2階は講茶学院のスペースにもなっている。そこへ行くと準備は着々と進み、和紅茶も置かれている。まずは昼ごはんということで、スタッフ皆と弁当を食べる。如何にも台湾的ご飯でよい。ここで今回の通訳、エミリーと会う。彼女は神戸に留学経験があり、しかも台北のお茶屋の娘、ということで、通訳にはぴったりの人材だった。製茶公会のフレッダなども手伝いに来ている。

 

金曜日の午後にも拘らず、10数名の参加者を得て、会は始まった。Oさんから和紅茶について、一通りの説明を行い、その後、お茶の説明をしながら、まずは6種類のテースティング。ここに来ている人は、茶農家、茶商、そしてお茶好きばかりだから、質問も非常に細かくなる。テースティング会というのは、単に講師が話すセミナーと違って、皆が立ち上がって自由に動き、実物を飲みながらの話となることから、講師にも質問がしやすいという特徴があり、活発化するのだと知る。

 

前半はべにふうき品種を中心に、後半はそれ以外を6種類、鑑定方式で飲んでみた。途中の休憩時には虎屋の羊羹も出たが、やはり甘いという評価だった(思ったほど甘くなかったという意見もあり)。皆さんの率直な感想は、『日本にこんなに紅茶の種類があるとは思いもよらなかった』という物や『台湾の紅茶に似ているものが美味しかった』など言うことだった。

 

会が終わっても、しばらくは参加者が帰らずに質問したり、記念写真を撮っている。ようやくその波が収まると、近くのレストランに移動して小龍包などを食べる。ここは鼎泰豊にいた人が台中で開いた店ということで、鼎泰豊並みに美味しく、満足できる味。その後、トミーの車で台北へ移動した。何ともハードな日程だが、こればかりは如何ともしがたい。

 

9月22日(土)
和紅茶テースティング会In台北

翌日は朝ゆっくりして、10時にホテルに迎えに行く。そこから大稲埕まで歩いて行けたので、散歩がてら行く。お茶屋や埠頭を覗いていたが、『台北のオーガニック食品事情が知りたい』というので、急遽花博公園までタクシーに乗る。そこに自然食品を扱うお店があり、いくつか購入。

 

また同時に週末マーケットも開かれていたので、台湾各地から来た野菜や果物、お茶やコーヒーなどを見て回る。私もこんなところがあると初めて知る。お昼が近かったので、ついでに、そこのフードコートで麺を食べる。週末で家族連れがかなりたくさん来ており、驚いた。そこからMRTに乗り、今日の会場へ向かう。実はその会場のビルの下にも、Oさんが検索していたオーガニック系食堂があり、ビックリ。台北は急激にオーガニック食品、健康食品市場が拡大しているように見えた。

 

今日は土曜日、そして台北開催ということもあり、参加者は昨日よりさらに増えて30人近くになっていた。こんなに和紅茶に関心がある台湾人が多いとは本当に想像していなかった。これも日頃の講茶学院の活動の賜物だろう。そして昨日よりも、よりマニアックなお茶好きも来られ、また紅茶を輸入している茶業者、台湾紅茶を販売している人などが参加、益々細かい質問が飛び出していた。通訳のエミリーはさぞや大変だったのではないかと思う。

 

またOさんの美味しい和紅茶の淹れ方などにも関心が集まり、使っている茶器にも興味を示す人が多かった。日本の器に対するニーズも高い。食べ物と如何にペアリングするかなどは、台湾紅茶でも考えるべきことであり、単にスイーツと合わせるのではなく、高級和食などとのコラボ、という視点も参加者には刺激を与えたかもしれない。さすがこの道15年以上のOさん、経験豊富だ。

 

昨日同様会が終了しても、質問の輪は解けない。やはり和紅茶への関心は高い。というか、これまであまりにも知られてこなかったから、質問が多くなるということかもしれない。今後は講茶学院などを通じて、もう少し日本茶全般の知識を広めて欲しい。またOさんには来年もまた来て継続的に紹介して行って欲しい。

 

全てが終了して、何もしていない私でも気が抜けた。Oさんは慣れているとはいえ、異国で疲れただろう。今晩は北平料理の店へ行く。台湾では北京を都と認めないので、北平という。メインの北京ダックを久しぶりに食べる!美味しい。昔北京に住んでいた頃は年に何十回も食べていたのに。

 

最後にドリンクスタンドで緑茶飲料を買って飲んでみた。これも重要なマーケッティングだと思う。ただ分量が多くて飲み切れず、しかし台湾のMRTは車内で飲食禁止のため、ずっと持って歩くことになった。Oさんを送り届けて、帰宅の途に就く間に飲み干す。部屋ちょっと寝たが、翌朝はOさんが早朝便で帰国のため、午前5時にホテルに迎えに行き、空港まで送り届けた。トミーはそのまま台中へ、私は台北に戻った。怒涛の3日間は終わった。

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