バンコックの茶商を訪ねて2018(6)チュムポーンからホアヒンへ

10月18日(木)
チュムポーンで宿を変わる

今朝もいい天気だった。ホテルの簡単な朝食を食べ、部屋の窓から風景を眺めていた。今日はホテルを変わらなければならないので、泊る宿探しが目的の外出をした。道に出ると、何だかお祭りの行列、白装束の人々が船の模型などを引いて通り過ぎて行く。やはり華人の一団だ。この時期は各地でお祭りが開催されているのだろうか。

 

ちょっと細い路地に入ると、その先にきれいなホテルが見えた。庭も広く、ロビーも吹き抜けで気持ちがよい。料金も高くないので気に入ってチェックインした。部屋も今よりは快適で、ホテルを変えて正解だったと思えた。ただフロントの女性が英語は出来るのだが、タイ的なソフトは対応がなく、ちょっと残念だった。荷物を前のホテルに置いたままだったので、急いで取りに行く。

 

昼は新しいホテルのすぐ近くにあった飲茶屋に入る。先日スラッターニーで食べたのとシステムは同じだったが、何とここには肉骨茶があった。これは食べてみねばと注文すると、想像以上に濃厚で美味しかった。しかしオーナーは華人ではなく、ハジャイ辺りで修行して、ここに店を出したというのだ。タイ南部は何とも福建のにおいがするが、タイ人もそこに少し入り込んでいるのだろうか。

 

午後は恒例となった昼寝に勤しむ。そして夕日が沈むのを部屋の窓から眺めて、外へ出た。昨日見付けた夜市に向かっていくと、まだ明るいのにご飯を食べている人々がいたので、釣られてカオマンガイを食べてしまった。何のプレッシャーもなく、食べたいときに食べ、寝たいときに寝る生活、これは一つの理想だろうか。

 

10月19日(金)
ホアヒンへ

今日の朝は少し雲がかかっていた。ホテルの朝食はそれなりで、期待を下回った。昼に電車に乗るので、取り敢えず午前中は街の散策に当てる。教会なども見え、ここも昔は交易がかなりあったのだろうと想像するが、今は本当に静かな田舎町だ。いや沢木耕太郎が来た時もそうだったはずだ。

 

昼にホテルを出て駅へ。12:46に来るはずの電車はほぼ定刻に来た。ここからバンコックまでは約7時間らしい。乗り込むと指定席はほぼ満員で、何とか自分の席に辿り着く。外国人の姿も見え、意外と人気の路線なのかもしれない。席も心なしかゆったりとしている。でもスペシャルだったのはこの後。

 

何と車掌の女性が飛行機のCAの様にワゴンを推して登場し、何とランチを配ってくれた。周囲の人はもう食べ終わっているのか、私にだけくれた。でも食べたものか迷ってしまう。すると隣のおばさんが『美味しいから食べてみなさい』というようなタイ語で語りかけてきた。開けてみると、何と魚の煮つけと白いご飯。この魚、いわゆるサバの味噌煮の缶詰のような感じなのだが、それでも久しぶりで美味しく完食してしまう。確かにスペシャルだった。

 

列車はほぼ民家も何もない風景の中を走っていく。本当に開発も何もされていない場所が沢山ある。途中で海が見える所もあった。この路線は海岸沿いを一路バンコックに向かっているのだ。また車掌がドリンクとスナックを持って現れた。途中から乗った人は時間によってサービスが異なるようだ。ずっと乗っていればそのサービスを受け続けることができる。

 

3時間ちょっと乗っていると、フワッと言う感じでホアヒンに到着した。ちょっと慌てて荷物を下ろして下車する。ホームの端には立派な貴賓室が見える。皇族はここを使うのだろうか。さすが皇室の避暑地として開かれた街、だけのことはある。駅自体もかなりおしゃれな雰囲気が漂い悪くない。大勢の観光客が写真撮影に励んでいる。

 

ホアヒンで

天気は曇りで雨が降るかもしれないと感じ、早めに宿を決めようと思った。週末の観光地ということで、事前に一応ホテルが固まっている場所を確認していたが、最後はフィーリングで決めるつもりだった。駅前からフラフラ歩いていくと、いくつかホテルがあったが、どうもしっくりこない。そんな中、ふと見上げると、貸し部屋のような看板があった。ホアヒンだから欧米人の長期滞在もあるのだろう。

 

階段に近くづくと、1階に作られた小さなカフェの女性が声を掛けてくる。彼女がオーナーのようで、かなり広い部屋だが1000バーツでどうかと聞いてくる。取り敢えず見に行くと、その部屋は2ベッドルーム、どう見てもファミリータイプで100㎡以上ありそうなコンドミニアムだ。1人で泊ってもよいというので、面白いのでそこに決めた。エレベーターがないので、階段で3階はちょっと大変だが、まあ良い運動だ。

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