鉈先生と行く雲南ラオス茨の道2016(7)樹齢400年茶樹のある村

 そしてこの近くの街道沿いで宿を探すことになったが、周囲を見渡してもなかった。王さんが暗い中、道端で人に聞いている。ようやく見つけたその宿は何と満員だと断られる。そこにいたおじさんが『いい宿がある』と連れて行ってくれたのは、街道から少し離れた場所。新しくできた宿のようで、部屋はかなりきれいだったが、ツインの部屋がないことと、Wi-Fiがなかったことから、残念ながら泊まらなかった。丸2日以上、全くネットを繋げないのもちょっと不安だったのでこの決断になったのだが。

 

そして辿り着いた宿は、正直狭くて臭かった。今回の旅で最悪の部屋だった。しかも外から大額の音が響き、煩い。唯一Wi-Fiがロビーで繋がる以外、全くいいことはなかった。そんな部屋なのに、価格はあのきれいな部屋よりも高い。どうなっているんだ?やはり街道沿いの便利な場所、というのが強気にさせているのだろう。王さんも『ここは良くなかった』と反省しきり。でも疲れていたので、仕方がない。布団をかぶって寝るしかなかった。

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4月11日(月)
4. ポンサリー郊外
再びコーマン村へ

本日は当然早起きして、ネットをやる。部屋で寝ている気にもなれない環境だった。王さんもロビーにいた。早々にチェックアウト。もうお決まりのようなっている麺の朝食。美味しいのだが、少し飽きてきた。この付近は中国が支援して道が作られている。中国側にとってもこの道は大事だということだ。そして我々は中国側に向かって戻らず、反対にポンサリー方面に車を走らせた。ここに泊まったからには、ポンサリー郊外の茶畑に寄って行こうということになる。

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1時間ぐらい走ると、『樹齢400年の茶樹はこちら』という表記が見えた。そこで山の方へ向かって入っていくと、何と2月に私が白人ツアーを敢行したコーマン村に着いた。ここにはそんな古い木があったのか。前回はガイドもなく、何もわからなかったが、今回は色々と見られそうだ。

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ここの塀にコーヒー栽培を奨励する広告が張られていた。中国語が使われていたので、中国企業がラオス農民にコーヒーを作らせようとしている様子が分かる。具体的に3年後の収入を表示するあたり、如何にも今の中国らしい。しかしラオス産コーヒーを中国人が飲むのだろうか。インスタントコーヒーなどの原料になるのかもしれないが、そんなに儲かるだろうか。

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前回と全く同じ道を登っていく。そのきつい階段のところで何と、前回突撃訪問した家のおばさんとすれ違う。彼女も私を認識したようだが、驚いた様子もなく、会釈して別れた。何となく日常だった。その家の近くには、かなり大きな茶の木が植わっていたが、あれは茶だったのだろうか。

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もう少し行くと、前回も覗いた茶工場がある。2月には誰もおらず、鍵もかかっていたが、中には製茶機械も置かれており、今回は人が茶を作っていた。なんとそれは中国人であり、ここで原料の茶葉を調達して、加工、そして広東に売りに行くのだという。そうすると5倍から10倍の値で売れるというのだから、多少不便なラオスの田舎でも我慢しているのだろう。実際そこは工場でもあるが生活の場でもあり、鍋釜があり、テントまで張られていた。

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そのすぐ下に、樹齢400年の木があった。前回は完全に気付かずに通り過ぎていた。かなり太い木であり、タリエンシスかな、と思われる。樹齢400年の木とは、誰が鑑定したのだろうか。鉈先生はしきりに写真を撮っているが、果たしてこの木をどのように評価するのだろうか。

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車のところに戻ってくると、ちょうど人だかりがあった。その中心には中国人がおり、地元の女性が片言の普通話で話していた。その中国人は何と王さんの知り合い(中学の教師を定年退職)で西双版納からピックアップトラックでやってきたという。昨晩到着し、これから買い付けた茶葉を積み込んで、西双版納へ戻るらしい。彼の車は最寄りの国境を通れるため、5時間あれば西双版納に着くというから、なんとも羨ましい。我々はこれからここを出発しても今日中に西双版納に辿り着くことはまずありえない。でも一番かわいそうなのは王さんだろうな。

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地元民は皆茶葉を摘んで、ここへ持ち込んでいた。茶葉を買ってもらえればすぐに現金化できるのだろうか?とにかく勢い込んで売り込んでいた。買付者はその茶葉を一々吟味して、良いものだけを選んでいる。中には、茶葉を先ほどの茶工場へ回して加工してもらってから、西双版納に持ち込むこともあるらしい。それでも明日の夕方には受け取れるというから、やはりこの距離感は侮れない。

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昼前にはコーマン村を離れる。いよいよ帰路に就く。途中でランチを食べる。今日は中華系、豆腐がイケル。昨晩王さんと『西紅柿炒鶏蛋』について話していたら、ちゃんと注文してくれていた。日本の中華料理にはないトマト卵炒めは、中国人が最も好む家庭料理であり、王さんも言っていたが、何とも懐かしい料理なのだ。これが美味しくないレストランは流行らないともいえる。

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それから3時間山道を走り、ウドムサイに近い、パクナムノイという街に着く。そこにはちょうど少数民族が集まってきており、筍などを売り歩いている。彼女らはどの辺からここへ来たのだろうか。ずいぶん遠くから来たのかもしれない。買ってあげたいが、食べる術もないので諦める。

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