NHKテレビで中国語コラム『アジアの中華メシ』2014年6月号第3回『炒飯あれこれ』

日本人がもっともよく食べる中国料理と言えば、炒飯ではないでしょうか。日本の炒飯はきつね色に焼き、お椀わんをひっくり返したように盛られ、中には刻んだ焼き豚などが入っており、とても美味ですね。

筆者は20数年前の上海留学時代、この炒飯のルーツを訪ねて中国中を歩いたことがありますが、日本のような炒飯に出会ったのは福建省の泉州、廈門だけでした。その後台湾にも一部この炒飯があるのを発見し、勝手な結論として、日本の炒飯のルーツは福建省南部から台湾へ、そして台湾から日本に渡った華人がもたらしたと考えています。

ところが香港で「福建炒飯」と言えば、あの炒飯ではなく、なぜかあんかけ海鮮炒飯なのです。これがまた美味なのですが、これは福建にはありません。恐らくは福建から香港に渡った人々が香港の海鮮を使って炒飯を作ったので、福建の名が付いたのではないかと想像しますが、香港人も福建人もその由来を知らないようです。

海鮮炒飯と言えば、韓国の港町、仁川のチャイナタウンに行った時に食べた炒飯はユニークでした。どんぶりをひっくり返したような形に盛られた炒飯は、具がエビやイカなど豊富な海鮮で、シンプルに炒められているのですが、そこにコチュジャンを混ぜて食べるのです。初めはどうかなと思ったのですが、これがどうして、かなりイケルのです。仁川には中国山東省あたりから渡ってきた華人が多いのですが、実は古来中国4大料理の1つは山東の魯菜でした。中国料理と韓国料理の不思議な融合、山東人もビックリではないでしょうか。因ちなみにこの炒飯の付け合わせには、キムチとたくあんが添えられていましたので、日中韓の合作
なのかもしれません。

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そしてもう1つ忘れられない炒飯がインドにありました。インドは大国で国土も広いのですが、珍しいことに華人はあまりいません。これは歴史的に隣国としてさまざまな紛争があり、またインド人と中国人の文化背景・習慣がかなり異なり、中国人が生きづらい環境であるということでしょうか。このような理由からインドには本格的な中国料理店は非常に少ないのですが、街にはChinese Dishと書かれたレストランをいくつも見つけることができます。

 

インド中部の文化都市、プネーというところに行く機会があり、中国料理と書かれたとても古い由緒正しいレストランに入りました。そこで炒飯と野菜炒めを頼んだのですが、野菜炒めは深い皿に入っており、中はドロドロしていました。一瞬間違いかと思いましたが、インドの野菜炒めとはこのようなあんかけであり、何とそれを炒飯にかけて食べることを知りました。

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インドと言えばカレーですが、インド人はルーのようになったものをご飯やチャパティ(練った小麦粉を鉄板で焼いた平たいパン)などにかけて食べる習慣が一般的であり、野菜炒めもそのように変化し、味が薄い炒飯にかけるようになったようです。

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皆さんもアジアを旅する際は、現地料理ばかりではなく一度は中国料理店を訪れ、その土地の中華メシをぜひ味わってみてください。きっと新たな発見がありますよ。

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