タイ北部お茶散歩2015(13)チェンコーン山中に国民党の村

国民党残党の村

それからチェンコーン山中をドライブ?しようということになり、その前に腹ごしらえ、ということで、道路沿いの店に入る。この店、昼はたんなる麵屋だが、夜はカクテル?などを出す飲み屋になるらしい。この辺には娯楽も少なく、若者達はこういった場所で夜を過ごすのかもしれない。いや、実際に来るのはオジサンだったりして。

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麺を注文すると、豚肉と野菜、そしてたまごがたっぷり入った大きめの碗が出てくる。これはすごい、豪華な昼飯だった。味は結構甘いので、砂糖をかなり入れている。これが田舎風なのだろうか。タイはどこへ行っても簡単に麺が食べられるのが良い。店の人もフレンドリーで良い。

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山道を上がり始める。特に周囲には何もないが、道だけはかなり立派だ。こんなところにも舗装道路を付けたのにはどんな訳があるのだろうか。先ほどの友好橋でも感じたことだが、タイは一般的に道路整備が遅れている。この付近もチェンライ方面に抜ける道はあるが、ラオス国境をメコン川沿いに南下する道はほぼ無く、この山道を使わなければならない。Eさんは何度かトライしているが、地図で見れば近くても、実際には行けない、ところも多いという。

 

そして先ほど昼飯で少し時間が掛かったこともあり、また予想外に距離があったこともあり、午後3時にチェンライ空港に到着しなければならい私としては時間が厳しくなり始めた。この山の上には小さな村があり、集落が点在していたが、残念ながら一瞥しただけで通り過ぎた。この辺りには欧米人が時々来て、長く泊まるという。そんなロッジや宿舎も見られた。まさか山を登って来るのだろうか。バスが走っているとも思えない。ソンテウが往来しているのだろう。それにしても大自然の中、ここで生きていくのはなかなか大変そうだ。

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村を少し離れると、道沿いにリゾートホテルが見えた。こんなところにもリゾートがあるのか。そういえば先日泊まったリスロッジも、チェンコーンの山中にロッジを持っているとパンフレットに書かれていた。やはり欧米人が好きなのか、いや欧米人だけでは経営がもたないだろう。今やタイ人がアウトドアライフ、自然を楽しむ時代、になっているということではないか。

 

道沿いに漢字の看板が見えたような気がする。こんな山の中に何故漢字があるのだろうか。車を下りて確認すると、どうみても国民党系の軍隊が1960年代に入植した村としか思えない。国民党系の村としては先日行ったメーサローンが特に有名であり、実際にビラのオーナーも元兵士だったわけだから、私は既にそのような人々に接してはいる。だがメーサローンほど開けていない、このような山の中、ここに逃げ込んだ人の運命はどのようなものだったのだろうか。

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現在タイ北部の山岳地帯には大きな村だけで13の残党村があると、以前メーサローンの記念館で見た記憶がある。ここには茶畑もないし、細々と農業で暮らしを立てたのだろうか。1960年代、この辺は完全に世俗と隔離された場所だっただろう。そこへ入って暮らしていく、途轍もない苦労が伴ったと推測される。

 

今回は時間がなく、看板を眺めただけで終わる。その看板は妙に新しいので、何か理由があるはずだ。そしてその道からどれほど入ったところにムラがあるのか、そしてそこは現在どうなっているのか、興味は尽きない。日本人でこんな所へ来る人は学術調査ぐらいだろうか。

 

チェンライ空港

その後、山を下り始める。二股の道ではどちらへ行くのか迷う。村があれば道を聞き、速そうな方へ向かう。フライトに乗り遅れることはないと思われたが、山の中のこと、何があるか分からない。Eさんは途中休憩を取ることもなく、私のために走ってくれた。山道には慣れているとはいうものの、それは大変だっただろう。感謝。

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そしてついに3時前にチェンライ空港に着いた。空港の前では大がかりな工事をしていた。何を掘り返しているのだろうか。最近便数が増えたといはいえ、拡張工事でもあるまい。そこでお世話になったEさんと別れた。また会う機会もあるだろう。Eさんの暮らしに今後注目だ。

 

チェックインは実にスムーズ。ノックエアーの独自WiFiでかなりスムーズにネットが繋がる。今まで山の中に居たとは思えないほどの都会生活に戻っていた。そういえばEさんの家にはWiFiがなかったので、2日近く、メールのチェックもしていなかった。既にバンコックではXさんが待っているはずだ。

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フライトは順調だったが、ドムアン空港に着くと、旗を持ったガイドを先頭に、各フライトから中国人観光客が次々に押し出されてきた。荷物を待つターンテーブルもあらかた中国人に占拠されており、しかも出てくるのが異常に遅い。中国の旧正月の波がここバンコックにも押し寄せてきていることをひしひしと感じた。

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