ある日の埔里日記2017その2(3)講茶学院

3月19日(日)
講茶学院

 

なんだか急に忙しくなる。昨晩新竹から埔里に帰ったのだが、今朝はまたバスで台中に向かう。今日は湯さんの講茶学院セミナーを特別に見学することになっていた。湯さんのお茶の知識を広めようという試みは、とても興味深い。一体どんなことをしているのだろうか。そしてどんな人が受講しているのだろうか。

 

台中駅に着いて、朝飯代わりに何か食べようかと思ったが、何とこの辺には本当に店がない。しかも日曜日の朝、非常に閑散としていて静かだ。仕方なく、会場まで約30分、ゆっくり歩いて向かう。途中川があり、何だか雰囲気のよさそうな喫茶店があり、古びた建物も点在していたが、結局何も食べず。

 

会場は凄く立派なマンションの会議室。やはりきちんとしたセミナーは会場も重要かなと思う。参加者が続々と集まって来た。その数20名弱。台中近郊だけではなく、何と台北や高雄から早朝に車を飛ばしてきた参加者もいた。これは人気のプログラムなのだ。茶業関係者、と言ってもこれからお茶屋さんを開くとか、お茶愛好家とか、様々な人々が茶の基礎を学べる場なのだ。私の向かいに座った若者などはアメリカでお茶屋をやろうと目論んでいるという。すごい世界だな、台湾は。

 

講義の内容も、水の資質の話など、あまり語られない事柄も含まれており、有意義だった。勿論お茶の種類別の香りと味の判定など、プロでも難しい内容に取り組んでいた。講義と実技、ワイングラスを使ったテースティングなどが混ざっており、受講者を飽きさせない。台湾だけでなく、日本を含む世界の茶業の現状が紹介されるなど、基礎的な内容が極めて多岐に渡って網羅されており、勉強になる。

 

会場の外が急に騒がしくなる。何かと見てみると、お祭りのようで、被り物などをした人々が練り歩いている。すぐ近くにお宮があったので、そこから出てきたのだろうか。後で昼休みに外へ出ると、もう一度戻ってくる姿を、見ることができた。被り物はかなりデカい。そして神輿のようなものもやって来た。日曜日の静かな住宅街に、音楽も鳴り響いている。因みに講義が終わって帰る時もまだやっていた。一体何なんだろうか。

 

昼休み、参加者は思い思いに出て行き、ランチを取る。私は湯さんたちと一緒に弁当を頂いた。湯さんとアシスタント2人、チームワークもよい。こういうセミナーの開催になれている感じだ。食事が終わると、皆さんが帰ってきて、自己紹介方々、かなり具体的な交流(商売など)が繰り広げられる。

 

午後は更に実践的な授業が続く。透明な鑑定杯を使って、茶葉の様子、茶色を見る。そして茶の香りや味を自らの言葉で表現するなど、まるでワインのテースティングのようだ。確かにそうすることによって、1つずつの茶への印象が非常に強くなる。茶葉の基礎を知るには好都合と言える。

 

午前10時から午後5時過ぎまで、途中のランチ1時間を抜いて、6時間の講義を集中して聞くのは結構厳しい。最後にはテストまであり、今日の講義の復習までできるようになっている。1日でかなり知識が増えた感じがする。帰りはかなり疲れたので、湯さんの車で駅まで送ってもらい、そこからバスで埔里へ戻った。腹が減ったので、バス停近くの店で食事を済ませて部屋へ帰る。

 

部屋に着くとWさんから電話が掛かってくる。今からマコモダケの夜間栽培を見に行かないか、というお誘いだった。マコモダケは埔里の名産品であり、一度見てみたいと思っていたので、バイクで迎えに来てもらった。WさんのGHのお客さんも一人、バイクに乗ってやってきた。台湾には何度も来ており、今回はバイクを借りて思いっきり走るためにやってきたという。

 

マコモダケの畑は、何となく稲作の水田に似ている。ただ真っ暗な道を行くと、煌々と電気が点いている場所があった。そこが畑であり、驚く。かなり大規模な設備をつけている。マコモダケは夜、光を与えると成長するということらしいが、何だか可哀そうに思ってしまう。自然の日の光で成長してもらった方がよいのでは、などと思うのは、農業を知らない素人だからだろうか。

 

朝まで電気はついているらしいが、ずっと見学する必要はない。すぐ近くの地母廟に行ってみる。夜の廟はかなり煌びやかに見える。この寺は規模もすごく大きい。夜でもお参りに来ている人がいる。自転車に乗った子供が遊んでいるのが、台湾らしい。

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