バンコックの茶商を訪ねて2018(8)ホアヒンからバンコックへ

10月21日(日)
バンコックへ

翌朝は小雨で始まったが、すぐに止んでくれた。こういう場所で雨に降られると途方に暮れる。今日はこの旅を終了して、バンコックに戻ることにしていた。その前に最後に海を見に行こうと出掛ける。まずは今日のバスチケットを購入する。これによりここでの滞在時間が確定する。

 

朝の飲み屋街は実に閑散としている。もうこういう場所に夜足を踏み入れることもないが、何とも懐かしい雰囲気だけが僅かに残っている。朝のビーチ、それも雨上がりはかなり爽やかで鮮やかだった。それから朝ご飯を探して歩き回るも、コスパの良いものに出会わず、また宿近くで食べることになる。折角リゾート地だから、それらしいものを食べたいと思うのだが、やはり私には観光地料金には相当の抵抗があるということだろう。

 

10時のバスは時間通りに来るのか心配したが、大型バスがちゃんと定刻前にやってきた。乗客は数人しかいない。本当にオフシーズンなんだな。電車に比べたコスパは分からないが、僅か150バーツでバンコックまで運んでくれるというのだから有り難い。バス自体はかなり老朽化していたが、改善される気配はないようだ。

 

バスは快調に飛ばし、バンコックに入る時に少し渋滞があったものの、今日は日曜日ということもあってか、スムーズに進行した。ただ初めての南バスターミナルはかなり西の方に在り、驚く。おまけにターミナルの前で右折できないため、極めて大回りしてようやく到着する。知っている人々はターミナル前の路の反対側でいち早く降りてしまっていた。それでもホアヒンから3時間の道のりだった。

 

車掌のおばさんが『どこへ行くんだ』と外国人を気にして声を掛けてくれる。私はすかさず『507番のバスに乗りたい』というと、ああ、ターミナルから出ているよ、と言ってくれ、そのバスを指さしてくれたので安心した。しかしこの路線バスも、進行方向に向かうまでにターミナルの周囲をぐるっと回らなければならない。一体どういう設計をするとこうなるのだろうか。507番は定宿のすぐ近くまで乗り換えなしで行けるので利用してみたのだが。

 

最初は殆ど乗っていなかった乗客も川を渡った頃から増え始める。そしてチャイナタウン付近から渋滞となり、バスは動かなくなる。タクシーではどのくらいかかるのか分からないが、定宿近くまで1時間半以上バスに乗っていた。料金は僅か12バーツで嬉しいのだが、冷房が効きすぎて、最後は凍えるような寒さを覚えた。バスを降りると足が固まっており、一気に伸びをして、暖かさを体に入れた。

 

バンコックで
定宿に戻るとすぐに洗濯物を出した。最近は洗濯物が気になるのに、自分では洗わない、という習慣が定着し、余計に気になっている。定宿のおばさんとは顔馴染みだが、そろそろその子供たちの時代が近づいており、息子や娘も顔を覚えるようになってきており、何も言わなくても私のしたいことが分かっている。こういう何気ない付き合いは嬉しい。

 

昼ご飯は食べておらず、猛烈に腹が減った。何が食べたいのか分からず、取り敢えずショッピングモールへ向かう。そうだ、やはりここは日本食だ。それも出来ればとんかつ、と頭が回り、昔行ったことがあるとんかつ屋を目指す。この店、以前はかなり大きかったが、少し前に移転し、分かりにくい場所で細々営業している。

 

まだあったことがまずは嬉しい。そしてなぜか店内にインスタントラーメンのうまかっちゃんが展示されてあるのを不思議に眺めた。夕方5時前なのに若いタイ人カップルなどが上手そうにとんかつを食べている姿は微笑ましい。キャベツもたっぷり、肉も悪くない。久しぶりに満足感に満ちていた。

 

10月22日(月)
バンコックにて

今朝も天気はちょっと曇り。いつものようにYさんとコーヒーを飲み、外に出て、コムヤーンを食べる。それから午前中は部屋で過す。そして昼も又Yさんと近所の食堂で食べる。 ここは旅先というより自分の家にいる感覚だ。それからバイタクに乗り、エンポリアムに向かう。

 

ちょっとMUJIで買い物をしようと思ったのだが、ここにはユニクロしかなかった。検索するとサイアムドランゴン方面にあると分かり、わざわざ出かけていく。時間が余っていたのでちょうどよい。バックが壊れたので、新調する。軽いのが良いのでここに来たのだ。輸入品なら日本より高いと思っていたが、20%引きになっており、変わらぬ値段で買えたのは嬉しい。

 

それからMさんとの待ち合わせで、アソークに戻る。彼女には先日ヤワラー探索でお世話になったが、その後集友茶行には一緒に行けなかったので、その報告をした。更には8月のお茶会で出会ったHさんも合流した。彼女は熊本山鹿の出身であり、山鹿と聞くだけで興味深い。勿論地元では明治初期の紅茶伝習所の話など誰も伝えてはいない。彼女は来月からご主人の関係でスリランカに転勤になるという。またお茶に関係ある場所、ご縁は続きそうだ。

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