埔里から茶旅する2016(16)突然の製茶体験

 5月24日(火)
7. 坪林
坪林へ

翌朝は早く起きて、坪林へ行く。実は埔里にいる時、Yさんが『日曜日に坪林でコンテスト茶の試飲会があるので行きたいが、中国語ができないので代わりに電話して欲しい』と言い、Iさんが電話をした。ところが『それは火曜日に変更になった』と言われ、月曜日の夜帰国するYさんは参加できないと残念がった。そこで私とIさんが代わりに行くこととして、先方も了承していた。場所は昨年Mさんの紹介で訪れていた茶荘だったので、問題なく行ける。コンテスト茶が飲めるなら、ちょうどよい。

 

坪林へは前回、地下鉄の大坪林という駅からバスに乗った。これが速いということだったが、朝は高速が渋滞したので、それほど速いと感じなかった。更にはこの茶荘は新店から出るバスの終点の横にあるため、新店で待ち合わせて、出掛けることになった。新店から何時にバスが出るかは分っていなかったが、まあ30分に一本ぐらいはあるだろう、とたかを括っていた。

 

何となく早目に宿を出て、地下鉄に乗って終点の新店に7時過ぎには着いてしまった。待ち合わせは7時半、何気にバスの時刻表を見ると、何と7時半の次は8時半。1時間も待つのはかなわないし、9時に茶荘に着けないので、焦ってIさんにラインした。彼はちょうど7時半に駅に到着。バスは幸いそのあとすぐに来たので、事なきを得た。乗客は結構乗っている。大坪林からのバスに比べて料金がかなり安い、と言うのも要因だろうか。

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開いていない茶荘

1時間バスに乗り、坪林に到着した。8時半で少し早いとは思ったが、バス停の横なので茶荘に行く。ところが、何とシャッターが閉まっていた。9時から会があるというのに、一体どうなっているのだろうか。行けば分ると思い、電話番号すら控えていないので、どうにも連絡のしようすらない。少し待つことにして、バス停向かいの店に入り、朝ご飯を食べる。かなりのローカル店だが、お客は沢山いて、焼きそば食べたり、蛋餅を食べたりしている。バスを待つ間に食べているのか、それとも単なる朝飯か。

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お客がどんどんやってきたので、席を譲るために外へ出た。しかしまだ茶荘は開いていなかった。仕方なく、道を歩き出す。コンテスト茶と言えば、前回コンテスト入賞常連の店に行ったのを思い出した。こんなに早く開いているのか不安だったが、見に行くと、こちらはちゃんと開いている。老板を呼んでもらうと、『前にも会ったな』と何とか覚えていてくれた。ここでIさんに見せたかったのが、丸まった包種茶。

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製法も味も包種茶なのだが、なぜか高山茶のように丸まっている。老板によれば、『中国人観光客は台湾茶と言えば丸まっているもの、と思い込んでおり、味より形、丸くなければ買って行かないのでこうなった』と驚くような話をする。しかしこれは一面の真実を語っており、美味しいとか品質が良いというのと売れるというのは違うのである。勿論ある時期が来れば、飽きられて売れなくなるのであろうが、まずは売れないと次がないのであれば、売っていく。コンテストでいくら入賞しても、それほど商売に直結しない、という現実もあるらしい。

 

突然の製茶体験

お茶を飲んでいると9時を過ぎてしまった。慌てて礼を言い、店を出て、目的の店へ。今度はシャッターが空いていたので一安心。だが人はない。声を掛けると奥からお母さんが出てくる。『今日の会に参加しに来ました』というと、『ちょっと待ってね』と言って、電話を掛ける。『生徒さんが来たよ』といい、こちらを向いて、今お父さんが迎えに来るからと言う。生徒と言う言葉が引っかかったが、まあ試飲の生徒、と言う意味だろうと解釈した。お父さんは工場から来るという。では試飲会はどこで行われているのだろうか。全く理解できないが、流れに従う。

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迎えの車に乗り込み、10分ほど登ると、そこに廟があり、その横に工場があった。中に入ると、お父さんの息子、長男が待っていた。そしていきなり、茶葉はここにあるので、これから一緒に作ろうという。何だか分らないが、荷物を置いて笊を揺する。なぜこんなことをしているかも全く分からないが、長男は全く意に介さず、揺らし方などを指示している。Iさんもまじめにやり始めた。もうこのままやっていくしかない。

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揺らし終ると、製茶の工程の説明があった。室内で萎凋を続けて、それから殺青する。何だか完全に製茶体験の生徒のような気分になる。ところで試飲会はどうなったのだろうかと思ったが、外に散歩に出た。この付近には植えたばかりの可愛い茶樹が広がっているが、最近開拓したのか、野菜畑でも転作したのか、よくわからない。すぐ近くには川が流れており、遊歩道ができている。向こうからハイキングする台湾人が歩いてきた。この辺は観光地なのか、山間部なのか。

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