タイ巡礼、そして茶旅2017(9)5年ぶりのランプーンへ

7月19日(水)
長い長いランプーンへの道のり

翌朝はホテルの朝食を食べた。勿論これまでのホテルより立派な食堂であり、メニューの豊富な朝ご飯だったが、結局食べたのはお粥やパン、目玉焼きで、これまでとそれほど変わらない。これで300バーツ出すのであれば、昨日の豚肉炒飯がもう一度食べたい、と思ってしまった。因みに朝食券を2枚もらったので、2度食べることも可能だろうが?それもしなかった。

 

昨日バスターミナルでランプーン行きのバスをチェックしたが、意外と少ない感じだった。ただ少なくとも午前11時には必ずあると聞いたので、10時過ぎに居心地の良いホテルを出て、近くでバイタクを拾い、ターミナルに駆け付けた。何しろ先日メーソットで『満員』を食らっていたので、気を付けたわけだが、切符はあっさりと買うことができて、手持無沙汰となる。

 

バスは11時過ぎにやって来た。ケンコーンからチェンマイへ行くバスだ。一応座席は決まっているがガラガラだったので、好きな席に座っていると車掌のおばさんに『ダメ』と言われる。仕方なく戻って狭い座席に座っていると、スコータイの遺跡を通り過ぎる。元はここに泊まるはずだったのに、と思っていると、白人が大勢乗り込んできて本当に満員となってしまった。カップルが席を代わってくれというので、ちょっと広い席に移動できたのはよかった。

 

当初5時間でランプーンに着くと言われて乗ったのだが、このバスも幹線の全てのターミナルに停まり、どう見ても早そうではない。先日通り過ぎたタークでは30分以上のランチ休憩もあり、進みが極端に悪い。しかも車内はクーラーが効きすぎて、体が冷えてしまい、体調を崩しそうになる。

 

実はランプーンではSさんのところにお世話になることになっていた。過去2度行っているがいずれも車で連れて行ってもらったので、バスに乗って自力で行くというのは初めて。午後4時頃バスターミナルに着く、と伝えていたにもかかわらず、午後4時にようやくランパーンまでしか行けなかったので、慌ててメールする。

 

5. ランプーン
久しぶりの花農園

結局午後5時半前にようやくランプーンに着いた。あまりバスの発着もない、ローカルな感じだった。そこにポツンとSさんの奥さん、タイ人のメオさんが待っていてくれた。恐らく1時間半以上、この何もないところで待っていただろう。何とも申し訳ない。メオさんの車で自宅へ向かう。そこはランプーンの街からも結構離れており、むしろランパーンに戻る方角だった。ただタイの長距離バスは頼んでおいても途中下車は危険だということで、取り敢えずターミナルへ行ったのは正解だったようだ。

 

家に行く前に近くのマーケットに寄る。そこで焼き鳥、焼き豚など今晩のおかずを買う。何とこの市場でも寿司を売っており、しかもなぜか白人女性がそれを買っていた。なんとも不思議な光景だったが、やはり市場というのは面白い。私は言葉ができないのでタイ人の後ろをついていくと色々な発見がある。夕日もきれいに線路に傾いていく。

 

5年ぶりにSさんの花農園にやって来た。以前より一層木が生い茂っている感じがする。その自然の中のコテージに泊めて頂くのが何とも楽しみだった。ここは何もしないでいるだけで十分に心地よい。かなり鈍感な私に、植物の力を感じさせてくる場所だ。すぐにあたりは暗くなる。

 

母屋で先ほど買ってきた焼き鳥などの夕飯を頂く。Sさんは最近大きな病気をされており、以前のように動くことは出来なくなっていたが、色々な話をしてくれた。娘さんも12歳になり、何でもお手伝いができる。タイ語も日本語も話せるようで、何とも月日の速さを感じる。息子さんは今やチェンマイの大学に行っているという。卒業後は、この花農園を継いでくれるのだろう。頼もしい限りだ。

 

夜は部屋に付いているシャワーを浴びて早々に就寝する。何しろ静かなのだ。時々微かに虫か何かが動く気配がするが、それだけだ。夜半に雨が降り出した。その雨の音がなぜかとても心地よく聞こえてくる。なかなか表現が難しいが、どこかに吸い込まれていくような、気持ちよい眠りがあった。

 

7月20日(木)
ゆったりとした1日

朝起きると軽く雨が降っている。傘を差して少し散歩した。それから母屋でお粥の朝食を頂く。この家には犬や猫が何匹かいるが、昨晩もちゃんと夕飯のおこぼれを狙って、ずっと待機していた。今朝も同様だ。猫は椅子の上に上がってきて、ついには私の膝の上で寝転がる。人間に対する恐怖心というものは皆無なのだ。ちょっと叩れたり、追い出されても遊んでいるような雰囲気だ。飼い主の愛が感じられる。

 

Sさんは体が少し不自由になったが、毎日朝からインターネットを通じて世界中の情報を集めて関心を寄せている。私などが知らない世界の話もよく知っていて驚く。『この問題をどう思うか?』などと聞かれても答えられない。アジア中を旅していると言っても、実はたかが知れている。しかも知っている分野は相当に限られており、多くの人が関心を寄せるような問題を全く知らないことが多いと痛感。

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