埔里から茶旅する2016(3)鹿谷へ向かう

 5月18日(水)
鹿谷へ

夜は外の車の音が少しうるさかったが、翌日はなんとなく目覚め、朝ご飯を買いに外へ出た。すぐ近くの店で蛋餅と紅茶をゲットして、部屋で食べる。なぜか甘い紅茶も蛋餅と食べると美味しいから不思議、台湾らしい朝だった。今日は鹿谷へ向かうのだが、一緒に行くYさんが台北から高速鉄道に乗ってくるため、目の前の台中駅ではなく、高速鉄道の台中駅へ行かなければならない。それには台中駅からローカル線、区間車に乗り、新烏日という駅へ行くことになる。料金は15元、時間も10分余りだという。

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切符は自販機で買うというのだが、ちょっと迷う。よく見ると、料金も駅名も自販機にきちんと書かれている。電車は向こうのホームにやってきた。荷物を持って地下通路を歩き、階段を上がるのはちょっとしんどい。車両は普通。台中駅を出るとすぐに農村風景になった。こんなものだろうか。確かにすぐに新烏日駅に到着。待ち合わせの8時半にはまだかなり時間があった。だが、そこから高速鉄道駅まではちょっと距離があり、ゆっくり歩く。台北駅のようにローカル線のメインと高速鉄道の駅が1つだと便利なのだが、台南なども離れているのは、何となく不便だ。

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Yさんからはメッセージで8時15分には駅に着くと連絡があったので急いで改札口へ向かった。だが8時15分の列車が走り去って、乗客が全員降りてきても、彼女の姿はなく、ちょっと焦る。Yさんはなかなかユニークな人なので、私が指定した待ち合わせ場所を勘違いしている可能性も大いにある。電話してみたが、全く出る気配もない。10分近く経ったころ、ぴょっこり現れたので、ホッとした。トイレに行っていたとのこと、確かに待ち合わせ時間には余裕があったが、到着時間が指定されれば当然先に降りてきて落ち合ってから、トイレに行くだろうと思うのは私だけだろうか。

 

そして1階にあるバス乗り場へ向かう。ここは何度か利用しているので慣れていたのだが、切符売り場でお金を払うと整理番号を渡される。この時間は10分間隔で来るので、問題なく乗れると思っていたら、完全に甘かった。バスが来て乗り込んだ人々の整理番号は130番台、私たちが持っていたのは何と180番台。一体いつになったら乗れるんだろうか?今までこんなに混んでいたことはなかった。しかも今日は平日、どうなっているんだ。乗客のほとんどは台湾人の年配者のグループ。ハイキングに行くらしい。

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どうすることも出来ずに呆然としていると、そこはYさん、すかさず『あれー』という声を出す。何だと思っていると『実は今日、もう一人Uさんを訪ねてくる人がいるんですよ』という。彼女も1度会ったきりらしいが、日本人男性とか。彼はいつ来るの?と聞くと、LINEを見る限り、今バスに乗ろうとしているというのだ。ならばこの辺にいるだろう、というと、これまたひょっこり、『あのー』という声がかかる。彼がIさんだった。何だかよくわからないが、3人旅となる。因みにYさんはUさんと会ったことはなく、私はIさんとは初対面。こんな組合せで、ご縁ができるというのが、まさに茶縁であろう。

 

そして30分後、2人なら乗れるよ、というところまで順番が来て、これをパス。次のバスには何とか乗れた。このバスは台中駅から来るようで、私一人なら、こんなに待つ必要はなく、台中駅前から乗れば済んだらしい。このバスも満員、どうなっているんだろうか、本当に。バスは竹山経由で、鹿谷に向かう。Uさんには乗車した段階でIさんが連絡を入れていた。我々は農会のバス停で降りるように指示されていたが、呆気なく通り過ぎた。なぜだろうか。今回は不思議な出だしとなっている。

 

3. 鹿谷
偉信の店

Uさんに乗りこしたと連絡すると『今バスが通り過ぎましたよね』と半ばあきれながら、次のバス停まで車で迎えに来てくれた。そしていつものように、彼の拠点となっている、偉信の店へ行く。5年前、初めて鹿谷に来た時は、隣の古い家だけだったが、今では立派な店があり、結婚もして、子供も2人居る。店に入ると女の子がヨチヨチ歩いてきて、名刺をくれる。何とも微笑ましいが、名刺は何と彼女のものだった。将来のオーナーか。どんどん大きくなっていく。

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席に着くと、ウエルカムティーだと言って、シャンペングラスに冷えた高山茶が供される。何とも有り難い。そしておしゃれで、美味い。皆さん、単にお茶を作るだけでなく、遊びを入れながら、色々な工夫をしている。今年は天候が不順であり、茶葉の生育にも影響があった。茶はようやく少し出来始めたところだった。私はここで作られる焙煎の効いたお茶が大好きだ。高山茶というと、清香が主流かもしれないが、本来は焙煎が効いた、濃香なお茶が飲まれていたはずだ。この店の地下から、いい匂いが流れてくる。ここで焙煎が行われている。私は初めて、ここに入れてもらい、見学した。

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