ある日の台北日記2018その2(6)Oさんがやって来た

9月18日(火)
国家図書館

今日は以前よりお茶の歴史調べで協力してもらっている黄さんと会う予定になっていた。これまで寄稿した雑誌を渡すためだったが、黄さんから指定された場所が、何ともレトロな喫茶店で、ちょっと面白かった。蜜蜂珈琲という名で、行政院などに近く、記者などが取材の合間に立ち寄る場所だったらしい。そして役人や政治家も人と会うために利用するところで、その話の内容に聞き耳を立てている人もいるとか。今日もXX県の役人が選挙の話をひそひそとしていたとか。私には分からない世界だが、興味深い。

 

店のおばさんは私が日本人だと分かると日本語でお勧めランチを紹介してくれる。昔は日本人も沢山来たところなのだろう。私が知らなかっただけで有名なカフェということか。勧められるまま、宮爆鶏丁定食を頼む。何となく懐かしい味だ。食後のインスタントコーヒー、如何にも昔の台湾を思い出す。

 

黄さんと別れてU-bikeを探して、中正紀念堂まで走っていく。午後はここの前にある国家図書館で調べ物をすることにしていた。初めて来たので登録が必要だったが、簡単に終わる。悠游カードで入館できるらしい。当然ながらこの図書館もかなり大きいので、ざっと見てみる、という訳にはいかず、最初から目指すものを探しに行く。

 

それは1980年頃のある新聞の記事だった。ところがこれらは全てマイクロフィルムに収められており、特別の機械にフィルムを入れて1つずつ見なければならないことが分かり愕然となる。取り敢えず1つ借りてみたが、3か月分の新聞を見づらい機械を通してみるのは難行であり、1時間で断念した。この記事、とても重要なのだが、何とか検索できないものだろうか。

 

9月20日(木)
Oさんがやってきて

準備を進めてきた、和紅茶テースティング会のスタートが切られる。まずは和紅茶の第一人者であるOさんが佐賀から台北に到着する日となった。バスに乗って桃園空港まで迎えに出た。そうか、今や佐賀から桃園まで直行便が飛んでいる時代なんだ。タイガーエアは相当広い範囲をカバーしていて驚く。LCC、何とも有り難い。

 

ところがOさん、なかなか出てこない。佐賀の飛行場から連絡があったので、搭乗しているのは間違いないが、どうしてこんなに遅いのか。あのトレードマークの作務衣を怪しまれたのかなど、一緒に迎えに来たトミーとチャスターと話していると、ようやく姿が見えてホッとする。何と荷物超過となってしまったが、佐賀空港では支払いが出来ず、今支払っていたというのだから驚きだ。

 

午後のスケジュールも詰まっているが、取り敢えずランチということで、空港内のフードコートに行くも満員盛況。仕方なく、洋風のレストランに入り、牛肉麺を食べる。ここでもやはり紅茶を頼むOさん、さすが。

 

そこから車を飛ばして、3時半頃に、苗栗頭份に着く。お茶を感じられる場所ということで、製茶機械の張さんにところに寄り、コンテスト受賞茶などを飲んでみる。Oさんはこれまで何度か台湾には来ているようだが、今回は特別の旅にしてもらいたいと思っている。それから以前緑茶の調べで行った茶農家も訪ねる。こちらは数年前から紅茶も作っており、製茶場や機械を見学し、Oさんも興味津々。

 

それから頭份でお気に入りの客家料理を頂き、その後台中に向かう。台中ではトミーの家に寄り、明日の会場の下見や簡単な打ち合わせを行う。それが済むと、遅くなっていたが、チャスターの車で埔里まで走った。折角台中まで来たので、明日午前中は魚池辺りの紅茶作りを見に行こうと思い、敢えて埔里に泊まった。埔里で予約されたのは、蒋介石像がある圓環付近のビジネスホテル。何だか部屋がとても広かった。

 

9月21日(金)
魚池と埔里の紅茶

翌朝は早めに起きて、ホテルのご飯を食べようと思ったが、食堂に人はいなかった。ようやく探して出された飯は何とハンバーガーとフルーツ。てっきりお粥でも出てくると思っていたOさんは面食らっただろうな。私も埔里でこういう所に泊まるのは初めてだが、お客がいないので、どこかで買って来たかのようだった。

 

それから魚池へ向かう。農会のすぐ前にある茶工場。若手の王さんのところにお邪魔した。ここは設備も最新でお金が掛かっており、いい紅茶が作られ始めている。ちょうど茶作りが見られたので、一通り見学する。何種類もの紅茶のテースティングが始まる。朝からかなりハードな展開だ。

 

帰ろうかとした時、向こうから老人がやって来た。王さんのお爺さんだ。実はこの方、以前お会いしているが、林口茶業伝習所の卒業生で、日本語も話せる。日本人が来るととても喜んでくれるので、一緒に写真を撮る。本当はお爺さんに聞きたいことが沢山あったのだが、今回はOさんのアテンドで時間が無く、残念。次回はいつ会えるだろうか。

 

続いて埔里に戻り、先日も訪れたばかりの東邦紅茶に行った。ここでこの会社を紹介しながら、歴史的な茶工場を見学する。Oさんが是非茶畑が見たいというので、埔里郊外のシャン種が植えられている茶畑に向かった。これは全く予定外の行動ではあったが、やはり茶畑に来るだけでOさんも私も何となく元気になってしまうのが、おかしい。Oさんは楽しそうに茶畑を逐一眺めていた。

 

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