《バンコックお茶散歩2008》(2)

(5)海鮮

3時間の面談??はあっと言う間に過ぎた。日が暮れてきた。そして電話が鳴る。同窓のOさんが海鮮料理屋で待っている。バーンタオ氏と出掛ける。

バンコックの中華海鮮ではソンブンなるお店が有名で美味しいらしい。しかしOさんの奥さんはマレーシアンチャイニーズ。これは期待できる。バンコック一の中華にありつけるかも。

タクシーでラーマ四世通りへ。その道路脇にソントンはあった。店の外にテーブルがはみ出し、如何にもローカルチック。Oさんが笑顔で出迎えてくれた。『予約したんだけど席がないって??』一生懸命交渉してくれていたらしい。まさにローカル。

Oさんと奥さん、お嬢さんが二人、そしてOさんのご両親も一緒で賑やか。上のお嬢さんは最近日本人学校からインターに移籍。下の子もインターの幼稚園。向こうのテーブルにはインターの同級生(シンガポール人)がいるとか。やはり中国系に人気の店らしい。

確かに味はよかった。特に春雨海老炒めは最高。台湾にもある牡蠣のオムレツなどもある。中華の地域は分かり難いが、潮州あたりだろうか??値段もリーズナブルなようで(ご両親にご馳走して頂く、甚く恐縮)、当然行列が出来る訳である。

我々が帰る時も店は大賑わい、店の外ではサテーを炭で焼いていた。南国風でなかなかいい店であった。ハウスに戻ってからまた茶を飲む。しかし今日は早く寝ることにした。流石に詰め込んだ日程であった。歳には堪える??

1月14日(月)(6)ヤワラー2

また朝鳥のさえずりで起こされる。さて、今日は何をしようか??元々はアユタヤに行ってみたかったのだが、何だか億劫になってしまい、寝坊した。こんな短い旅行でこんなことでよいのだろうか??

8時半頃のこのこと階下におり、散歩に出る。突然散歩の目的が決まる。カスタード中村。ムード歌謡の歌手かと思うその名前、パン屋である。確か初めてバンコックに来た時に行った記憶がある。

歩くこと10分、富士スーパーという有名な日本スーパーの手前にその店はある。丁度9時からで開店していた。中に入るとまだ出来てないパンが多数。それでもいきなりハムカツサンドに手が伸びる。アンパンも買う。

ハウスまで待ちきれずに食べることに。飲み物を富士スーパーで調達。何とタイ製キリン生茶である。特に甘さは感じられなかった。日本人向けであろうか??タイ人は甘くない飲み物に手は出さない。これを改善しないと糖尿病患者が増えるばかりである。

そしてそのままヤワラーへ。昨日も行ったのに何で??理由は2つ。1つは昨日ちらっと見掛けたお茶屋(日曜日は休み)に入ってみたかったこと。もう1つは昨日見学したSPAを体験してみたかったこと。

先ずはSPAへ。『陰陽』と言う名前の如何にも漢方っぽいこと。丁度10時開店でお客は誰もいない。チャイナタウンだが、北京語も通じず、片言の英語。受付が懸命に説明しようとするのを制して、お得セットを注文。何しろタイマッサージ90分+脚マッサージ60分で800バーツである。これは安そう。

この店はかなり広いし、きれいである。広々としたスペースをカーテンで仕切る。薄暗い空間は安らぎを与える。マッサージのお姐さんがやってきて丁寧に脚を洗ってくれる。脚マッサージからかと思いきや、布団の上に寝ることに??

頭からじっくり解してくれる。これは北京の頭マッサージに匹敵する気持ちのよさ。その後典型的なタイ伝統マッサージが行われた。しかしこれまで受けたものほど激しさは無く、とにかくリラックスを重視している模様。

だが結局脚マッサージが無いまま??終了。時間も2時間であった。入り口で聞こうとしたところ、料金は576バーツだと言う。それで分かった。はやり私の英語は通じていなかった。そこで受付は典型的なマッサージを入れた。かつどうやら10%の割引があった模様で、当初予定より相当安かった。これで十分、得した気分となる。

もう昼も過ぎていたので、麺を食べることに。数年前にヤワラーで食べた内臓入り麺が忘れられない。うろ覚えの記憶を基に店を探す。漸くそれらしい店があり、店内で食べている人を発見。チャイナタウンなのに北京語は通じないので、人の椀を指して注文。

この卵麺、鴨の内臓と肉、そして少し濃い味のスープが絶妙。周りでは鴨肉とご飯を食べている人が多いので、鴨の有名な軽食屋なのであろう。1杯30バーツは以前と同じ値段。本当に満足した。

午後はこの辺のお茶屋さんに飛び込む。林銘記茶行、獅子が二匹向き合っている格好いいマークを付けているこのお店。入っていくとおじさんが一人。しかし北京語は全く通じない。潮州系だという。店の中には仏様があり、商売の神様もいる。典型的な華僑の店である。

試飲は出来ないのでパッケージで選ぶ。というよりかなりレトロないいパッケージである。店の住所もちゃんと漢字で書かれている。しかしこれを見ても、どこだか分かる人はこの辺の人だけだろう。紙でくるんだ10バーツの鉄観音も買い込む。如何にも土産用。飲むのはちょっと躊躇う。

更に奥にはいると昔の日本の問屋のような間口で、中のテーブルでお茶を飲んでいる人がいた。林明記茶行、こちらも店内の看板が何ともレトロ。非常によい。ここのおじさんは北京語が通じた。かなり高級な鉄観音も福建から輸入しているとのこと。

そして何とそのお茶を横浜に住む日本人が買いに来ているらしい。何で??態々??地元日本語ミニュコミ紙にも掲載されたらしく、コピーが張られている。私も一番高い鉄観音を買ってバーンタオ氏への土産とした。バンコックで茶館を開く一歩かもしれない。

(7)Chiko

既に時刻は3時。うだうだしている間に時間はどんどん過ぎている。今日の夜中には北京に帰るというのに??思い出してバーンタオ氏に電話。確かお知り合いでお茶を出す店をやっている日本女性がいたはず。うろ覚え??

一旦ハウスに戻り、歩いて行くことに。先ずはバーンタオ氏のオフィスに顔を出す。そのオフィスの前にはワットポー直営のマッサージ店がある。日本人のお客さんが平日にもかかわらず、多い。優雅な駐妻(駐在員夫人)なども見える。いいなあー??時間が無いのでマッサージなしで次へ。

スクンビットソイ53、歩いて10分ほど。この道はお洒落な店がいくつか見える。私はあまりこの辺を歩いたことが無かったので新鮮。そして結構奥にはいりこんなところにお店があるの??という所に雑貨の店『Chico』はあった。

一軒家を改造しており、庭も広く、思ったより大規模。中に入ると何と猫がお出迎え。バーンタオ氏とは猫繋がりとガッテン。店内は広く、半分以上にお洒落なバックや小物が置かれている。ここにも駐妻軍団、そして観光客もガイドブックを見ながら登場。日本人はこういう所にいるのだと初めて知る??

ここでタイのお茶が飲めると言うのでアイスグリーンティをオーダー。ついでにワッフルもオーダー(何しろ昼が麺一杯だったもんで)。ワッフルはチェンマイに行った時も美味しく食べた記憶がある。

ティーを飲んでみると恐らくメーサローンの緑茶と思われる味。まあアイスにすれば美味しく飲める。他にもいろいろなお茶があるが、どこから仕入れているのだろうか??

バーンタオ氏が『オーナーのチコさんを呼びましょう』と言う。やってきたチコさんは小柄な日本人女性。この人がオーナー、正直、へー、たいしたもんだと思う。こんな大きな店をどうやって??実は様々な苦労を経ておられるようだが、今回は初回であり、そのお話はまた。

お茶はやはりメーサローン産もあるようで、既に私が考えていた『バンコックでタイのお茶を飲ませること』を実践している方がいた。更に話によるとこの近所に『中国茶に嵌って火鍋屋を開いた』方がいることも判明。早々紹介頂き、夕飯はそこに決まる。実に意外な、しかしよくある展開に。

(8)火鍋

Chicoさんと別れて、一度バーンタオ家へ戻る。丁度よい散歩コースかもしれない。そして夜になり。タクシーでレストランに向かう。既に闇に包まれた市内を北東へ。なかなかお洒落な建物、ネオンサインがきらめく一角に到着。『膳(しゃん)』と書かれた看板に導かれて3階へ。そしてレストランの前に来ると??

どうみてもフレンチかイタリアンのレストランがそこにあり、一歩中に踏み込むとそこではピアノの生演奏が行われており、思わずごめんなさいして、ドアの外へ。しかしChicoさんの『かなりお洒落なお店』という紹介フレーズを思い出し、再度中へ入ると予約が確認される。

白いテーブルクロスの敷かれた雰囲気の良い席を勧められ、ちょっと気後れ。本当に中国茶はあるのかと聞いてもらうと、メニューが登場。確かにあるのだが、うーん。頼んだお茶は素晴らしい透明の茶器に入り、透明の急須が暖められ、お洒落に飲むことに。

そしてここのメニューは火鍋。うーん、益々雰囲気が違う。と思っていると日本人オーナーが登場。お話を聞いてみると大阪で商売をやっているとか。ところがタイに嵌り、漢方薬に嵌り、お茶に嵌り、何と中国で有名な火鍋チェーンの小肥羊のレシピを研究し、こちらにお店を出したとか。その拘り方は尋常ではない。

このお店は元々イタリアンレストランであり、それをそのまま居ぬきで借りただけで、特にお洒落な火鍋屋を目指したのではないらしい。料理がやってくると、確かに中国の火鍋であった。バンコックで食べる火鍋はそれはそれで美味しい。材料は中国から入れるものもあるようだ。

何だか、以前渋谷センター街の小肥羊で食事をしたことを思い出す。女子高生が歩いている脇にお洒落な店があり、上品に食べる。友人のFさんが接待の後で掛け付けてくれ、4名で楽しく夕食を取った。

そしてバーンタオハウスに戻り、空港まで一直線。午前1時のフライトということで、ラウンジで休憩。タイ航空のラウンジは世界でも屈指と言われており、その名に恥じないリラックスできる空間であった。午前1時は北京時間の2時、到着は朝6時半、殆ど寝られないまま、自宅に戻り、そのまま出勤した。何だか夢の中を歩いているような気分であった。

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