アンコールへの旅2014(3)ロリュオスの遺跡で何かを感じる

ランチ

アンコールワット見学が終わり、ランチへ。車ですぐのところにあるカフェ・モイモイ(http://cafemoimoi.com/)というガーデンレストランに入る。吹き抜けの建屋にいい風が入ってくる。このカフェは自然環境に配慮し、衛生的な食材を使って、カンボジア料理を楽しむ、というコンセプトらしい。団体のランチということで、名物料理を少しずつ盛った特製プレートが出てきた。

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日本人の口に合うマイルドな味が特徴のカンボジア料理。タイなどの辛い料理とは一線を画しており、お隣同士なのに、なぜこんなに違うのか、と思うほど。かぼちゃの起源もカンボジア、ということでかぼちゃのコロッケも皿に乗っている。因みにここでは日本食も提供しているようだ。

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10年前にできたこのカフェ、売上金の一部をアンコール周辺の植林活動に寄付しているという。ボランティア活動を前面に出しているプロジェクトが多いカンボジア、勿論その活動状況を見たわけではないが、まずはカフェの収益第一ということであれば、良い活動かもしれない。ただなぜカンボジアでボランティア活動をする日本人が多いのか?『自己満足ではないのか』『まずは自分の国に救うべき人がいるのではないか』と正直思ってしまう。このお店は知らないが、アジアに対する上から目線がチラつくこともあり、正直賛成できない部分が多い。http://www.shukousha.com/column/suga/3646/

 

午後はアンコール王朝の前の都、ロリュオス遺跡群、3つの遺跡を回った。団体だから自分で勝手に歩いていると、ガイドの説明も耳に届かず、どこにいるのかも分からなくなる。最初に行ったのは仏教系の遺跡か?お坊さんたちがいたな、と思ったが、ヒンズー寺院、ロレイだった。修復工事中で、よく見えない部分もあったが、4つの建物の真ん中にリンガが目立っていた。リンガに聖水を注ぐと水が四方に流れ出す仕組みだったとか。クメールの治水技術の民衆へのアピール、当時は乾季に水が来れば、神を信じたことだろう。

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2つ目はプリアコーという最古の寺院。かなり立派な建物が並んでいたが、崩れかけてもいた。如何にも遺跡という感じだ。入口の門があり、聖なる牛(プリアコー)ナンディが鎮座していた。6つの建物があった。アンコールにはこんな遺跡が沢山あるようだ。ここを訪れている観光客は極めて少ない。ただそれにより静寂が保たれ、相応な雰囲気が醸し出される。

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それから手工芸品の研修センターを見学した。地元の人たちが陶器を焼き、織り物を織っていた。これもどこかのNPOがやっているのだろう。ちゃんと移設内に窯があるのだが、お土産に持って帰るには重そうな花瓶などが並んでおり、手が出ない。皆さん、スカーフなどに人気が集中した。

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最後にロリュオス遺跡で最大のバコンを見学した。881年建造と聞いたが、これがアンコールワットの原型なのだろうか。前の2つとは明らかに違う権力の集中、ピラミッド型の建物も五層になっており、何となくだが、26年前に行ったインドネシアのボルブドールを思い出すものがあった。周囲には環濠も巡らされていたらしい。ちゃんと門を潜り、上に登って行く。

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ところがその上には奇妙な一団がいた。踊りを踊っているようでもあり、ヨーガを行っているようにも見える。どうやら撮影をしているらしく、皆が同じ動きを繰り返し、一向に退く気配がない。ハッキリ言ってこれは新興宗教かなにかではないか。全く周囲の迷惑も顧みず、自分たちの世界に入っている。迷惑な中国人かという声が聞かれたが、あとで聞くと台湾人だとか。どういうつもりなのだろうか。

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彼女たちがようやく立ち去り、上に上った。周囲が良く見渡せた。この程度なら高所恐怖症の私でも何とかなる。ここには観光客が来ており、皆太古に思いをはせているよう表情に見えた。このような感覚に国籍はない。すると先ほどの奇妙な一団が更に奇妙に思えてくる。

 

後ろ側へ降りていく。そのまま道は続いている。フランスが修復したというが、なぜか良く分からないが、ここバコンは実に貴重な遺跡に思える。池もあり、集落もあったのだろう。これと言って目を惹くものはないが、クメール王朝はこの辺りから始まった、ということだろうか。

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本日の見学は終了し、バスでホテルへ戻る。一日中、見学していた割に疲れは少ない。いつもの私の旅なら、徹底的に歩くのだが、団体行動だと歩く量が格段に少ないことが分かる。頭の中は全く整理できていない。整理しようという思考も沸かない。ただ、見た、行った、というだけだが、何かは感じていた。

 

夜は自由行動。マッサージに行く人、マーケットへ買い物に行く人などがいたが、私はA師たちと、ホテルの近所で麺を食べた。素麺みたいな細くて柔らかい麺、スープが美味かった。A師は肉を食べないので、私もそれに倣い、卵だけを入れてもらった。そんな麺が似合う今日一日であった。

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